移住体験ツアー企画レポート@広島県三原市
こんにちは。ヨリドコロ・アンド・パートナーズの内田です。
先日、昨年度より広島県と共同させて頂いている、移住に向けた起業および人口創出プロジェクトの一環として、三原市移住体験ツアーを開催しました。
このnoteでは、2021年11月26日(金)〜 11月28日(日)に行われた具体的なツアー内容、ツアーのなかで見えてきたことをお届けしていきます。
移住体験ツアーの企画概要
「移住を含めた起業や人口」を増やしていきたい、広島県の施策の1つとして、ヨリドコロが企画を担当させていただきました。
きっかけは、2年前に広島県庁からご相談を頂いたこと。「この数年空き家が増えてきていて、それらを含めた地域の課題を一緒に考えていきたい」と声をかけていただきました。
近隣の地域をあくまでも参考にしつつ、地元の良さをどう残して伸ばしていけるか。これからチャレンジしていきたい人たちをどう街として巻き込んでいけるか。
三原市の人間ではない私が関わることで、よりフラットに状況を捉え、意見をお伝えできると考え、プロジェクトにジョイン。
今年度は、移住や地域での起業に興味があっても、踏み出すきっかけがない、タイミングが合わない… 高いハードルを感じているかたのために、2泊3日で三原市の暮らしを体験してもらう今回のツアーを企画。
県庁のかたはもちろん、市長や、すでに三原市に移住し活躍されているかたがたを巻き込みながら、ツアーを組み立てました。
またいくら「いきなり移住」からハードルを「ツアー」に下げたとしても、知らない土地に滞在すると決めるのは勇気がいるもの。11月のツアーまでに
・三原市のことをよく知ってもらうためのオンラインセミナー(2回)
・ツアー前の参加者顔合わせの会
も開催し、ステップをふみながら、三原市にお越しいただけるよう、工夫しました。
そもそも、三原市ってどんなところ?
ツアーの詳細をお話しする前に「広島県三原市」について、ご紹介させてください。
三原市は、2年前にはじめて訪れた地で、自分にとって はじめての広島。
新幹線を降りたら海。駅から、港までが日本で一番近いと言われているところです。
東京からは福山→尾道の次に来る、備後エリアの1つ。たこも有名で、駅前にはたこを使った料理を出すお店がけっこうあります。
「三原市中心部に新幹線の駅があり、広島空港も車で約30分。歴史・文化的な香りも残る瀬戸内の城下町です。港から佐木島や大久野島へのアクセスも便利で瀬戸内の多島美も楽しめます!(移住体験ツアーページより抜粋)」
個人的には、海だけでなく、山も近い印象。駅から周りを見渡すと自然豊かで、ゆっくりと過ごすにはぴったりな場所だと感じました。
山側と海側で街の雰囲気も異なり、山側は江戸時代からある建物がまだ残っていて、とても風情を感じます。海側は新しいお店などがあり、あるものを活かしたおしゃれなリノベーション物件も増えてきています。
* 歴史的な建造物が残る、街並みも美しいです
現地ツアーの詳細
(移住体験ツアーの前に)
現地ツアーの前には、9月・10月と2回オンラインイベントを開催しました。9月の1回目は三原市で活躍するゲストを迎え、「三原市の今とこれから」を伝えることを目的に。
10月の2回目は1回目と同様にゲストを迎え、三原市でやってみたいこと・知りたいことをテーマに、ワークショップを行い、11月の現地ツアーに参加するステップを作りました。
2回のオンラインイベントもそれぞれ60名を超える方にご参加頂き、ファシリテーションもとてもやりがいがありました、広島県および三原市のスタッフの方々の努力・成果だと思います。このプロジェクトにかける想いがチーム全体に強くあると感じました。
(移住体験ツアー)
11月26日-28日の現地ツアーには全国から14名の方が集まりました。ほとんどの方が「はじめまして」です。
●11/26(金)【1日目】
・14:00 サテラス(三原駅前)集合
・14:15 全体ガイダンス・三原市概要
・15:00 三原駅周辺の散策 (リノベーションされた店舗等の紹介)
・18:30 先輩移住者等との交流会
初日のオリエンテーションのファシリテーターも担当しました。オリエンテーション開始前にはサプライズで岡田市長に参加者の前でご挨拶をいただきました。
* オリエンテーションの様子
ガイダンスを終えたら、参加者全員で駅周辺の散策。お店や見どころがコンパクトにまとまっていて、歩いていても楽しく、参加者それぞれが魅力を発見できた時間でした。「この空き家がこんなに安いの!?」「海沿いの物件でこんなことできそう!?」など、想像も膨らみ、2日目以降のプログラムにも期待が高まっている様子がわかりました。
懇親会は海が目の前の港近くのレストラン。2次会は、海が見える&ルーフトップを開放した素敵なお店(MINATOMACHI CAFEBAR −joan−)。参加者のみなさんと、三原についてたくさん話すことができました。
* BARの写真。上のフロアにはデザイン会社が入っていて、デザイン会社の上が屋上。今回はこの屋上を開放してもらい、焚き火をしながら現状の課題やこれからの三原市についてなど、熱いディスカッションが続きました。また行きたい!
