👜突然バックパッカーになったハナシ04👜
「あれ?ヨンちゃん、アナウンス呼ばれてない…?」
私の名前が放送で呼ばれている。
時刻を見る。
ヤバい、移動時間はとっくに過ぎていた。
「うわ、やべぇ」ボソッと呟きながら、顔面蒼白でバックパックを背負い、ろくにまゆとドロンコと別れを伝える暇もないほどに走った。
アナウンスしてくれたCAも一緒に走った。
めちゃくちゃ全速力で、搭乗ゲートを目指す。関西国際空港は広い。私が乗る大韓航空の搭乗ゲートはかなり遠かった。
激励してくれながらも、たまに私を追い抜かすCA。
あの時の彼女はきっと運動能力と正義感に自信があったはずだ。
そうして、私は転がり込むように、飛行機に乗った。15キロのバックパックを背負い、股関節がバラバラになるかと思うほど走った。
搭乗口で先のCAが𝙂𝙤𝙤𝙙 𝙡𝙪𝙘𝙠とサムズアップしていた。
この機内一、ゼェゼェハァハァ言っている私に誰も触れず、皆が一様に淡々と出発の時を待っていた。
目指すは韓国。トランジットだ。
水をがぶ飲みし、「まゆとドロンコは、帰り、どんな話をするんだろう」とボンヤリ考えながら、飛行機が飛び立つのを、機内で待つ一員に私も加わった。