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技術士(経営工学)って、何者?


技術士登録分野をどう選ぶか

私の技術士登録分野は経営工学です。
日常ではあまり目にすることはないかもしれないが、
選択科目は生産マネジメントです。

会社に入って、工場に配属されたときは
新製品開発を主にやっていたので、生産マネジメントと
言われてもピンとはこなかったです。

技術士の分野でいうと、製品に関連する分野は
機械部門の原動機、精密機械、自動車、産業機械
化学部門のセラミック、有機化学、高分子、化学機械
と意外に少ない感じなのです。

これは、技術≠製品ということを意味していると思います。

製品とは、様々な科学技術を組み合わせてできたもので、技術分野そのものとは違うのです。

このあたりの考え方は、技術士で受験分野を選ぶときに
結構重要になると思いますが、あまり議論されていないように思います。

ツールを使いこなす技術者

私がなぜ経営工学という分野で技術士資格を取得したかというと。製品開発にあたって、トラブルや不良を減らして、如何に安く作るかを悶々と考えていた際に、品質工学という設計開発のツールに出会っていたのがポイントだと思います。

工場時代の私は、「自分はセラミック製品の開発者。」と思っていましたが、異動になって、環境ISOとか工場の生産性向上などの仕事をやることになった時に、自分の取り扱いの中から「製品」が消えてしまいました。

そうしたときに、「お前は本当に技術者なのか?」と自問自答した際の自分なりの回答が、「ツールを使いこなすエンジニア」です。

例えば、SolidworksというCADソフトを使って洗濯機設計の仕事をしていたとすると、「洗濯機の設計者です。」がよくある回答だと思いますが、「SolidworksというCADツールを使いこなすエンジニアです。」という言い方も正解だと思うのです。

私が製品開発に使っていた品質工学というツールは、設計開発のみならず、工場での生産コストの損得計算など生産性向上に関するツールも含まれており、工場から異動になった後の全社生産性向上活動の推進の仕事をしていく上でもツールの1つとして活用することができていたからです。

ただし残念ながら、品質工学という技術士の分野はありませんので、品質工学というツールの知識だけでは技術士になることはできません。技術士の試験は、各受験分野に関する専門知識が技術士に相応しいと認めてもらう必要があります。

そして経営工学に至る

もっと設計開発手法について学ばなければならない。

品質工学以外のツールについても調べていくうちに、工場で活用されている様々な手法がツールとして研究されている科学技術分野が存在することがわかりました。
それらは、技術生産管理論(technology and operation management)というカテゴリで呼ばれており、トヨタ生産方式やQC7つ道具などの工場時代によく聞いた様々な手法もすべてこの中に含まれています。技術士試験の経営工学分野の選択科目である生産マネジメントは、まさにこのカテゴリに合致していたのです。

技術士(経営工学)とは

技術士(経営工学)とは、工場で使われる様々な生産効率化ツールについて専門知識を持つエンジニアのことだと思っています。

ツールは当然、使ってこそメリットがでるものだと思いますが、工場で使われるツールについては、その使用の適否を議論することなしに全社推進活動の名のもと、盲目的に適用されてしまっている場合が多いように感じています。
技術士(経営工学)を名乗るものとして、ツールの効率的な使い方についても考えていきたいと思っています。


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