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Toleranceについて~パンク以後、屹立、モノクロームからなる断想~

1979~1981年にかけて活動し、Vanity Recordsに『Anonym』と『Divin』という2つのアルバムを残した、丹下順子(とサポートメンバーの吉川マサミ)によるプロジェクトToleranceについて、短い論考を書きました。
『Anonym』と『Divin』は今年4月にニューヨークのレーベルMESH-KEYよりリマスター盤がリリースされ、サブスクにもアップされるなど然るべきクオリティーで広く聴かれる環境が整ったため、これから様々な評価が進むと思われますが、現状ではVanity Recordsのリリースの流れやNurse With Wound Listに掲載された逸話に関連付くものを除くと、語り自体が圧倒的に足りない状況であるかと思います。
Toleranceについては作品自体はもちろん、アーティスト自身が語った言葉や周辺情報なども極度に乏しいため、語るにしてもなかなか取っ掛かりが難しいかもしれませんが、この論考がそのような場合の少しの参考にでもなれば幸いです。他で読むことができない情報も多少は載ってるかと思います。

論考はこちらのページでPDF形式で無料公開されています(ダウンロードもできます)。


またToleranceについての論考と合わせて、MESH-KEYからの再発にあたりリマスタリングを担当したStephan Mathieuについて私が昨年執筆した記事「音楽家Stephan Mathieuの活動終了に寄せて ―A Young Person's Guide To Stephan Mathieu―」(『AGI3/MERZBOW』に収録)も無料公開されています。Tolerance記事のPDFに同封されていますので、下のほうにスクロールしてお読みください。こちらの記事はStephan Mathieuの音楽家としてのキャリアを振り返りながら、彼の創作の核がどこにあったかを探っています。たしか1万字以上あったと思うので結構読み応えあるかと思います。これまで日本語では全く具体的に語られていなかったStephan Mathieuの創作の核となっているある手法を中心とした記事となっているので、彼の音楽を愛好している方々には是非とも目を通していただきたいです。

Toleranceについての論考は6/30発売の書籍『AGI5』に収録予定です。


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