ただのオタクなエッセイ②
「ただのオタクなエッセイ①」に引き続き、同じく1月に観劇した星組公演の感想エッセイがiPhoneのメモ帳で無造作に転がっていたので、ここに置かせてください。
『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』の影響がすごいですね。
ちなみにこれの前にも後にも、こんな感想メモは残っていないので、本当にただただ若林さんに影響されたんだなって思います。
若林さん、ありがとう。
ちなみにこの星組公演『RRR』はあの大ヒットインド映画『RRR』が原作です。宝塚大劇場千秋楽の日には、映画館でのライブビューイングやネットでの生中継が行われ、RRRファンの方をはじめ、初めて宝塚を観られる方にもご覧いただいたようで、X(旧Twitter)で嬉しい感想をたくさん目にしました。
初めての方にも、そして原作ファンの方々にも楽しんでもらえるこの作品、個人的にもとてもオススメの演目です。
少しでも気になるなという方はぜひ、4/6(土)に全国の映画館でライブビューイング、「Rakuten TV」「U-NEXT」「Lemino」にてライブ配信があるので、ご覧になってみてください!(突然の宣伝……笑)
感想エッセイを読み直して思ったことは、『RRR』の大事な場面をけっこう飛ばしているじゃないか!ということ。なんとなく、RRRは初日から完成度、そして観てる側の受け取り度も100%に近い印象が実はあります。
登場シーンから迫力満点だし、魚釣りの少年を救出するシーンも、あの有名なナートゥダンスも、最後の戦いのシーンも、エッタラジェンダだって歌っていてとにかく内容盛りだくさんなので、たまたまこれを書いた日は、この日観てとくに書き留めておきたかった自分自身の心情の変化のみにフォーカスしていたようです。
対照的に、2幕のショー『VIORETOPIA』は観ればみるほど解釈が増え、感じるもの気づくものも増えていくタイプの演目。だからこそ、この日とて書き留めておきたいことが多かったのかもしれない。
以下、ただの備忘録みたいな文章でお恥ずかしいのですが、置かせていただけたら幸いです。
ドゥーーン、ドゥーーン、ドゥーーン。
低重音が鳴り響く。まるで映画のワンシーンで今にも恐怖が迫っているかのような音だ。
この低重音が、からだの芯に共鳴する。
すごく体が重くなり、少し目眩がした。
『RRR』の冒頭。
1週間ぶりの観劇だからだろうか、これまで感じなかった感覚がからだをゾクゾクと駆け抜けた。
「これって人を緊張させるヘルツなのかもしれない」
そんなことを思いながら、わたしは確かに「今」に五感を研ぎ澄ました。
連日の観劇ではなかなか味わえない体験だ。
1週間ぶりの『RRR』
「深まる」とはこういうことか。
これまでも同じ公演を少し間を置いて観劇するたびに感じていた「深まっている」という感覚を、今回とて受け取ることができた。ありがとう、星組さん。すごいよ、星組さん。
こっちゃん(礼真琴さん)演じるビームが公開処刑の鞭打ちにあう場面、民衆を前にコムラム・ビームという曲を歌い、人々の心情を動かす場面がある。これには心底、心が震えた。いつも震えているけれど、今回はとくに震えたのだ。
人の心を動かすエネルギーが宿った歌声。ビームの感情がのった歌声。「生」で感じられるこの感覚がたまらない。
一方、ありちゃん(暁千星さん)演じるラーマは、より背中に男らしさを感じた。ラーマとビームが拳でやりあう場面は、迫力満点で見応えばっちり。どうしてあんなに殴るのも殴られるのも上手なんだろう?
ことあり万歳!!
