ビジネス「護身術」その2〜テキストが身を護る

前記事の補足。

司法或いは法務の世界における「証明」や「証拠」の考え方、そこにおけるテキスト≒文書の圧倒的威力を認識し、それを使いこなすことが自分が言うところのビジネス「護身術」。

弁護士の目から見たテキストの役割と重要性についても、またもや稲田エイジさんの記事に触発されて、自分なりの考えを発信した。

以下は、上記ツイートと同じ内容だけど、記事とした方が読みやすいし検索性も上がるので整理しておいた次第。

弁護士の立場からすると、テキストでビジネスコミュニケーションをすることの最大の効用は、次の2つ。①証拠を残して身を守れること、②誤解に基づく取り引きを防げること。

①証拠を残して身を守れる

弁護士は職業柄、取引先から「そんな約束はしていない」と反故にされる契約トラブルに触れる機会が多い。そんなとき、反故にされた側が約束内容を証明しなければならない。そして、それを証明できるものは事実上テキストしかない。
元請けなど発注者側は殆どの場合、無かったことにするだけで喧嘩に勝ててしまう。そのため、テキストでビジネスコミュニケーションをすることは、より弱い立場の事業者にとって自分の身を守るための基本技能とも言える。
なお、國本がビジネスでのLINE使用を嫌うのは、LINEが端末依存のアプリであるゆえ、トラブルになってから相談を受けた時点でそのテキストが消失していることがままあるから。口頭のやり取りよりはマシだけど、仕事で使うならデータが確実に残るアプリを使っていただきたい。

②誤解に基づく取り引きを防げる

上記のように悪意を持って約束を反故にするケースもあるが、事実関係を整理していくと、双方がそれぞれ思い込んでいただけで実は契約条件が一致していなかっただけだというケースもある。双方が「約束を破った」「嘘をついている」と互いを非難するけど、実際にはその約束自体が実際のところ擦り合ってなかったということもままある。
こういうケースは争点の部分が口頭で協議されていることが殆ど。メールでもファックスでも良いからテキストで条件交渉していれば、弁護士に相談したり裁判にしたりせずに済んだかもしれない。



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