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【いどこスクール】"果てしない探究心"を持って


大阪府交野市にある一般社団法人「根っこわーくす」。

「ひとの根っこ(自己肯定感)を育もう」という理念のもと、2017年4月に設立されました。

根っこわーくすは4つの事業を展開していますが、今回は「もうひとつの学校」であるいどこスクールについて。

いどこスクールスタッフのお二人のやりとりやインタビューを通して「スタッフの想い」を伝えます。

ヨリミチは「色々な選択肢があること」を発信することを目的に3月から活動を始めた団体です。最近、「居場所」と呼ばれる場所は増えてきましたが、運営側の想いに触れられる機会は意外と少ないのが現状です。
そこで、私たちは「想い」を持って活動をされている方々にインタビューを行い、記事として世の中に発信していきたいと考えています。

今回はヨリミチスタッフのわさびが、関わっていた根っこわーくすの「いどこスクール」の想いをお届けします。

お話を伺ったのは、「あたっく」「たわし」という愛称で親しまれているお二人。

オンライン形式でのインタビューの様子
画面の左が「あたっくさん」、右が「たわしさん」



いどこスクールのスタッフとして、子どもたちとの関わり方や大切にしていることについて伺いました。

子どもたちとの関わり方

子どもたちと関わる中で、「手伝うこと/見守ること」の距離感を見極めることが難しいのではないかと感じましたがいかがでしょうか?

「確かにその距離感を見極めることは難しいかな。」


6月中旬。

いどこスクールでは初めての取り組みへの準備を行っていました。

元いどこスクールのスタッフで、現在は大学生の通称「わさび」が通う大学で「大学生と子どもたちの交流会」が予定されています。

いどこスクールから大学までの距離は自転車でも電車でも1時間半程度。

子どもたちの提案で当日は大学に「現地集合」になりました。「現地集合」はいどこスクールとしても挑戦です。

「行ってらっしゃい!」と安全に送り出せるようにスタッフのお二人は実現に向けて考えます。


ですが、大学まで行く道中には怪我や熱中症など、様々なリスクが伴います。

スタッフからは「何か起こった時にどうしようと思っているの?」という質問を子どもたちに投げかけておきます。

あらかじめ複数のアイデアを出し、もしもの時には子どもたちが自分で考えて選択できるようにするのです。

いどこスクールが大切にしている考え方である、「自分で考えて自分で決める」ということ。

この経験をして欲しいからこそ、子どもたちとの「距離感の加減」を見極めることが難しい。

「99%スタッフが手伝ったとしても、本人が『自分がやった!』と思えるのならそれで良いと思っている。『私』が主語になる状態をどうやってつくるか、ということを考えながらサポートしている。」とあたっくさんはおっしゃる。

イベントを通して、いかに子どもたちが「自分で幸せをつかんでいくこと」に繋げられるのかということを考えている。


ただ、子どもたちも考え方や感じ方は様々だ。 

そこで尋ねてみる。
どのように子どもたちの思いをくみ取っているのでしょうか?

「俺は『エネルギー感』かな。」とたわしさん。

「エネルギー感」というのは、思わず溢れ出ちゃう行動のこと。
例えば、楽しいことや好きなことをしている時の「思わずしゃべっちゃう、身体が動いちゃう様子」、悩んでいるときの「そわそわした身体の動き、表情」。

「『エネルギー感』を見て、『子どもたちの中で何が起こっているのかな』ということをスタッフ同士で相談して、必要に応じては子どもたちに聞いちゃう。」

「子どもたちの気持ちを想像して、決めつけないで確認しているという感じ。」

「この時の子どもたちとのやりとりが面白い。」

子どもたちの思いを決めつけず、やりとりを積み重ねることでお互いを知っていく。

探究し続けること


「子どもたちのことを分かりたい気持ちはあるけど、どこかで一生分からないんだろうなと思っていて。」

ふと、あたっくさんがおっしゃる。

同じ人間でも違いがあるし、今日の正解が明日の正解とは限らない。

「『分かりたい』という気持ちはあるけど、本気でわかり合うことは無理なんちゃうか、ということがすごいエネルギーになる。」

「『分かった』と思ったら探究しない気がしていて...無理と分かっていてもやっちゃう(笑)」


スタッフのお二人はこの「果てしない探求心」で子どもたちとのやりとりを積み重ねる。

イキイキと働く


インタビューも後半に。
「うちらの話を聞いてみて率直にどんなことを思ったか教えてもらっても良いですか?」


あたっくさんからの突然の質問に驚きつつ、答える。


「スタッフのお二人が常に頭を巡らせながら子どもたちと関わっていて、それを楽しんでいるというのが印象的で。」


インタビューの節々から感じるお二人のエネルギーに満ちた姿。
「考える」ということを楽しみながら、情熱をもって仕事をする様子。


「『働く』ということは大変なことだと思うのですが、お二人を見ているとこんなにイキイキできることなんだということを感じて。」


来年から就職をする予定の私にとって、お二人の姿は憧れでもあった。


しかし、初めから「イキイキ」していたわけではなかったそう。


「就職したときは全然こんな感じじゃなかった」とたわしさん。


今の状態になったきっかけには「考え方」の変化があるのだそう。

「もともとは自分に対して『ダメ』っていう評価をつける傾向が強かった人やった。」

「でも、なぜこうなるのか、こうなっているのではないかという仮説を立てて今までやらなかった行動をした。それを繰り返して自分自身を客観的に観察できるようになった。」

「子どもたちへの『探究』を自分にもやっているっていう感じ。」

「俺ってこういう傾向があるんやとか、こういう癖あるよなとかが分かってくるのが最高に面白い。」

あたっくさんも続けて、「たぶん、この探究がしんどいと感じる人もいると思ってて。自分と向き合っていると自分の嫌なことも出てくるし。でも、自分にとってはこれが探求心をすごいくすぐるというか、イキイキする部分やね。」


子どもたちへの探究、自分への探究。

今日もスタッフのお二人は「果てしない探究心」をもってイキイキと働いています。



(2024/6/12、7/17  取材 ヨリミチ ゆう) 

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もう一つの学校事業「いどこスクール」(大阪府)
開室時間:月水金 10時から15時まで
対象年齢:小学生から中学生まで

費用:
● 1日 3,000円 (行きたくなった開校日にいく)
● 月謝10,000円/毎週1回登校(月水金の週に1日いく)
● 月謝30,000円/フル登校(開校日はいつでもいける)
以上を基本に、相談しましょう(兄弟補助や補助希望など相談応じます)

お問い合わせはこちら

一般社団法人根っこわーくす
HP    https://neccoworks.com/
住所 大阪府交野市私市7-19-14


記事の更新情報はインスタグラムから
https://www.instagram.com/yorimichi_siyou/


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