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第49回「知ってみよう、聞いてみよう」 消える遺伝子組み換え不使用表示、無添加表示

いま食品表示を見てもよくわからず、選べない食品が増えています。小麦粉を用いたうどんや素麺、パンやお菓子などで「国内製造」という表示が多くなっています。輸入小麦を用いても国内で製粉すると、このように表示できるからです。消費者の間で国産と間違って購入するケースが増えています。

また豆腐、豆乳といった大豆食品で「分別生産流通管理済み」という意味が分からない表示が増えています。この表示は、これまでの「遺伝子組み換え不使用」に代わる表示ですが、何を言っているのかさっぱり分かりません。この4月から遺伝子組み換え食品表示制度が変わり「不使用表示」が使えなくなるためです。

食品添加物表示では来年4月から、無添加や不使用表示が禁止されます。化学・合成・人工という表示もできなくなります。合成着色料、人工甘味料、化学調味料という表示が消えてしまいます。食品添加物の問題点を隠すためです。これらの変更は、いずれも外国企業、大手食品企業、食品添加物メーカーなどの圧力によるものです。

食品表示は消費者庁が管轄しています。その消費者庁が、消費者のためではなく企業のために動いているのです。表示は本来、消費者の知る権利、選ぶ権利を保障するものです。いま、その権利がないがしろにされています。ただし法律で規制される食品表示は、容器包装での表示に限られます。生協のようにカタログがある場合、それは規制されません。生協から購入する意味がとても大切になってきました。

<プロフィール> 天笠 啓祐氏
日本消費者連盟顧問。食の安全、遺伝子組み換え食品に精通するフリー・ジャーナリスト。

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