メルボルン拠点のプロデューサーYunzeroがHUERCO S.のレーベルWest Mineral Ltd.よりリリースした作品。こちらの記事で取り上げたダブ×アンビエントの潮流では今年も良作が多数出ていて、同じくWest Mineralからの流体化したR&Bもしくはダウンテンポ化したSlowdive『Pygmalion』みたいにも聴こえるPontiac Streator『Sone Glo』、この潮流の中でも極エクスペリメンタルからエキゾ・ダブ~チェンバー・アンビエント(?)な作風まで雑多に披露してきたBen Bondyのいつになく穏やかな(しかしサウンドの彩りは凄まじい)セルフタイトル作『Ben Bondy』、ExaelとPerilaが組んでシューゲ化(?)した音楽性を披露したbaby bong『baby bong』、Dublin『Dublin』はじめ新興レーベルwherethetimegoesからの諸作品、他にもLai『Pome』やTIBSLC『How To Open Your Eyes In The Eye Of A Sandstorm』などよかったんですが、最も気に入ったのがこれでした。本作は収録トラックの制作期間が2013~2021年とかなり長く、そのためかトラック毎にかなり作風にバラつきがあるんですが、そこをなんとかミニマル・ダブ的な空間処理だったり音質トリートメントが繋いでいる印象です。それに加えて曲間なく移り変わっていく収録形態なため、聴いてる感覚はさながらミニマル・ダブ~ダブ・テクノの拡大解釈をテーマとしたDJミックスのよう。なので先に挙げた作品に比べると(作品の統一性を担保しているのは「アンビエンス」だと思いますが)ダンス・ミュージックとしての威力強めですが、そこがよかった。
トロント在住の作曲家Nick Storringによる作品。彼の作品はプロフィールによるとEve Egoyan, Quatuor Bozziniなど私の知っているような演奏家にも取り上げられているそうで、いわゆる現代音楽の文脈にも接した活動を行っているようです。しかしながら録音作品として発表されているものについてはその多くが非常に多種多様な楽器を自ら演奏し、それを端正なクラシカル由来のセンスだけでなくコンクレート的感性も多分に加えたうえで編まれる「one-person-orchestra」な成り立ちとなっています。私は彼の作品はデビュー作となるEntr’acteからの『Rife』以来ほとんどチェックしていなかったんですが、それ以降もOrange Milk、Never Anything、mappaなどのレーベルからコンスタントに作品を発表していたんですね…。ということで今回これを書くにあたって一通り聴いてみたんですが、それらの作品ではその「one-person-orchestra」の作風が格段に深化していて、特に2020年の『My Magic Dreams Have Lost Their Spell』と2021年の『Newfoundout』は今更ながら素晴らしい傑作……!で、本題のこの『Music from Wéi 成为』ですが、ここではこれまでの作品で本当に夥しい種類用いられていた楽器が基本的にピアノ(コンピュータ制御のアコースティックピアノであるディスクラヴィアなど特殊なものも含む)に絞られていて、これまでの雑多といえるような彩りのサウンドとは対照的なほど音響面での統一感を持って進行する一作になっています。しかしピアノのみとはいっても内部奏法であったり、おそらくE-bowなどを駆使して出したと思われる持続音、グラニュライズ的なエフェクトサウンドなども含まれているため、再生する度にそこかしこに細工が見つかる、彼らしい奥深い作り込みがしっかり伺える作品にもなっていて、自分らしいピアノへの向き合い方を突き詰めた仕上がりがお見事。ピアノ使ってるところはもちろん和声的な部分やサウンドの工夫など、同年リリースのDuval Timothy『Meeting with a Judas Tree』と並べて聴いても面白いのでは。
