見出し画像

モノトーンミュージアム/英雄の条件

 モノトーンミュージアムRPG「英雄の条件」を遊んでもらってきました。南部紛争地帯の小国“渚の国”を舞台にしたSSS4収録のシナリオです。

 PC1、ロンサム(舟さん)
 人型のからくり従者。製作者でもある前のご主人を亡くしたときに従者型から戦闘型へと改造を望み、結果異形となりました。異形として狩られ「これが最期」と思われたそのときに、彼を救ったひとりの傭兵ゴーシュ。
 ぶっきらぼうなゴーシュと、感謝を表す余裕のないロンサム。「そういえば礼のひとつもいっていない」そう思い至ったロンサムは、恩人を探して旅を続け、渚の国にたどりつきます。

 確かにこれはロンサムの行いの結果であるのですが、そこには故意も自覚もなく。既に取り返しのつかない状況下で実に重大な決断を下してくれました。
 その境遇ゆえ、世を拗ねているというか、斜に構えているというか。好意や誠意を素直に表さないところがありますが、とても誠実な青年でありました。

 PC2、マリン・スタグム(あめ子さん)
 渚の国に寄り添う“渚の海”を守る海守り。ここでは人と海守りは善く交流し、互いをよき隣人として暮らしてきました。しかし、南部紛争が勃発し、激昂の国の勢力下に置かれて以降は、その関係も絶えつつあります。今では差し入れを持ってマリンのシャコ貝占いを聞きに訪ずれる者もなく、静かな毎日を過ごすばかり。それでも外界のあれこれに疎い彼女は明るくのんきに生きています。

 ゴーシュと共に渚の国を訪れた海守りの少女カーラ。彼女との出会いでマリンの生活は一変します。
 その境遇ゆえに人間を憎むカーラは「人間」に振り回されてばかり。そんなカーラを叱るでなく諭すでなく、ただ不憫に思い。
「あとはわたしたちがやるから。あなたはなにもしなくていいからね」
「今までなにを見ていたの?本当にそんな人たちだった?あなたはこの人たちを憎みたいの?」
「あなたがしたいことはなに?」

 結構あたりでちょっと外れ。人生はそのぐらいでちょうどいい。ですかね。

 PC3、ナナミ・ナ・レイン(ルシフェルさん)
 諸国を巡る気ままな旅人。白髪・無精髭の偉丈夫です。父親は立派な騎士で、ゆえに不死者となりました。父に憧れ自らも騎士を目指したこともありました。ですが、規律や礼儀、規則正しい生活が苦手なナナミに騎士見習いの生活は難しかったようです。
 今は気ままな旅暮らし。南部一帯をあちらこちらと巡っては、困った人を助けてまわっているのです。

 ナナミは国の外から訪れて、仲のいい友人であるピピンが所属する衛兵隊の惨劇をきっかけに事件に関わることになります。少し似た境遇であるソリッドのよき先輩であり、ロンサムを静かに見守り、その言動の真意を汲んで立ち回るクレバーな戦人でした。

 PC4、“堅牢堅固”ソリッド(HORYIさん)
 激昂の国の兵士。19才のやんちゃな男子です。父親は立派な騎士で、ゆえに不死者となりました。父に憧れ自らも騎士を目指しており、早く手柄を立てて出世したいと願っています。
「属国である渚の国に向かった駐屯部隊が消息を絶った。反逆の企みがあれば未然に防がねばならない。急ぎ現地に向かい調査せよ」
 “海の異形”たる海守りがなにかよからぬことを企てているかもしれない。ここで手柄を立てれば出世間違いなし。大将軍ボナパルト直々の命に勇んで出かけるソリッドは、無事に使命を果たせるのでしょうか。

 同じ境遇のナナミを兄貴と慕い、異形であるロンサムには反発する。若く生意気で、案外素直で実直な若い兵士でした。ロンサムのブラフに「ええ?そうなの?」と素直に驚きつつ、ナナミの様子を見てワンテンポ遅れて合わせていく若者仕草が素敵でした。

 シナリオにね、書いてあるんですよ。
「当演目ではPC1に明確な過ちが課され、これが演目側からケアされることはない」
 演目がケアしない以上、PLが自分でなんとかするか、GMがケアするしかないわけでして。優秀なPLのみなさんにはたっぷりお腹痛い思いをしていただきましたが、GMも同じくハラハラドキドキ。とても楽しいセッションを経験しました。
 みなさんありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?