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よりみち自由室とは

7/1で2周年を迎えた「よりみち自由室」について、この機会に思っていることを書いておきます


よりみち自由室とは何か?

よりみち自由室は、押上2丁目(押上駅と曳舟駅の間)にある一軒家を地域に開放している、住み開き拠点です
住宅街のど真ん中の路地裏にあるため、用事のない人はまず通りません
初めて来る人はたいてい迷う、ある意味、隠れ家的な場所です

基本、カギは開けてあるので、いつでも自由に来てもらって良いのですが、他人の家に勝手に上がり込むのは、意外とハードルが高いようなので、現在は毎週金曜に、ごはん会、ボードゲーム交流会などを行っています

なぜ、よりみち自由室をはじめたのか?

よく聞かれるのですが…いくつか理由があります
1.自分がいつでも自由に使える拠点が欲しかったけど、自宅と別にスペースを維持するのは非効率だし、毎日通える気がしないから
2.自分が暮らしている地域で活動したかった(今までできていなかった)
3.サービスではなくコミュニティ(協力)を主体とした場づくりの実験
4.中高生の学びの場をつくりたかった
他にも色々ありますが…今までやってきた、やりたかった色々なことが、ここに集約されてきた感覚はあります

よりみち自由室との関わり方

よりみち自由室は、基本、投げ銭+持ち寄りで運営しています
無料で利用できる…と思われがちですが、自分で稼いでいない子ども以外は、基本有料です
しかし、利用料…という考え方ではありません
投げ銭+持ち寄りは「よりみち自由室」をみんなで維持するためのものです
よりみち自由室で1日遊んで楽しかったから、その対価を支払う…という事ではありません
このスペースが必要だと思えば、その維持にかかる費用をみんなで負担しましょう…という感じです

たまに投げ銭の相場を聞かれますが…あえて、提示はしていません
余裕がある方は諭吉や栄一を何枚も置いていってもらえば良いし、そうでない方はそれなりに…無理のない範囲でお願いします

持ち寄りも同様です
みんなで楽しく過ごすために、食べ物や飲み物がある方が良いと思ったら持って来てください
もちろん、食べ物・持ち物に限りません
トイレットペーパーや消臭剤を持ってくる人もいるし、調理器具などを持ってきたり、置いていく人もいます
ボードゲームや玩具などを置いていく人もいます(スペースを圧迫するのは考え物ですが…)
本を持ってくる人もいるので、本棚の一角をリサイクルコーナーにしようと思っています

もちろん、他の形でご協力頂くのも歓迎です
料理をつくったり、トイレ掃除をしたり、イベントを開いたり…貢献の形は様々です
重要なのは、ひとりひとりが、この場をどう維持し、より良くしていくのかを考え、主体的に関わってくれることです

よりみち自由室には、できる限りサービス的な概念を持ち込まないようにしています
ここは協力を主体とした場にしたいと思っているからです
協力とは、みんなが同じ目的に向けて力を合わせることです
「よりみち自由室」をより自由で、みんなにとって居心地の良い場所にしていくために、自分ができることを考え実践する…そういう場所にしていこうと思っています

よりみち自由室は、どうありたいか?

よりみち自由室は、そこに集まる人たちが、みんなで仲良くなることを特に望んでいません
それぞれが、思い思いの形で過ごしてもらう事の方が重要です
だから、みんなで1つのテーブルを囲むより、テーブルをたくさん用意して、自分が過ごしやすい場所を見つけてもらう方が良いと思っています
1階、2階にそれぞれ2部屋ずつ、みんなが使えるスペースがあるので、間仕切りをしたり、1つにしたり、その時々でみんなが過ごしやすいように環境をつくっていけたらと思っています

今までは、金曜の夜を中心に活動してきましたが、理想は、いつでも誰かがいる場所になることです
ヒマなとき、ひとりでいるのが寂しいとき、ふと立ち寄れば誰かがいる…そんな場所にしたいと思っています
なので、これからお留守番係の募集を積極的に行うつもりです

昨年12月から、よりみち自由室は「せかいビバーク」の受け取りスポットになっています

約半年の間に3名の方が受取りに来ました
正月休み中や深夜など、他の受け取りスポットがやっていない時間にいらっしゃる方が多いです
他の受け取りスポットとはだいぶ異なる、19時~8時という特殊な時間帯を設定していることが大きいと思います
でも、24時間365日、いつでも誰かがいる場所になれば、助かる人はもっと増えますよね

よりみち自由室は、どこに向かうのか?

いつでも誰かがいる場所…それは、みんなにとっての居場所になると思います
子育て中の方にとっては「夜泣き小屋」のような存在かもしれません
深夜でも気兼ねなく立ち寄ってもらえるように、1階は24時間いつでも灯りがともる場所にしていくことを考えています

時間帯によって、必要とする方も違うでしょうし、求めるもの、利用の仕方も様々かと思います
もちろん、いつでも誰でも満足できる居場所を目指そうとは思っていませんが、ひとつの選択肢として、頭の片隅にあると良いんじゃないかな…と思います

もう1つ、僕がここを開設した時からやりたいと思っているのは、中高生の学習スペースです
一般的な学習支援のような、教えたり教えられたり…ではなく、ひとりひとりが、自分に最適な学習方法を知り、効率的な学びを得られる場にしたいと思っています
そのためには、単なる環境づくりだけではなく、子どもたちひとりひとりのマインドセットから変えていく必要があるでしょう

こういった場づくりを実践しながら、よりみち自由室のような「小さな居場所」を増やしていきたいと思っています
よく社会のセーフティネットを網の目に例えますが、網の目をできる限り細かく、取りこぼす人を減らしていくためには、こういった小さな居場所をいかに多く、地域に分散させていけるかが重要だと思っています
特に小さなお子さんがいる家庭や高齢者などは移動の制約が大きいので、自分の生活圏内に居場所があることは重要だと思います。

まずは、墨田区内に小さな居場所をたくさん生み出し、ネットワーク化していくことを考えています
そのためにも、よりみち自由室で行っている実験の成果を共有し、一緒に小さな居場所をつくる仲間を増やしていこうと思います

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