インダストリアル~ダンスミュージック~アンビエント、そしてエクスペリメンタルをシンセを鍵として横断/混在させるようなリリースを展開するレーベルEcstaticよりコンスタントに作品を発表しているロンドン拠点の作家Romanceによるアルバム。これまでも程よく靄がかったシンセアンビエントを聴かせていて、更に2021年のNot Wavingとのコラボ作『Eyes Of Fate』ではシンセの運動性が増しアンビエントとスリリングなエレクトロニック・ミュージックのいいとこ取りみたいな作風を披露していましたが、本作ではなんとセリーヌ・ディオンの楽曲をサンプリング、スローダウンし、ヴェイパー以降な感触も多分に備えた世俗/秘境が同居するかのような、レア・グルーヴならぬドメジャー・アンビエンスな傑作。てか自身の持つ感覚を頼りに既存の音楽に潜む「アンビエンス」を掘り起こすって考えるとやってることは思いっきりレア・グルーヴな作品なんだろうなこれ。bandcampの作品ページの紹介文がかなりよくて、eccojamsとかFloral ShoppeとかBasinskiとか例に出されるのはお決まりですがClams Casinoの名前まで出ていて、たしかに音の感触としてはそれが一番近いのかも。2022年は(あくまで自分がよく聴いてる電子音楽とアンビエントの範囲で)声の存在感なり用い方が面白い引っかかりを生んでる作品が多かった印象なんですが、本作はその急先鋒でした。ちなみに本作にはカセット(既に売り切れ)にのみ含まれていた楽曲があったようで、それらは最近別途『In My Hour Of Weakness, I Found A Sweetness』というタイトルでリリースされています。
2014年にリリースされたCadu Tenório + Marcio Bulk『Banquete』が記憶に残っているブラジル・リオデジャネイロの音楽家Cadu Tenórioによる作品。声が溶け込んだパッド系の音色がやや不協和な色合いで空間を染め上げ、グリッド上をランダムにバラつくようにキックが打たれ続けるところに、スローダウンされた歌声サンプルが乗る、このサウンドの取り合わせがあまりに素晴らしく、もうほぼこの印象だけで全編持って行かれるみたいなアルバム。「涙」を意味するタイトルと、キャプションに書かれた親友へのメッセージも相まって、アンビエントらしき音響が哀歌として鳴り響く、正に自分が聴いてみたかった表現形態の傑作でした。歌声の用い方の点では同年のRomance『Once Upon A Time』と、スリリングな和声ひいては音響の編み方の部分ではPan Daijing『Tissues』なんかと並べて聴きたい一作でもありますね。
18. Batu『Opal』
UKはブリストル拠点のテクノ/ベース・ミュージックのプロデューサーBatuによるアルバム。音源リリースだけ辿ってみてもキャリアは10年近くになるようですがアルバム作品のリリースはこれが初だそうです。リリースは自身のレーベルTimedanceから。この人は2021年に出した12インチ『I Own Your Energy』が、エッジーな音が飛び交いつつそれらがビルドアップ感にばっちり繋がったハイエナジーなテクノミュージックで印象に残ってたんですが、今作はエッジーさがなんか他のところ向いてる感じで、風変りな音色は相変わらず沢山用いてるんですがなぜかまろやか(?)な印象が残ります。音に不思議な丸みと立体性があるというか……。それらの音は機能の面でも「踊れる」ことに繋がってるように感じられる時もあれば、なんだかよくわからない場面も結構あってなかなか変な、でも面白いバランスの作品出してきたな~と。終始踊れるといった観点とはまた異なる視点で、しかしアルバム作品としての流れはめちゃくちゃ練られているので途中のウェイトレス(?)な時間の存在も全然違和感はなく、なかなかハマれる作品です。機能性をキープしつつエレクトロニック/シンセ・ミュージックとしての遊びを入れまくるみたいなことをこの年一番巧くやったアルバムかもしれませんね。
共にTouchからのリリースが印象深い音楽家であるMark Van HoenとZachary PaulによるユニットIHVHによる作品。リリースはTouchの運営者でもあるMike Hardingが並行して運営しているAsh Internationalから。本作聴いての第一印象は「これDrøne(Mark Van HoenとMike Hardingによるユニット)の一代傑作『The Stilling』と同じ地平にある音楽じゃん!」というものだったんですが、調べてみるとこれ元々は『The Stilling』と同じ2020年に限定的にリリースされていて、2022年に再発という流れだったみたいです。雑多なサンプリング音声に官能的なswellだけでなく呻きや嘶きのニュアンスも持つストリングス、ドローン・ミュージックからのフィードバックとしてもたらされたと思しき線的な展開の在り方などなど……どれもやはり『The Stilling』と通じる部分にはなってしまうんですが、今の自分こういうの本当にどうしようもなく好きですね。(ちなみに『The Stilling』については「コラージュ×アンビエントで振り返る2020年の音楽」で取り上げてしっかり書いていますので是非。)
