【理学療法士と知る】女性とストレスシリーズ・生理前の食欲には甘いものより運動がいい?!
【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活における悩みとの繋がりについての解説と、その改善方法・予防方法として、【運動や、生活に取り入れてほしいこと】もあわせてお伝えしています。
わたし自身が女性ということもあり、特に女性の身体と心についての投稿をどんどん書いています。もしよければ、「悩み事」や「○○について知りたい!」などのコメント・リクエストなどもいただけると嬉しいです。
先日より、女性の身体にとっては【変化】もストレスになること、さらに女性は毎月【変化】が起こるので、よりこの【変化】による影響へのケアが必要だということをお伝えしています。
毎月、生理前にはPMSやPMDD症状に悩まれる方は多いのではないでしょうか。また明確にPMSやPMDDの診断を受けていなくても、イライラや強い眠気、また食欲が止まらなくなるなどのお悩みを抱えている方も多いように思います。
今日はその中でも、なぜ食欲が増えるのか、またそれに対しての対策について話していこうと思います。
※なぜイライラしたり眠くなるかはこちらをご覧ください
生理前の身体は、卵胞ホルモンのエストロゲンが減り、黄体ホルモンのプロゲステロンが増えます。
エストロゲンは通常、食欲中枢に働きかけて食欲を抑制します。このエストロゲンが減るために、食欲の食欲のコントロールがしにくくなってしまうのです。
また、プロゲステロンは妊娠を維持するためのホルモンであり、生理前は疑似的に妊娠状態となります。そのため、赤ちゃんを育てるのに必要なエネルギーを蓄えようとして、食欲が増えます。
さらにプロゲステロンは、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くするのです。そのために血糖コントロールが乱れ、血糖値が急激に上下し、下がった時に強い空腹感を感じるようになります。
他にも、生理前の睡眠の質低下、イライラなどでも食欲は乱れます。
このように、生理前の食欲増進の理由はひとつだけではなく様々な要因が重なっています。身体の機能上しょうがないと言えばしょうがないのですが、やはり食べ過ぎると自分を責めてしまったり、余計にイライラしてしまうこともありますよね。
このような生理前の食欲増加には以下の方法が効果的です。
・むくみを取るカリウムや、女性ホルモンをサポートするイソフラボン、血液の流れを良くするDHAやEPAを含む青魚を積極的に食べる
・一気に食べずに小分けにして、少ない量でも空腹感を感じにくくする
・睡眠をしっかりとる
・適度な運動をする
ストレス解消にも、また幸福感を感じるにもスイーツに手が伸びますが、実はスイーツを食べた後、【幸福感】が持続する時間は20分程度といわれ、逆に食べてから1時間ほど経過すると、食べる前よりもストレスや不安感が増すといわれています。
これには血糖値が関係しており、甘いものを摂ると血糖値が急激に上がります。その上がった血糖値を下げるために、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンには血糖値を下げる働きがあり、その働きによって一時的にセロトニンが増加します。 このセロトニンのおかげで、甘いものを食べると一時的な快楽を感じることになるのです。
ただし、あくまで一時的な快楽に過ぎないため、時間が経過するとストレスや不安感が増し、再びスイーツが食べたくなってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
なんだか、先ほども聞いたような話ですね。そう、プロゲステロンはインスリンの効きを悪くするのでしたね。つまり生理中は、インスリンも大量に分泌され急激な血糖値低下から食欲も強く感じやすくなり、またインスリンも低下しているので強い幸福感も想定的に感じにくいと言えます。
それでは、運動はどうでしょうか?運動は疲労回復や気分転換やストレス解消につながり、またリズム運動はセロトニンの分泌も促します。5~30分の運動で、1~2時間セロトニン分泌のピークが続くのです。
また、1日少しずつでも運動を続けていくと必ず身体は変わっていきます。継続したという事実にせよ、変わっていく身体にせよ「これだけ努力で来た、できるようになった」という達成感や満足感が得られます。それが自信につながって、気持ちが明るく前向きになることが期待できます。
決して、甘いものがダメなわけではありません。好きなものを食べる喜びや、仲の良い友達やパートナー、家族と一緒にする食事は【心の栄養】でもあります。
だけど、なんだかわからないまま、振り回されて食べる甘いもので自分を責めてしまわないで。騙されたつもりで、少しだけでも運動をしてみませんか。皆さんの気持ちが穏やかに、前向きになるためにとっても大事なことだと考えています。
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運動習慣作りや自分の姿勢や身体の歪み、呼吸法などの把握・改善はとっても地道ですが、「しっかり取り組もう、改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズ、おすすめのトレーニングもお伝えできます。お気軽にご相談ください。
また、もっと知りたいことやわからないことがある場合も、是非コメントや連絡いただけると嬉しいです。