モスが食べたい。
ふとそう思った。中秋の名月の折。
何故だろう。給料日前でお金もない。だけどモスが無性に食べたくなったのだ。
他のハンバーガーチェーンと比べるとやはりというか、そこそこ値は張る。
そも、モスバーガーはファストフードでは無いのだ。「ハンバーガーのレストラン」なのだと、私はそう聞いたことがある。本当かどうかは各自お調べ頂きたい。
どういった経緯でモスバーガーを食べたくなったのかは定かではないが、エガちゃんがモスバーガーを食べる動画を出していたからだろう。定かではないと言ったが絶対それのせいだわごめん。
で、だ。私はトマトが苦手なのである。苦手なのだ。生トマトは元より、ケチャップもそんなに好きではない。ナポリタンも苦手である。ミートソースはいっぱいちゅき。
そんな舌が子供なんだか子供じゃないんだかの私でも食べられるのがモス。とびきりチーズとかテリヤキとか、前まではトマトがないやつを選んで食べていたのだ。
しかし7年ほど前、何を思ったか通常のモスバーガーを頼んだのだ(恐らくモスに行ってるのに普通のモスバーガーを頼んだことがないのが個人的に許せなかったのだろう)。
そこで私はなんて愚かなことをしたのかと痛感した。
うめ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜の。
めっっっちゃ美味かった。今までなんで頼んでなかったん? アホ? はぁ〜私ゴミ。ゴミゴミゴミ。
そのレベルで美味かった。ちょっとお高いけどやっぱお高いだけあるわね〜〜(成城石井並の感想)
そんなこんなで、私は一時期ハマってしまい、モスバーガーのほぼ全てのメニューを制覇してしまった。
しかし、痛烈にハマっていても飽きは来るわけで。
ふと気付けば飽きてからというものの、5年間ほどモスバーガーを食べてすら居なかった。マクドナルドはしょっちゅう行くくせにモスバーガーには行くことすらなかった。
転居して後だったから? 近くに無かったから? いや、近くにはあったのだ。行こうと思えばすぐ行くことだって出来たのだ。それが何を思ったか行くことが無くなった。
そんな中、私のモス熱を再燃させてくれたのがエガちゃんだった。いやまぁ動画見ただけなんすけどね。しかもちょっと遅れで。
そんなわけで今日のお昼に私が買ってきたのが「モスチーズ」である。何を隠そう一般的なとろけるチーズから臭いの強烈なブルーチーズまでありとあらゆるチーズが大好きな私はこれに手を出さないわけが無かったのである。
久々のモスだ。ベーシックは食べたい。でも自分の1番好きな要素も外したくはない。
モスチーズはそれを満たすのにはピッタリだった。セットにオニポテも頼み、折角ハンバーガーを食べるのだからとコーラも付けた。なんとご機嫌な昼食なんだ。
1口モスチーズを口に運ぶ。
……美味い。
こんなに美味かったか。トマトソースの濃厚ながら酸味の効いた味わいにしっかりと刻まれた玉ねぎがじわじわと来る甘みと食感にハッキリとしたアクセントを加えてくれる。
そこに追いかけてくるチーズのコク。最後に口の中をさっぱりとしてくれるスライストマト。
もう1口、もう1口と食欲がどんどんとモスチーズを私の口に放り込むことを止めてくれなかった。
どうして私は今まで忘れていたんだろう。このモスの味を。後悔にも似た感情が脳裏をよぎる。
後悔しながらオニポテを食べる。やはり美味い。モスバーガーは玉ねぎがマジで美味いのだ。そしてポテト。やや太めのポテトは揚げたての時と少し冷めた時とで違う顔をのぞかせてくれる。そこもまた好きになれる。
やや口の中がもったり重くなって来たところでコーラで流し込む。天才的、いや、通り越して犯罪的である。これはダメだ。戻れなくなる。組み合わせが正解過ぎる。最初に考案した人にノーベル平和賞を贈ってくれ。今すぐにだ。
やや取り乱しはしたが、久しぶりのモスバーガーは超大満足に終わった。なんなら夜の分とかも買っちゃおうかと思ったくらいだ。
しかし、モスの世界はまだ広かった……
次回、サイドメニュー編でお会いしましょう。多分ないと思うけど。
それでは。