13. Carmen Villain『Only Love From Now On』
ノルウェーはオスロ拠点の音楽家Carmen Villainによる作品。Arve AnriksenやJohanna Scheie Orellanaも参加し、いわゆる第四世界音楽の再評価ここに極まれりって感じのアンビエント・ジャズを聴かせてくれます。2022年はSmalltown Supersoundが本当にいい作品を連発していて、本作に加えて、同じくベストに入れてるDeathprod『Sow Your Gold In The White Foliated Earth』、他にもArve Henriksen, Kjetil Husebø『Sequential Stream』、Anja Lauvdal『From A Story Now Lost』、rRoxymore『Perpetual Now』、Kelly Lee Owens『LP.8』とか素晴らしかったです。この年のベスト・レーベルはここでしょう。
12. Deathprod『Sow Your Gold In The White Foliated Earth』
韓国出身のマルチ楽器奏者、作曲家Park Jihaによる作品。ジャケが非常にインパクトありますが、これはsaenghwang(セングァン?)という韓国の楽器で、日本の雅楽の笙にも似た構造とサウンドを持っています(元々は中国の笙に由来する楽器だそうです)。本作はこれに加えYanggeumというダルシマーに近い韓国の伝統楽器、そしてグロッケンシュピールを用いて、安藤忠雄が設計した地下壕で録音された即興演奏をベースにした作品とのこと。作品のテーマには「光」が据えられていて、安藤忠雄の地下壕の天井には部屋を横切る光の道(有名な「光の教会」と同様のあの感じでしょうか)があったことも作品概要に記されています。それによる先入観も多少はあると思いますが、たしかに聴いているとくっきりと光の差す室内を思い浮かべてしまうような音楽で、器楽作品であることと録音の質感などで同年に発表されたDeathprod『Sow Your Gold In The White Foliated Earth』と通じるものを感じます。と同時にDeathprodは光の遮られた屋内を、本作は光が差す屋内を想像させるところが対照的でもあり、自分にとっては並べて聴きたくなる作品になってます。
2020年の『Rakka』リリース以降ちょっと心配になるような異常なテンションの作品を立て続けに出してるVladislav Delayですが、今年もEivind Aarsetとの共作『Singles』とソロ新作となるVladislav Delay『Isoviha』があったうえで極めつけにドロップされたのがこの謎なネーミングの新名義での一作。Delay名義での近作は何よりドゥーミーという表現もちらつくほどのサウンドの重さエグさが印象的でしたが、今作はそれも踏まえつつ2021年にSasu Ripatti名義でPlanet Muから出したジュークな作風の『Fun Is Not A Straight Line』のノリも飲み込んで、更にいろんなリズムも試してるみたいな印象です。かなり忙しない印象のアルバムではありますが、その辺の表現含め現在進行形でいろんな音楽聴いてるんだろうなというのが伝わる多彩さ。現在最もホットなNyege Nyege Tapesに真っ向から対抗できるほどのユーモアと求心性を感じます(というかその辺りの音に触発されてるように聴こえる部分も少しある気がします)。特に7曲目はブラックメタル切り刻んだ(?)みたいなサンプル使いやら、スタスタすっ飛ばすツービート的なドラムが挿入されるやらでなんでこの人がこんなん作ってるんだとわけわからなくて聴く度笑えてきます。
