【いどこスクール】スタッフ紹介 "自分で考えて自分で決める" -子供たちに伝えたい想い-後編
大阪府交野市にある一般社団法人「根っこわーくす」。
「ひとの根っこ(自己肯定感)を育もう」という理念のもと、2017年4月に設立されました。
根っこわーくすは4つの事業を展開していますが、今回のインタビューは「もうひとつの学校」のスタッフ「たわしさん」について。
「もうひとつの学校」は、自分で幸せをつかんで「いこうとする」ことを大切にしているフリースクールです。
自然の中で遊んでいた幼少期。
勉強を頑張っていた小学生。
通信制の学校に通っていた高校生。
キャンプリーダーに夢中になった大学生。
中学時代について語られていないことに、
ふと気がつきました。
▽前編の記事はこちらから
人生の転機
―これまでの人生で印象的な出来事は、やはりあたっくさんとの出会いなのでしょうか。
嬉しかったのは、あたっくに出会ったこと、
根っこわーくすに出会ったこと。
その前に印象的なのは、中学3年生から学校に行かなくなって、高校を転入学していて。夏休みくらいまで家に引きこもって、そこから通信制の高校に転入学しているっていうのは大きいかな。
これまで語られなかった中学時代の告白に、次に伺う言葉を考えてしまいました。
少し間を空けて。
…何でかっていうと、小学3年生からずっと塾通い生活で。友達は遊んでいて楽しそうなのに、自分はやりたくもない勉強をしていたと。
おうちの人は中高一貫校に行ったら受験の回数も減って楽になるのではないかと思っていたらしい。ただ、自分は嫌やった。もっと遊びたかった。
学校では成績が良かったんやけど、学習塾では上には上がいて、自分は全然だめやと思って、"×(ばつ)のレッテル"を貼るようになった。
結果的に中学受験に失敗して、地元の中学に進学した。学校での成績は良かったんやけど、学校の外では成績は低いままで。自分の中では"×××(ばつばつばつ)"みたいな、否定の嵐。
その結果、自分の心が壊れてしまった。
"親が期待しているであろう妄想"に閉じ込められて、ひたすら自己否定が発生して。
いつ死ねるか、どうやったら死ねるか、"死"について考えていた。
こんな自分を見られたくない。
だって周りの目を気にしていたから。
"もっちゃん(当時のあだ名)は真面目で勉強ができる人"でなければならない。
前回の記事にも出てきた、「常に周りの人を気にしていた」という言葉。
高校受験は受かった学校の中で偏差値的に良いところに行って、「部活動を頑張るか」と気持ちを切り替えようとしていた。
でも実は進学先が「国公立を目指しましょう」というコースで、1週間だけ行って退学した。
2回目の人生のはじまり
とはいえ「このままではあかんな」という気持ちはあって、通信制の学校に行った。
勝手に俺の中では、そこから"2回目の人生"が始まったと思っている。
そこから自分で決めるようにしたのね。
幸いにも、自分と真反対の人と出会って。
「友達の家に泊まるぜい!」
「テレビゲームをするぜい!」
「漫画読むぜい!」
「学校さぼるぜい!」とか(笑)。
周りからしたら小さなことかもしれないけど、自分にとっては大きいことで、すごく楽しかった。
友達の影響でアルバイトも始めて。
大変な思いをしてでもお金を稼いだという嬉しさはあったから、すごく楽しかった。
どれも自分で決めたということが大きいかな。
生き方が変わって、今の自分になった。
高校時代を語るたわしさんは、生き生きとしていました。
自分で決めること
―これまでの人生で気がついた「大切かもしれない」と思う考え方や行動を教えて下さい。
"自分で考えて自分で決める"っていうことが大きい。中学生、高校生くらいまでは周りに合わせるような生き方をしていた。
選択を誰かに委ねてきたことが多かった結果、振り回される人生になったわけやねん。
でも、自分が今この状態にいられるのは、
"自分で考えて自分で決めてきた"っていうことがすごく大きい。
自分が「こう生きたい」みたいのがあるのであれば、"自分で考えて自分で決める"というのが大事やし、目の前の子どもにもそうなって欲しい。
「自分はどうしたいか」っていうのが大事。
誰かに決められたらその人のせいにできるけど、自分でなんとかしてかなきゃいけない。
そうなってから、前よりも楽に生きられている気がする。
自分が思う自分らしさ
―最後に、たわしさんが思う「自分らしさ」は何だと思いますか。
この問いめっちゃむずいな、考えたことなかったな。
今は「こうです!」としか言われへん(笑)。
ただ、ゆっくりでもとりあえず進んできているっていう事実はある。1回は死にたいと思って、いのちを絶つことを考えたことがあるから。
人よりゆっくりのペースを歩んでるかもしれんけど、それが自分の精一杯やし、それが良いなと思っている。
自分のペースで少なからず進んでいけるというのは知っているし、1回壊れても立ち直ってこれている。
今はなんとかなるんやろうなという、なんとかしてきたという自信はある。
一言では表せんけど、この問いはこれからの宿題になるかな。
アフタートーク 子どもたちへ
影響を受けた人にあたっくを挙げたけど、根っこわーくすの人もそうやし、
一番は「目の前の子どもたち」かな。
子どもたちがすごい面白いから。
その子を通じて自分を見れるっていうのがある。
自分が言ったことが「伝わったのかな」「伝わってないな」「そう捉られてるんや」とか。
子どもたちから気づかされることが多い。
一緒に成長してきているのも嬉しいな。
成長していると嬉しいな。
進学先やアルバイト先。
遊びに行く場所、放課後の過ごし方。
私たちは生活の中で様々な選択をしています。
"自分で考えて自分で決めた経験"が、いつか自分自身の味方になるのではないでしょうか。
たわしさんの柔らかで不思議な安心感。
それは、過去の経験からの優しい強さだったのかもしれません。
(2024.04.18 取材 ヨリミチスタッフ ゆう)
一般社団法人 根っこわーくす
HP https://neccoworks.com/
住所 大阪府交野市私市7-19-14
記事の更新情報はインスタグラムから
https://www.instagram.com/yorimichi_siyou/
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