個人的には、ずっと海を感じられて幸せ。テンションがあがったまま、あっという間に1日を終えていました。
●11/27(土)【2日目】
・10:00 みはら神明の里
・11:15 古民家カフェ見学・昼食
・12:00 食事(お弁当)
・13:00 ①まちづくり・起業グループ(市長との意見交換準備)
②三原を知りたい!グループ(八天堂ビレッジ等見学)
・17:00 自由時間 ※私はここから次の日の市長プレゼンの準備!!
今回のイベントのゲスト、三原市の先輩移住者 田中さんと奥さまで運営されている古民家カフェむすびを見学。いただいたごはんも美味しく、大満足な内容でした。
約100年前の古民家をリノベーションして、自分たちのこだわりが詰まったお店と宿。地元の食材をふんだんに使い、〆は心温まる優しいスイーツ(最近はバスクチーズケーキが話題で、東京でもポップアップ販売をしています)で最高でした!
午後からのワークショップは、最終日の市長プレゼン資料を作成する上でも最も大切な時間。
お腹いっぱいの状態でもどんどんアイデアや意見が出るよう、様々工夫をしてファシリテーションをしていました。2つのグループに分かれて付箋にどんどん書いていく。書いたものを貼り出してチームごとの発表をお互いで共有できる素敵な時間でした。
付箋を使ったワークショップに慣れている人・慣れていない人が混じり合ってのプログラム。ここでは、客観的な視点と自分が当事者だったらという2つの視点でどんどん考えやアイデアを出していきました。
個人ワーク、グループワーク、グループごとに共有する時間の3つで構成しました。
●11/28(日)【3日目】
・9:00 道の駅 / リノベーション物件等視察
・11:00 ネジロハウス見学・昼食
・13:00 市長との意見交換会
・15:00 解散
朝から山の方にある、道の駅を訪れ、街の奥にある海を眺めました。この海を見ている時間が余白。市長プレゼンを控えていて緊張していましたが、この環境に癒しをもらいました。
次は、先輩移住者 岡田さんが運営しているゲストハウス(NEJIRO HOUSE / ネジロハウス)を見学(2日目に須波、3日目に木原のゲストハウスを案内いただきました)。次に泊まろう!と一瞬で魅力を感じました。ランチはゲストハウス近くのNEJIRO CAFEでプレートランチをいただきました。センス抜群です!
