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新NISAで気をつけるべきこと。為替も考慮してる?

今年から始まった新NISAが様々なメディアで取り上げられており、これまで以上に投資が注目を集めている。

これはいいことだ。日本で暮らすということは資本主義に賭けているともいえるのだから、株式投資を行わない理由はない。

食料品をはじめ様々なモノやサービスの値上げが続く中、資産の大部分を預貯金で置いておくと実質的に複利で損をしてしまうことになる。

新NISAでは米国株や世界株の株価指数(インデックス)に投資を行う商品(S&P500、オルカン等)が人気とのこと。

過去数十年のデータを見るとそれらのインデックスは右肩上がりで推移しており、百年に一度といわれたリーマンショックやコロナショック等の急落を経ても、その後大きく上昇している。

資本主義が続く限りこの流れは変わらないだろう。
ただし、いまの株価水準は割高との声もあり、数年間株式市場が振るわない時期がくる可能性もあるため、投資は長期・分散で行うことが王道だ。

ひとつ気になるのは、海外株式のインデックス投資に関して、為替について注意を促す意見があまり見られないことだ。

S&P500はアメリカを代表する約500の企業に分散して投資を行う商品だ。
投資先は定期的に見直しが行われ、時代に合わず稼げなくなった企業等は自動的に排除されるため、投資家はS&P500を持ち続ければいいとされる。

そのためインデックス投資を始めるのは早ければ早い方がいいといわれるが、日本人にとってはそうともいいきれない。

なぜか。
米国株を買うためには日本円から米ドルに交換する必要があるからだ。
現在1ドル=150円程で推移しているが、これは34年ぶりの円安水準だ。

いま米国株に投資を行うということは、過去30数年で最も割高になっている米ドルを購入することを意味する。

株式市場は基本的に右肩上がりが期待できるが、為替レートはそのようには動かない。
さらに円安が進む可能性もあるが、円高に戻る可能性も十分にある。

米ドル円の為替レートは、購買力平価(日本とアメリカで同じボールペンがそれぞれ100円と1ドルで販売されていた場合、1ドル=100円が適正という考え方)を考慮すると1ドル=110円程度が適正との意見がある。

たとえば、いま米国株に1,000万円を投資して、10年後に米国株が30%上昇したとする。
1,000万円を6.67万ドルに交換して、米国株に投資をした後に30%増えて8.67万ドルになるわけだ。

10年後に為替レートが1ドル=110円になっていたらどうなるか。

8.67万ドルに110円を掛けると、954万円。
日本円に交換するとマイナスになってしまう。

もちろん、為替レートが現在の水準からさほど変化しないか、より円安に進んでいる可能性もある。

大切なのは、このような点も含めて自分でしっかりと理解をした上で投資を行うことだ。

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