そのときわたしたちは-その4
元旦。ひと月ぶりの空港は、さすがに例年よりも人が少ない感じだったけれど、ショップも営業しているしあまり変化はなかった。
ハノイの空港も同じ。ベトナムはまだ感染者が出ていなかったので通常営業。
私たちが帰国してすぐに出来上がった新ターミナルに降りたのに、全然違和感を感じないくらい旧ターミナルと同じ雰囲気で笑ってしまう。
到着時、夜のハノイは雨だった。タクシーで旧市街のホテルへ。
4年住んだ家と2年住んだアパート跡地と1年住んだアパートの前を通り過ぎる。
慣れたエリアに宿泊しなかったのは、ベトナムも旧正月(テトと呼ばれる)中で、私たちの住んでいたエリアは完全に住宅エリアだったので、食事や買い物に不便だろうと考えたからだった。中国よりもベトナムの方が一斉に休むので旧正月中はとても不便。
旧市街は一番の観光地なのでお店もやっているだろうと思った。案の定賑やか。
雨に浮かぶライトアップされた大聖堂。目をつぶっても歩ける沢山の小さな通り。見慣れた看板。友達の店。
もう胸がいっぱいになった。どうしてもっと早く来なかったんだろう。こんなにだいすきなのに。
大聖堂の横のバーレストランで食事を取った。さすがにローカルはしまっているし、常連だったピザ屋は予約で満席!だったし。
いかにも外国人観光客向けです!という雰囲気のレストランだったけど、さすがにベトナミーズは本場の味!子供達もめちゃめちゃ食べた。上海のオサレなベトナムレストランの中華ナイズされたものとはやっぱり違う。家族皆ほっとした顔をしていた。ああ、ここに息子もいたら完璧だったのにな。
翌日お昼に空港に戻ってダナンへ向かう。空港内のショップで行きつけだったお店の商品を見かけてまだ目的地に着いていないのに買ってしまう。
ダナン空港は全然変わってなかった。ダナンからホイアンのホテルは車を手配してあったので、車で。約1時間ほど。
途中の街並みがハノイよりのんびりしていて、天気が良くてものすごい開放感だった。子供達も機嫌が良い。
ホイアンのホテル、ネットで探した割に好みにぴったりの素敵なところだった。目の前に河があって、細い橋はバイク用。通勤なのか朝と夕方は大混雑。
レンガと石でできた冷たい床の部屋。笑っちゃうくらい無駄に広いトイレ。荷物を置いて早速マーケットを見に行く。
ホイアンの旧市街は黄色い。ほとんどに建物の壁が黄色いのだ。ハノイも黄色い建物が多いけれど、これはフランス統治時代にフランス人の好みで建てられたとか、虫除けの素材を混ぜ込んだ色だとか言われていたが、真相はよくわからない。ホイアンの旧市街は、観光客を呼ぶために統一している感じだった。
川に沿って延々と続く旧市街。車の乗り入れはできないので、ほとんどが歩きか自転車、そしてバイク。旧市街の端にゴンチャがあって驚いた。
そしてハノイで見知ったお店がポロポロ出てくる。本当にみんなこっちに移ってきたんだ。ホイアンはテトなのに休んでいる店もほとんどなくてどこに行っても人がいっぱいだった。目につくのは韓国人。ついで中国人。
屋台で立ち食いしたりカフェで休みながらぶらつき、日本橋も渡ってランタンも見て。
そろそろ帰ろうかと言いながらふと見上げた店の看板の横に「No Chinese 中国人不可以进入」の貼り紙。
冷や水をかけられたみたいな気がした。
わたしたちは中国人ではないけれど、中国から来た。
中国はコロナを広めた国。そう言われている気がした。子供たちの目にはいらないように急いでその場を離れた。