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#42 ウッドデッキ ②
前回広いウッドデッキにの導入理由について書きました。今回はデッキ材の選定について書きたいと思います。
施工する工務店の標準デッキ材はヒノキでした。ヒノキなどのソフトウッドでも雨のかからない軒下に設置してきちんとメンテをすればまあまあもつとは言われていますが、それでも10年もたせるのは難しそうです。
またキシラデコールなどの防腐塗装をまめにするのはしんどいですよね。そして見落としがちなのはデッキの裏側です。縁の下に潜り込んで下からデッキ材の裏側を塗らないと表面や隙間(側面)だけ塗っていてはダメだそうです。定住ならまだしも別荘でこのレベルのメンテを年一でやる自信がありませんでした。
次の選択肢として、耐久性の高いハードウッドが考えられます。ほぼメンテフリーで20年とか30年もつとか聞きます。有名なところでイペ・ウリン・セランガンバツそしてイタウバあたりが候補にあがるでしょうか。
どれも非常に堅く詰まっている木で加工が大変らしく、これらの木材は大工さんに追加工費を請求されることもあるぐらいだとか。放ったらかしにしていても長くもつということで僕たちも検討しましたが、天然木なので全く割れないということはなく、将来ささくれや棘などが出てしまうことも考えると少し慎重になりました。
しかも、ハードウッドは元々値段が高め、さらにウッドショックやら原油高で軒並み材木の流通価格が上がっていると聞いており、それならば一般的に高いといわれる人工木が視野に入ってくるねということで人工木を調べてみたのでした。
まずはじめに検討したのはLIXILの「樹ら楽ステージ」でした。
ネットの評判を見ていると、それほど悪いレビューは見当たらなかったのですが、やはり人工木は陽に当たると歩けなくなるほど熱くなるとのこと。夏場の昼間、陽の当たる場所を歩くことはなさそうですが気になる部分です。
あと、やはり無垢と比べるとどうしても質感の差が気になります。ここは上級グレードの「樹ら楽ステージ 木彫」にするとある程度解決しそうですが、質感を出すために柾目模様の溝をつけているのが少し気に入りませんでした。カビやらゴミが詰まりそうです。
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かと言って他に良さそうな人工デッキ材もないのでこの木彫で決めようかと思っていた矢先、それまでノーマークだったメーカーのデッキ材に出会ったのでした。
MINOという会社は初耳でしたが、いくつかのレビューによると人工木材の中ではずば抜けて質感が良いらしく、本当かウソかわかりませんが業界人のブログでも無垢材と見紛うと書いていました。構造は骨部分がアルミでそれ以外はウレタン樹脂で成形されているらしく、このおかげで蓄熱量が少なく、また施工精度も高いらしいです。
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なかなか良さそうです。お値段もLIXILの樹ら楽ステージ 木彫と遜色のない範囲のようです。ということで断然興味が湧いたので早速サンプル材を取り寄せました。
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実際に並べてみました。質感についてはそこまでおぉ!というほどの驚きはありませんでしたが、よく外で見かける見るからに人工木デッキ然としたものよりも圧倒的に質感が良いのは素人でもわかります。サンプルは小さいので拡げたときのイメージは想像するしかありませんが、第一印象は古木と唐茶が良さそうです。
さて、質感には大変満足したので、デッキ材はMINO社の彩木に決定です。色については検討した結果、南面開口部に敷くので唐茶だと晴れた日には眩しすぎるかもしれないねということになり、古木に落ち着きました。
ちなみに、22年暮れにちょっと薄めのグレージュとシルバーグレーの2色が新たに追加されています。グレージュはハードウッドが経年で銀白色になった感じにそっくりです。念のため追加で新色サンプルも取り寄せましたが、僕らにはちょっと薄すぎたので古木のまま発注となりました。
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ちなみに気になるお値段ですが、デッキ施工面積約34平米で工務店に最終見積もりに入れてもらったところ、彩木は送料込み税別で90万円となっていました。
一方、デッキ施工の大工手間費は36万円。前回も書きましたが、僕らはウッドデッキの一部に掘り込み式ベンチシートを造作してもらうのでその分少し高く見積もられているかもしれません。計130万ですか…。見積り書では目立たない金額ですが、これ単体で取り上げて見ると、いやはや高い買い物をしたもんです。。
2023年10月更新:
後日、木工事の最中に彩木デッキ材を無垢材の根太・大引の土台に施工するつもりでデッキ材のみ見積もりに算入していたことが判明しました。しかも土台はヒノキと杉なので思いっきりソフトウッドです。これではメンテフリーの人工木にするメリットを100%享受できません。急ぎ工務店に解決方法を見出すよう指示。
もちろん上棟後だったので長く突き出た屋根を支える柱がすでに建った後でしたが、幸いこの柱が柱勝で設計されていたので、柱に食い込んでいる根太を切ることで柱に影響を与えずに土台の設計変更ができました。追加のアルミ製調整束と根太・大引を導入して完全にメンテフリーのウッドデッキが造られる見込みとなりました。
ただ、当初の見積もりにはデッキ材しか算入されていませんでしたので、これによる追加費用が50万円。初期算入分とあわせて合計180万円とかなり高額になってしまいました。最初からこの金額がわかっていたら人工木を選択したかはわかりません。