東京在住の音楽家yolabmiによる、2019年の『Life In A Shell』、2021年の『By The Sea』に続く三部作の最終作という位置付けの新作。ミュージック・コンクレート的といったらいいのか、スリリングな音のカットが入る冒頭の「Reborn (+Felt)」に始まり、随所で波の音や水中でたつ物音を思わせるサウンドを纏いながら、進むにつれ穏やかなアンビエントへと、まるで漂流物が浜辺に上げられるように辿り着く、とてもイマジネーティブなアルバム。彼は現在モジュラーをメインに扱い音楽活動を行っているようで、本作はそれによると思われる豊かなシンセサウンドがまず挙げられる魅力ですが、1曲目の展開の作り方なんかはDAWを使った手の込んだ編集によるものとも思える感じで(これもモジュラーのみでやってたら凄い)、予めの仕込みや編集と即興どういうバランスで作ってるのか気になるところ。で、もちろんそういったサウンド面だけでも素晴らしいんですが、この作品に自分が強く惹かれるのは案外曲の基幹となっているフレーズの美しさっていう古典的な部分にある気がします。細かいところで耳に留まったり興味を引くポイントは多々あれど、正直「そんなことよりどれもめっちゃいい曲じゃん」ってのが最も全面にくる印象。最後の2曲とかマジで名曲だと思う。
4. Pan Daijing『Tissues』
PANなどからリリースを重ねる注目の新鋭作家でありながら個人的には今までの作品があんまりピンときていなかったPan Daijing新作。本作には一発でやられました。作品概要にはなんじゃろいろいろと書いてあって、どうも本作は本来舞台作品的な性質のもののようですが、正直コンセプトやそういった背景がどうでもよくなるくらい音だけでやられてしまいました。ただ1曲55分という形式なのでそこまで繰り返し聴けておらず(聴いたの多分十数回くらい?)、そのためまだ聴く度に音に新鮮味があるので、現状この作品について浮かんでくるのはここの音ヤベーの連鎖でしかないです。例えば序盤からしばらく続く声と電子ドローンの重なりにおける、声の明瞭さを全く阻害しない電子音の作り込み(この点はLeo Okagawa / Ayami Suzuki『Live at Ftarri, September 12, 2021』と通じるようでいて、しかしその実現の仕方はかなり異なっているように思えます)。更に23分辺りからの各段に威力を増して迫りくるドローン音響のエグさかっこよさ素晴らしさ。そして43:30辺りから鳴るギター(?)のようなサウンドの絶妙なアタック感などなど……。私は年間ベスト毎年書く最も強い理由がそれまで「なんかヤベー」と思って聴いてた作品の「なんか」の部分を出来る限り明文化するためなんですが、本作についてはまだそこに至れない、というか至りたくない(音だけに浸っていたい)、それほどサウンドの魅力が尽きない一作です。なんかこういう作品ってそれを評価しようとするスタンスからだと清々しい敗北感(?)があってちょっと笑えてきますね。でもそういうの最高。まあコンセプトが大事な作品ではあるんじゃないかとは思うので、現状のこの評価は片手落ちでしょうが、いや~でもマジ凄いです。
3. Christina Vantzou, Michael Harrison and John Also Bennett『Christina Vantzou, Michael Harrison and John Also Bennett』
2022年にどちらも新作をリリースするなど活動の目立ったChristina VantzouとJohn Also Bennett(両者は夫婦なんだそうです。知らなかった)が、Michael Harrisonという音楽家を迎えたコラボ作。詳細を知らず一聴してすぐ「これは……La Monte Young『The Well-Tuned Piano』のあの感じ…!」となったんですが、調べてみたらなんとMichael HarrisonはLa Monte Young(とPandit Pran Nath)に師事し、正にその『The Well-Tuned Piano』にも調律(!)で関わった人物とのこと。通りで……。この作品自体、やはりその魅力は『The Well-Tuned Piano』と相通じるところ、純正律と揺蕩うような演奏によって伸びやかに広がる、耳慣れない、しかし心地よい揺らぎ(純正律に対してその魅力を「揺らぎ」とするのはなんだか矛盾している気もしますが、聴いているとなぜかこの言葉が浮かんできます)にあると思うのですが、全編5時間に及ぶ『The Well-Tuned Piano』に対して、こちらは明確に区切られた8曲からなる全50分にまとめられているので、単純に日常的に聴きやすいサイズ感なのがありがたい。