半世紀の恋
21歳の時に大恋愛をした。好きで好きで好き過ぎて、全てのことがMaxに楽しくて、でもMaxに辛くて、アップダウンに耐えられず、「50年後くらいに人生共にしたいよ。」という言葉を残して、数年でお別れした。
20歳代の頃は同じ会社だったので、年に数回は顔をあわせる事もあったけど、30歳代は私がほとんどアメリカに居たのでたまにメールする程度。彼は、2回目の結婚がうまくいっていて、可愛い奥さんと子供が4人居るらしい。40歳代で6年間の日本暮らしをした私は、共通の友達が多いのと彼の働く東京への出張が時々あったので、自然と会うように。20歳代の時と変わらず大好きで、相手も変わらず好きで居てくれて、絶大の信頼を寄せあう間柄である。
50年後なんて馬鹿げたことを言っていると最初は思われていたけれど、すでに30年近く経ってしまった。それでいて、この恋愛レベルのクオリティー。残りの20年なんてきっとあっという間。とりあえず、健康に生きてさえいてくれたら、私の願いは叶いそう。
共通の知人達は、「あ〜、ありそうだね。」と言ってくれるが、私たちを知らない女子は、「ある訳ないじゃん、そんな夢のような話。」そうだよね。そう思うよね、普通。ステキ男性(日本とチェコのハーフ君)は、「叶わなくったって良いんだよ。あなたがそれを50年も信じることができたって事だけで、素晴らしい話だと僕は思うよ。」と言ってくれた。はぁ〜、ステキ〜。
普段全く夢を見ない(覚えてない)私は、何故か知人が人生最大のピンチに陥っている時にその人の夢を見るという特殊能力がある。家族、同級生、はたまた10年以上会っていない当時のお客さんとか。そしてそれがピタリと当たる。こんな地球の裏側からでも。5年程前、彼に対しても、「ちょうど1ヶ月前に何かあったでしょ。少しは大丈夫になった?」と聞いて「なんで知ってんの〜?毎日顔合わせてる同僚達でさえ気づかなくて1人で悩んでたのに。あっ、思い出した、お前の変な能力!あれで分かったんだ。」分かるというより、感じるという程度なんだけどね。「分かってたんだったら、1番苦しかった時に話聞いてもらいたかった。」と言われたけど、幸せな家庭が有るのだから、側にいる人が支えてあげるのが1番良いと思って我慢していたのでした。
今は、何もかも突き抜けた感じの関係になってきたので、夜中3時に彼の夢で目を覚まして、仕事中の彼に平気でメッセージ送る。読みの鋭い彼は、「私、旅立っちゃったの?」とちょっとビビってたけど、こういう夢の時は何でもないことが多いので、私はリラックスモード。生息確認のためにたまにはメッセージ送っとこう、くらいのかんじ。人生でこれくらい命をかけて好きになれる人が居て、30年経った今も昔と変わらずに居てくれて、幸せだなー、と思う。
彼のお母様にはその昔、一度お会いしたことがあって、友人大勢と一緒だったので、私が彼女だとは言ってなかったのだけれど、息子の大事な人だと感じてらっしゃったそうで、今でも覚えてくれていて「一度ちゃんとお話ししてみたい。」と言ってくださるらしい。彼女があと20年生きていてくれたらなぁ。私も貴女とお話ししてみたいです。