コードギアス 奪還のロゼ 最終幕 感想
奪還のロゼ最終幕の個人的な感想です、ネタバレ控えめ行きたいけど注意!
好きな女性はナラ・ヴォーンです。
最終幕はアッシュとロゼ、サクヤの関係が主軸に進んでいたのが強く印象に残った。もちろん奪還のロゼはこの二人を主人公にして物語が進行していくのが前提だけれども、これまでは多くの人物の視界を通してコードギアスの世界を見ていくような雰囲気を感じていたのでくっきりとロゼとアッシュの世界を中心に進んでいくのが明確に伝わってまた面白かった。二人の関係性も劇的に変化していったけれどもその過程やきっかけを含めてこの最終幕の見どころだ!
ギアスの力
サクヤはアッシュに対して、大切なものを盾に、相手の人生を踏みにじる行為と知ってか知らずかギアスをかけた。ギアスの力の代償として「王の力は孤独にする」という文言があるけれど、実際にサクヤが孤独に苦しんでいいる以外にも代償が強調されていたように感じる。サクヤには皇族として、ロゼとして、ギアスの力を持つものとしての三面が特にみられれるけれど、皇族としてはサクラやメイ、ナタリアという人がいて、ロゼでは七煌星団の面々が周りにはいた。ギアスの保有者としても、アッシュという最大のパートナーがいたからこそサクヤは孤独をそこまで強く感じたことはないのではないかと思う。もちろん一人の人間でありながらその三つの側面を持ちながら生活すること、すべての自分を打ち明けられないという孤独はあったのだろう。では、他の代償は何だかったというと自分の大切なものだったんじゃないかと思う。自分のすべての側面を受け入れてくれる存在だったアッシュを最後に無くし、それだけではなく自身のギアスに制約を課すために声を失った。最終的にサクラ、自身の故郷である北海道までをも奪還したサクヤだったけれどその代償は大きい。強大な力に対して代償が伴うことは確かに納得がいくbadendよりの幕引きではあったけれど、そう思うとそれまでの復活でのルルーシュやレイラのようにギアスの力を行使しながら報われた(?)キャラとの差が際立っていたと思う。だからこそ、結果的に主人公が報われる展開もロゼに期待していいと思うんだ!!!!
メタファー
パンフレットを読んで印象に残ったのは主人公たちに立ちはだかる脅威として描かれたものが現実世界の脅威と重ね合わせたメタファーだということだった。ダモクレスのフレイアは核を、ロキはAIと現実での時代の流れと対応しているらしい。人類に対する脅威として核は、戦争の悲惨さや、命や生物に対する冒涜が思いこされる。対して、AIは核と同様に人間が発展させた技術を象徴するものだったけれど、人間の知能を超えていった点からみると自分らに制御できない底知れない未知への恐怖を象徴していると思う。サクヤとノーランドとの対話でサクヤがノーランドに対してどんな理由から虐殺を起こすのか問答するシーンがあるが、ノーランドの真意が一切わからず恐怖を抱くのも未知からくるものであると思うし、クローン技術という未知の技術から生み出されたノーランド自体も恐怖であろう。
実際に目に見える破壊などに恐怖や恐れを見入るのではなく、目には見えない未知のものに対して恐怖を抱くのは根源的であるが実際に現在は、わかりやすい恐怖から未知への恐怖へと流行りというか価値観が変わっていっていると思う。ホラー映画とかもわかりやすい幽霊などより、何をされるかわからない未知で不気味なものが怖いと個人的にはおもうし。。
実際の現実世界に寄った要素を、作品に落とし込むことでリアリティがますだけではなくて、そこをきっかけにして作品へ深く触れたり、現実へも思いを巡らせることができる窓口になったのでまたちがった楽しみ方ができてよかった。
アシュサク
ギアスをかけられて自分の大切な弟をギアスによって再び奪われ、サクヤを許しがたく思っていたアッシュが最後に自分を奮い立たせるためにサクヤからのギアスの力をもう一度かけてもらうのが因果のようでよかった。ギアスの力を再び使うまでしてサクヤが命令したのは「騎士」としての役割で、それはアッシュが過去にブリタニアの騎士であったつらい記憶を打ち破るためのようにも思えるし、それまでアッシュとロゼでナナシの傭兵として活躍した二人の片割れであるアッシュが騎士として成長したともとれるのが最終幕の二人の関係の変化として、みる側にも劇的で、完成された美しさがあって面白かった。
ラズベリーさんをきっかけにアッシュがサクヤにべたぼれってわかった後の二人のぎこちなくなる瞬間が生を実感する。
アッシュ、フェニクッスの名前は伊達じゃないよなあああああ!
尺足りないよ、ほんとに!!!!!!!
本当にいい意味で尺が足りないよ!テンポ感最後までよかったし、過去作のキャラのファンサもあり、バトルシーンもクオリティが最高だった、やりたいことを詰め込んだ感じがあって満足感があった。でも、やっぱり、ロスの影響かわかはわからないけどもっとこの世界を堪能したかったっていうさみしさも色濃く残った、続編マジで期待してます!!!