令和零年養老小人(ヨロコピタン)奇譚 その③
突然だが、令和元年、5月、ネコガタが紀伊半島南端、海岸にいるところを発見された。
ヨロコピタンの生態は摩訶不思議。まさに神出鬼没であり、中部地方を中心に国内各地で目撃例がある。
ファーストロットと呼ばれる5体のヨロコピタン。彼らは生まれ故郷の養老から、それぞれに旅立ったのであろうか?一説によれば、ヨロコピタンは、座敷童のようなもので、自分の気に入った場所を見つけると、そこに定着するらしい。自分の棲家を見つけたヨロコピタンもいるのだろう。
発見された時、このヨロコピタンは、ずっと空を見つめていたという。
故郷を思っていたのか、仲間のことを考えていたのか。
しばらくは、このネコガタの行動を追い、ヨロコピタンの生態に迫ろうと思う。
5体のヨロコピタンが養老天命反転地から忽然と姿を消したのは、時代が平成から令和に代わる5月の初旬あたり。改元という時間の転換がヨロコピタンの生態に影響を与え、各地にリープ、離散したらしい。ヨロコピタンは時空を超えて生きるらしく、令和零年という、架空の時間に棲息している。