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ヨロンの島のヤギごはん

♪ 白ヤギさんからお手紙ついた、黒ヤギさんたら読まずに食べた ♪

ところがどっこい、今日日のヤギは紙など食べない。

ヤギがと言うより、昔に比べて紙に様々な成分(繊維だけでなくインクとか)が含まれるようになり、美味しい食べ物ではなくなってしまったようです。波照間島のヤギに紙を食べるかどうか興味本位で近づき、航空券を食べられたとゆう友人はいますが、それはよほどお腹が減っていたのかも?まぁ、とにかく、こういった万が一のこともありますから、航空券など大切な紙ははあげない方が身の為です。

ヤギが好きなものを挙げると、まずは桑の葉。持って行くと目の色を変えて寄ってくるし、何種類かまとめて出せば真っ先に食い付く。

「桑の葉ばっかりあげると舌が贅沢になって、他のを食べなくなるぞ」

ヤギを飼ってからそう注意されたほど、桑の葉が好き。与論島内はどこに行っても桑の葉が生い茂っているので、出先で見つけては、ついついヤギ一家の為にと刈って持ち帰ってしまう。可愛い子供たちですから、どうせなら美味しいものをお腹いっぱい食べさせてあげたいと思うのです。お陰様で、忠告されたにも関わらず舌を肥えさせてしまい、好き嫌いの激しい一家に育ってしまいました。成婚前は少食だった母ヤギのオードリーでさえ、子供を押しのけて我先にと桑の葉に飛びつく勢い。

桑の葉が手に入らないこともあるので、他に何が好きなのかを把握しておく必要があります。今までに分かっているのは、ハイビスカス・朝顔・サシ・月桃・菜の花など。お花が咲く植物が好きなのでしょうか?薄くて軽い葉を好むようです。朝顔は葉も蔓の部分もペロリと平らげ、お花の部分も美味しいみたい。サシと言うのはヨロンの方言なのかも、白いお花が咲く雑草の一種で、茂みに入るとチクチクする細かいトゲのようなものが衣類にひっつきます。その他、バラのように茎にトゲトゲのある木枝…あれを食べてヤギの口の中は痛くないのかと心配になりますが、跡形もなく完食するので問題無いのでしょうね。ヤギを飼う島民誰に聞いても「あの、トゲトゲの」「茎がトゲトゲしてて触ると痛いやつ」としか言わず、名前が不明です。

逆に、これはあまり食べないんだよねーという植物もあります。例えば酢橘(すだち)の葉っぱ。柑橘類の葉っぱはヤギは食べないと言われています。厚みのある比較的固い葉を食べると下痢してしまうので、消化が良くないのかもしれませんね。そして毒を含んだクワズイモ。綺麗なお花が咲くのに見向きもしないのはコスモス。我が家の目の前はかなり広いコスモス畑があるのですが、仔ヤギのこゆきを連れて行っても、全く興味を示しません。

夏場はヤギも汗をかくらしいので、塩分補給の為に飲み水に塩を入れます。去年の夏は、与論島のお土産としても人気の高い「じねん」のお塩を少し溶かした水を大鍋に入れてあげていました。じねんのお塩を切らした時に、市販の味塩を溶かして飲ませたら、ガブガブ飲んだ後で「かぁははぁ〜っ!」と辛そうにしていたので、やはりじねんのお塩はミネラルが豊富で甘くて美味しいのでしょう。岩塩を置いておくと必要な時に自分で舐めるそうで、今年は農協に問い合わせてみようかな。

そしてヤギを大きく健康に育てるのに忘れてはいけないのが、仔牛育成用の飼料です。ヤギは牛と同じ反芻(はんすう)動物なので、牛と同じものを食べることが出来ます。農協で販売されている「ピカいち」「育成の流儀」などと言った飼料をあげると喜んで食べますが、この時に忘れてはいけないのが適量の水。飼料と別の器でお水だけあげても、飼料に水を混ぜても良いのですが、飼料を食べさせ過ぎても良くなく、水をあげないと便秘になる。青草だけだと下痢になるので、バランスをみて飼料を食べさせる……と、ヤギの体調をよく見ながら食べさせる必要があり、健康に育てるにはそこそこの愛情がないとダメみたいですね。

その点、我が家のコタロウは満一歳でびっくりするほど大きく立派に育ち、私が近づくと喜んで頭突き(ヤギの愛情表現)を仕掛けてくるのですが、パワーに圧されて吹っ飛ばされそうになることもしばしば。コタロウは大根やカボチャなどの野菜をあげてもムシャムシャ食べるので、一般的なヤギよりも好き嫌いが無く、大きく健康に育っているのかもしれません。

お庭の除草にお悩みの方は、コタロウ一家を派遣するのでお腹いっぱい食べさせてあげてくださいませ。

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