RRRラストの場面で、突然ラーマとビームがウルトラマンみたいなポーズをして楽しんでるのを目撃し、「突然どうした?かわいすぎるだろ」と思っていたらどうやらウルトラマンではなかったらしい。
2幕のショーでその謎は回収ですることができた。
そう、この公演はイープラス貸切公演。
+(プラス)を両腕クロスで表現していたみたいだ。なんともかわいい2人である。
回収してくれたショーの場面もこれまたとても可愛い。
中詰の場面で98期の3人がいつもわちゃわちゃしているのだが、そのタイミングでありちゃんがe、ぴーすけ(天華えまさん)が+、ほまれくん(天希 ほまれさん)も+を作って楽しんでいるのを目撃。
そのときやっと、「あ、さっきビームとラーマはウルトラマンごっこをしていたわけではなかったんだな。ちゃんと仕事してる。かわいいな。(結局、理由がどうであれ、何をしていようが、推しはいつだって可愛いのだ)」
ショーを観るのも1週間ぶり。
冒頭でこっちゃんがフードから覗かせたその髪型に思わずキュンとなった。だって、今までよりもピシッと髪を固めているではないか。これは好きなやつだ。(後々思ったことだけれど、これは髪を固めていたのではなく、髪を切ったのかもしれない)
いつもならオペラを使わないで全体をみるけれど、今回ばかりはこっちゃんの髪型にイチコロで、こっちゃんだけをロックオン。
今回は2階席からの観劇だ。
中詰の客席降りで、SS席のお客さんに指差しウインクをキメるありちゃんを見たかと思えば、こっちゃんもがっつりファンサしているではないか!
「いいな〜」と思うかと思いきや、「すごいな〜」と遠くから見守るスタンスな自分に気づいて、自分で言うのもなんだけどそんなスタンスはけっこう推せるぞ!と自画自賛してしまった。ファンサをもらった人たちは、きっと幸せいっぱいに劇場をあとにしたことだろう。
サーカスの場面、これまでヘビが棒?に手をかけて全身でグイーンって出てくるのが(うまく言葉で表現できない)好きで双眼鏡を構えていたけど、ワゴンの奥の黒幕からヘビがぬるっと登場する場面もとても魅力的だと、新たな発見があった。本当にヘビ感がすごいのだ。ぬるっ。
本日のシャンパンちゃんは黒髪ショート。銀色にキラキラひかる一筋の髪飾りが際立っていた。「観るたびにシャンパン度が増しているぞ。いいぞ、いいぞ、ありちゃん」そんな気持ちでシャンパンちゃんを堪能した。
さて、きてしまいました。孤独の場面が。
音ひとつ立ててはいけない空気が大劇場を満たすこの一瞬。
客席もまるで息することを忘れたかのように、ステージにたたずむ一人の青年に意識を向ける。ここは絶対に双眼鏡なしで見たい場面だとわたしはいつも感じる。
こっちゃんの息遣い、脈拍のリズムまでこちらに伝わってくる空間がとても好きだ。そんな場面がとっても似合うし、そんな場面を作れてしまうこっちゃんにわたしは魅了されているのだ。
今回は、影法師が去ったあとの「孤独」というあの一瞬をこれまで以上に心で受け取れたような気がした。あの瞬間、ステージにいるこっちゃんとわたしがまるでリンクしたみたいに。ものすごい瞬間だった。
そんな孤独を演じきったこっちゃんが、フィナーレの大階段ではサングラスをして、立派な男役たちを引き連れて踊る様には、ギャップ萌えしないわけがないだろう。
1週間ぶりのこっちゃんの歌、さらに上手くなっててアッパレではないか!とにかくかっこいい。全身が痺れるくらいに「くぅーーー!!」っとわたしの心は叫んだ。
それは歌だけでなく、ダンスもまたまたキレが増し、「世界一のダンサーだな」って思ってしまうくらい、本当にキレッキレでかっこよかった。
そんな真ん中に立つ礼真琴の波動が周囲へと伝染していく。
星組男役、バッキバキにかっこいい。
かと思えば、終演後のご挨拶では「大寒波がやってきているようです。この公演を見て体が温まったみなさま、お帰りのさいはどうか暖かくして帰ってください。」とお客様ファーストで体調を気遣ってくれる優しいこっちゃんなのだ。
「あぁ。だからこの人には何度でも会いにきてしまうんだな。」
そう思いながら、劇場を後にしたのであった。