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強い人間

強い人間になりたいと最近思う。
まだ半人前のくせに何言ってんだという感じだが、憧れを抱いている。

知り合いに、メンタルもフィジカルも強い人間がいる。
昔はそうでもなかったしサボりがちだったと言うが、大学のゼミで出会った教授のおかげで変われたと言っていた。

運命の人ってこういうことを言うんだと思う。
自分の生き方を変えてしまうような人。

私は、彼が私の運命の人だと思った。
彼のそばで変われなければ私は一生変われないと。
必死で喰らいついて行けば、絶対に今の自分から脱却できると確信までしていた。

私は体調を崩して部署を異動することになった。

やりたくないこともやるのが仕事だと思う。
やりたいことを仕事にしたとしても、やりたくないことだって絶対に出てくる。
やりたいことを仕事にしたからこそ、やりたくなくなってしまうことだってある。
だからそこに向き合う必要が誰にだってある。

頭ではわかってる。
でもどうしてもキャパが足りなかった。
今キャパを増やせなければ私は死ぬまでダメ人間のままで終わる。
そう分かっていても、逃げてしまった。

逃げた先ではまた別の苦痛が待っていて、そこからもまた逃げた。
どれだけ体調を崩せば気が済むのだ、私は。

私のこのサボり癖は小学生の頃から変わらない。
やりたくないことはなかなかできない子だった。
宿題出さなかったり、課題図書読まなかったり、朝マラソン走らなかったり。
人に強制されないと出来なかった。

大人になれば自然と変わると思っていた。
でも現実はそう上手くできてはいなくて、変わるためには苦痛が強いられる。
蛹の中でどろどろの液体状になって初めて蝶は孵化するように。
私は耐えられなかった。

今からでも遅くないと人生の先輩は言う。
自分が変われたのは30代からだとか、40代はとても楽しいだとか。
20代の私からしたら、そう言えることが恨めしい。
現在の自分に絶望し、辟易し、嫌悪すら抱き、こんな人間死んだ方がマシだと思えてならない。
きっと、そう思っていた方が楽だから。

生きて何をしたいのか。
そんな目標も特になくて。
でもみんな「とりあえず生きていれば何とかなる」って言う。
努力した人はきっとそうなんだろう。
努力が嫌いな弱っちい私は、生きていたって何も変わらない。

強くなるために、並の人間みたいに生きれるようになれるために、私はどうしたらいいのだろうか。
スモールステップで今更始めて、40代でようやくまともになれたとて、周りとの差が歴然としている中、果たして私は幸せなのだろうか。

当たり前のことを当たり前にできるようになりたい。
せめて。
それすら今は叶わない。
強くなりたい。

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