海が近くにある時間・生活は心が潤う、満たされていると感じました。
穏やかな海とそこにある島々。ちょうどよいところにある宿泊先とカフェ。このちょうど良さを自然と作っているところにセンスを感じ、行ってみたい・泊まってみたいと思ってしまいます。
美しい自然の景色と、美味しいごはんに癒され、いよいよ今回のツアーの最大の山場の市長プレゼン。私含め、市長に意見をぶつけてみたい・意見交換がしたい方々にとっては、とても貴重な時間(プレゼンの前に市長より初日のオリエンテーション同様に場を和ませていただきました)。
はじめて同士なので参加者は緊張しています。そこで岡田市長は「三原市には何もありません。あえてこの表現をしたのは、それは何も無いからこそ“これからを創っていける”という余白があるからです」と。岡田市長としても、ここからどんどん変化していくこと、チャレンジしていくことを強調されていました。これを聞いた参加者は岡田市長の熱量を感じたとともに、笑顔になり、場が一気に和みました。
またファシリテーターの私も「心理的安全性が高い」場づくりを意識しました。個人の存在・発言も受け入れてくれる雰囲気や今の素直な気持ちを共有できる場、つまり自分を受け入れてくれる場をどう作れるかが大切だと思っています。緊張をしているとなかなか普段通り話すことはできず、本当に伝えたことや気持ちを他者と共有できないまま消化不良で終わってしまうこともあるかと思います。
それともう1つ意識したこととして、私含めて事務局スタッフの方々も、参加者同様、とにかくこの瞬間をおもいっきり楽しむことです。「我々が笑顔でないと(マスクで顔が見えないですが、本当に笑顔であれば伝わると思います)その楽しさは参加者に伝わらない」ですし、テンションもですが、気持ちが高ぶる体験をみんなと共有したいという気持ちでいました。
緊張の面持ちでスタートしたプレゼンでしたが、岡田市長や、三原市のスタッフの方々の受け入れてくださる姿勢のおかげで、和やかな素敵な時間になりました。
私も、ヨリドコロ・アンド・パートナーズとして、市長にプレゼン。今回の「移住に向けた起業および人口創出プロジェクト」について、現地ツアーまでのオンラインイベント、現状認識、今後の方向性など、今回の成果をレポートとして、市長に直接報告することができ、とても嬉しかったです。
私以外のみなさんは「海含め自然、離島を活用したい」熱い想いと企画をプレゼンしてくださいました。「アートを生かした学びづくり」「子供たちの可能性を広げる、島での学校作り」など、さまざまなアイディアが。プレゼンを聴きながら、今目の前に資源を誰のために / どう活用できるか、大きな可能性と余白があるのだと感じました。
現地ツアーを終えて
三原市にUターンをして活躍されている人、他の地域から移住して起業された人、市役所含め行政として街を支えられている人。様々な立場や職業の方々が三原市を愛していることに熱い想いが込み上げてきました。とにかく人と人との距離(相手を思いやる心の距離)が近いこと。それと、外から人を受け入れてくれる包容力(ウェルカム感が素敵)が大きいこと。出会った人たちが温かい。はじめましての人たちもいましたが、ホッとできました。
そしてやはり自然と街とのバランスが良いです。これは個人的に感じたことですが、静かな海を見ているだけでも自分の中に「余白」ができました。山を少し登ると、きれいな海のある風景を見ることができます。これだけでも幸せを感じることができました。
とにかく食べ物も美味しいです。お酒(日本酒、最近はワイナリーもできて現地で飲めるお酒も盛んになってきています)も、もちろん。これは私にとって最高な条件です。
2年ぶりの三原市でしたが、三原市の魅力を再発見することができました。ツアー参加の方々同様、自分自身も地域・地域の方々の可能性 を感じ、三原市でなにかチャレンジしてみたい気持ちも沸き上がってきています。
やっぱり現地に行かないと、自ら体験しないとわからないことがたくさんありますね。久々の現地ツアーの企画・運営でしたが、その地域に行くことでしか学べないことがあると改めて感じた3日間でした。
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今回のツアーの内容で、三原市に興味を持った、移住や起業など相談したい方は、ぜひ下記をご覧ください。
▼移住定住ポータルサイト「すんでみはら」
https://www.sunde-mihara.jp/
▼連絡先
三原市 地域企画課 0848-67-6011
▼ 広島県の移住情報を知るサイト「HIROBIRO」
https://www.hiroshima-hirobiro.jp/
今回の事業は、弊社ヨリドコロの「こんさる事業」の一環として担当しました。
弊社について詳しく知りたいかたは、下記ホームページをご確認ください。
▼ヨリドコロ・アンド・パートナーズ
https://yoridocoro-p.co.jp/