#4 八ヶ岳土地探しの旅 Day 2
前夜のアイリッシュパブのあとROTAに戻ってくると、二人共ギネスがお腹に重くたまり、珍しくワインをほとんど飲まず(飲めず)に早々と就寝してぐっすりと眠りました。
おかげで二日目の朝はスッキリと目覚めることができ、とても爽やかな朝を迎えました。オーナーのNさんに導かれ朝食はガーデンデッキでいただくことに。オーナーお手製の具たっぷりのキッシュ風トーストをサラダとスープでいただき大満足。
おまけに超特大の甘〜いイチゴをデザートにいただき、この朝食のためだけにでもまたROTAに泊まりに戻ってきたいと思えるほど美味しかった!
ところで、オーナーに八ヶ岳で土地を探していることや建物はホンカで考えていることを話すと色々とアドバイスをいただきました。同様にホンカを検討している人がよく体験のためROTAに泊まりに来るそうで、なんと僕たちが二泊目の予約をしている別のホンカコテージのオーナーも過去に何度かROTAに泊まりに来たそうです。
土地探し 2日目スタート
さて、ROTAを後にしてアポを入れてある西麓の別荘地へ向かう前にWebで見つけた天女山方面にある、Kが気になっていた土地を自分たちだけで見に行くことにしました。
物件を掲出していた不動産会社によると、その場所は随分昔に開発・分譲されたけど、ほとんど建物が建っておらず道も荒れていて正直オススメしないと言われていた物件です。
水道の代わりに共同井戸が掘ってあるらしいのですが、当該分譲地の他の区分所有者のほとんどと連絡がつかない状態になってしまっていて、井戸のポンプが故障した場合などに厄介なことになるらしいです。
そもそも今ポンプが動くのかも分からないのですが、Web情報を見る限り人里離れていてかなりいい感じにヒッソリしていそうでKの関心を引き寄せていました。
途中まで別荘や喫茶店などが点在する道路を上っていくのですが、標高1300m近くまで登って道を曲がった途端に急に建物がなくなってきます。
そして道路というか山道もどんどん狭くなってきて、目的地まであと一本坂道を下るだけ、という所で車の所有者であるTが「嫌な予感しかしない」と、とうとう音を上げて止まってしまいました。
せっかくここまで来たのにこのままでは引き下がれない!と車の所有者ではないKは車を乗り捨て徒歩で斥候に出ます。しばらく行くと少し道が広くなり200mほど下った先に目的の物件のある別荘地(跡と言ったほうが正確ですが)を発見しました。
早速Tに電話で車で下りてくるよう伝えて待っていてもなかなか下りてきません。しばらくすると何やらガラガラ音を立てながらようやくTの車が下りてきました。
よく見ると大きな木の枝が後輪の近くに引っかかっていて、ここまでの道のりの凄まじさを物語っていました。Tには悪いことをしたなと一瞬心のなかで詫びを入れつつも大笑いのK。早速物件の見学です。
現地は10区画あると聞いていましたが境界なんぞ全く分からないくらいに草木が生い茂っています。一軒完全に朽ち果ててしまっている建物(写ってはいけないものが写りそうで怖くてレンズを向けられなかったので写真はありません)を横目に別荘地を進むと車が転回できるほどのスペースに出ました。
どうやら分譲地のどん突きが目的地のようです。いくつか木の幹に境界を示す赤いリボンが付けてあり、図面と見比べながら目的の土地の全体像を投影してみました。
自分の土地の木々を切ったとしても周りを高く成長した木々に囲まれているので昼でも少し薄暗いかもしれないと感じます。春でこれなので夏になって葉が茂るともっと暗いのではないかな?ましてや隣人のいない土地ではかなり寂しい部類に入るかもしれません。
ただ、物件の横は防火線といって山火事の延焼を防ぐために木々が切られた帯状の空地が山の下から上まで続いていて、比較的開放感がありしかも絶対に隣に建物が建つ心配はない(まあそもそも隣家が全く無いので心配無用なのですが)
この開放感が理由でKはこの土地に惹かれていたそうだけど、そうは言っても防火帯から山の稜線が見えるわけでもなく、またここに来るのに車に木の枝を巻き込んで大変な思いをしたTがこの土地を気に入るはずもなく、この物件はやはり諦めざるを得ないようです。
そして見学も終え車に戻る途中、見学した土地の対面の土地の側の木の幹にその土地の所有者と思しき方の名前の入った表札が打ち付けられていることに気づきました。
どうやら夫婦の名前のようです。結構年季が入っているように見えますがいつからここに掛かっているのでしょう?ひょっとしてこの別荘地が造成された時代から?
近くの朽ち果てた建物の雰囲気と相まって哀愁を感じさせる表札でした...。