オレンジ色のひまわり(短編小説)
これはわたしのママの話です。
私のママはいつもちょっとだけ狂っている。
* * *
ピアノのお稽古からの帰り道、手をつないでのんびり歩いていると母が突然立ち止まった。
「大変!」
「ママどした?」
「ルリもう八歳だよ?」
「それがどうした」
ルリアは母の子供っぽい仕草に対してたまに大人みたいな口をきいた。
さっきまでご機嫌で鼻歌を歌っていたのに、母はルリアの手を離すと頬を両手で押さえた。
「八歳ってことは、もうあと一年で九歳になっちゃう、そしたらすぐ十歳!」
「