ピアノ以外にもシンセの音が控えめに、ピアノの音と品よく滲み合うように入ってるのもそれとなく起伏を生んでいます。とにかく不思議になってくるレベルで鎮静的な作用の得られる音楽で、今年出た作品の中では個人的に最も「アンビエント」的に接する音楽として重宝した一作でした。何がこういった鎮静感を生むのか、もちろんまずはチューニングによるものが大きいとは思うのですが、本作にはありがたいことに演奏に用いられたチューニングの詳細が付いているので同じ設定で適当に弾いてみるとやはりそれだけではなさそうで、Michael Harrisonが熱心に研究しているという北インド古典音楽(ラーガやそれを用いた即興演奏)への理解があったうえで生まれてくるものなのかなと推測するところです。2023年はインド音楽聴いたり調べたりしてみよう。
年間ベストでは毎年(その時の一時的な気分をよりしっかりと残すために)無理やりにでも順位付けるようにしてるんですが、今年は2つの作品を1位にしました。この2作は単純に2022年最も繰り返し聴いた思い入れ深い作品だっただけでなく、リリースがそれぞれ上半期/下半期だったこと、そして「孤独」を冠した/感じさせるタイトルに通じるものがあること、などの理由でどうも1位/2位を決めるより並べるのがしっくりきました。『ALONE』はリリースされてからというもの本当に毎日のように聴いていて、トラックが最高なのももちろんなんですがとにかく食らう言葉が全編に詰まっていてもうこのリリックの完成度だけで「自分の今年はこれ」と思わされるレベルでした。ただそれだけ会心のラインが出まくるような作品でありながらこれ聴いてて何か精神的負荷というか消化するのにエナジー要るなあみたいな重さや息苦しさは全然感じなくて、状況問わず毎日のように聴いたってのがその証ですが自分にとっては自然体で聴ける作品でもありました。OMSBの前2作、『Mr. ''All Bad'' Jordan』と『Think Good』からも本作に通じるマインドセットは感じられなくはなかったと思いますし記憶に残るようなラインもそれぞれあったんですが、この「自然体で聴ける」って面においては『ALONE』は自分にとっては比じゃないくらい馴染むものでした。私が本作について書けるのはこのくらいです。あとどうしてそれほど「自然体」で聴けるのかというところで、こちらのレビューがとても興味深かったです(素晴らしいレビューです)。『I get along without you very well』については思うことはこちらのレビューに書いているので割愛。本作はこのレビューがきっかけでHEADZからの日本盤リリースに際しライナーノーツも担当させていただきました。私は(テーマなどを設定せず選ぶ)年間ベストでは基本的に自身が仕事として関わらせていただいた作品は対象外にしているんですが、本作は勝手に愛聴した後に依頼をいただいた珍しいパターンだったことと、何よりこれなしで今年の音楽聴取を総括することは難しいため、例外的に入れています。
以上になります。最後までお読みいただきありがとうございます。全体通しての感想はあまり思い浮かばないんですが、一応自分が聴くような範囲の音楽ではこの年は声の存在感や扱いに耳を引かれる音楽が多かったかなという印象はあります(これについては後程別記事でまとめるつもりです)。あと今年の特に後半の自分の気分としてサンプリングよりも自らシンセ弄って生成した音に惹かれるってのがあって、この年間ベストでも選定なり特に順位付けの部分でそれは反映されたかなあと。30作(正確には31作)っていうそれなりの数選んでますがもちろん泣く泣く削ったみたいな作品も多数あって、特にSteve Lehman Sélébéyone『Xaybu: The Unseen』、Qasim Naqvi, Wadada Leo Smith, Andrew Cyrille『Two Centuries』、Adela Mede『Szabadság』、Ben Bondy『Ben Bondy』、Malibu『Places of Pity』は最後まで悩みました。 ということで末尾のプレイリストには候補作的なの含め60作くらい入れてます。もうしっかり2023年ですが、2022年はお世話になりました。ありがとうございました。