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寄り道が人生を導いた話

人生を生きていると、まるで一本の道を歩いているような錯覚に陥ることがあります。学校を卒業し、就職し、結婚し、家を買う。その道筋が一般的だとされ、そこから外れると「迷子」と思われるかもしれません。でも、実際には、その「迷子」こそが私たちにとっての最良の道だったと気づく瞬間があるのです。

私は大学を卒業した後、すぐに就職せず、世界を旅することを選びました。当時、多くの人は「時間の無駄だ」とか「キャリアに影響が出る」と言いました。でも、その旅で出会った人々や文化、予想外の出来事の数々は、私の人生観を根本的に変えました。それは、本を読んだり、仕事をしているだけでは絶対に得られない経験でした。

寄り道には二つの力があります。一つは、自分自身を見つめ直す時間を与えること。もう一つは、予定調和から解き放たれ、新たな可能性を発見するきっかけをくれることです。特に、失敗を恐れる現代社会では、寄り道をすることは勇気のいる選択かもしれません。しかし、予定外の道を選ぶことで、自分の本当に進むべき道を見つけられることもあるのです。

思い返せば、私の周囲でも同じような体験をした人たちがいます。一度は安定した職を手放し、自分の好きなことに没頭した友人がいます。その結果、彼女は自分のビジネスを立ち上げ、今では多くの人々に影響を与える存在になりました。もう一人の友人は、大学を中退して音楽活動に専念しました。その道は決して楽ではなかったものの、今では大勢のファンに囲まれています。二人とも、「寄り道」の中でしか得られなかった経験と出会いを自分の宝物だと語っています。

寄り道を正当化するのではなく、寄り道そのものに価値があると気づくことが大切です。それは人生を豊かにし、予想外の喜びをもたらしてくれるものです。社会が求めるレールから外れることは、むしろ自分らしい生き方を見つけるための大切な過程なのです。


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