ANGERSWING#7
最近、道中で野鳥を眺めるのが楽しみになっている。野鳥といっても主に鳩だけど。
鳩を眺めることにはまった入り口としては、まずやっぱり飛べること。
これは鳥全般に言えることだけど、あのサイズ感でどうして重力に反して空を飛べるのか全く分からない。
誰しもが鳥の飛んでいる光景なんて見たことあるし、日常を生きていて流してしまう事象だけど、鳥が飛んでいるという人間単体では成し得ないことをちゃんと目撃した瞬間にちょっとした感動を覚える。
逆に何で人間は飛べないんだ。
飛べたらめちゃくちゃ楽じゃないか。そういう進化の仕方って無理なのだろうか。
鳩を眺めることにハマった2つ目の理由は絶妙に意思疎通を図れそうで図れないこと。
鳩とちょっと見つめ合うと何か意思を伝えるかのように距離感を詰めてきたりする。
こちら人間側としても、見知らぬ人が近づいてきても積極的にコンタクトを取ろうとはしないけども、鳩が近づいてきたら少しコンタクトを取りたくなってしまう。
わたしの場合は鳩に向けて小さく手を振ったりする。
これは散歩中の犬とかにも密かにやっている。
でも大概は無視されてしまうし、逆に手を振ったからといってその手に鳩が乗ってきても正直困る。絶対に払いのけてしまう。少なくとも都会の鳩は嫌だ。北海道の林の中にいるシマエナガくらいじゃないと手に乗ってもらいたくはない。
これは差別意識か。
でも都会の鳩はどんな汚いところを踏んでいるか分からないし、何を食べているかも分からない。
それで言ったらシマエナガだってどんな生活を送っているのか知らないけど。
差別意識に加え、ルッキズムも入っている気がする。
うーん。でも都会の鳩とは適度な距離を保っていたいし、鳩もそれを理解して適度な距離は保ってくれている。
ルッキズム的なところで言うと、やっぱりグレーの鳩の中に唯一混ざる白い鳩とか頭頂部だけ白さが際立っている鳩とかには注目してしまう。積極的にコンタクトを取りたい。
なんだろう。すごく自分勝手な意識だけど、意思疎通を図れた気がするとやっぱり幸福感が得られるのかもしれない。
でもそれは人間側の勝手な意識であって、鳩は何も考えていないかもしれない。
ここまで書いたことは事実なのだけど、こういうのを役作りに入れたい。
別にこれをやろうとするのではなくて、こういう側面がある人をやりたい、わたしは。
台本の端っことかにこういうのをたくさんメモしておきたい。
台本が届いて「ああ、この人は鳩と対話しなさそうだな」って思ったら、捨てればいいだけの話だからね。
鳩でおすすめしておくと、ガラス張りになった屋根に止まった鳩を下から眺める時間は至福なんだヨ。
<日本劇団協議会主催>
日本の演劇人を育てるプロジェクト
新進劇団育成公演
劇団Q+
『ANGERSWING /
アンガーズウイング・アンガースウィング』
ー家族の庭、その香りは秘密をささやくー
脚本=弓月玲 原案・演出=柳本順也
◎日程
2024年7月3日(水)〜 7月7日(日)
◎劇場
下北沢 駅前劇場
⋱チケット発売⋰
2024 年 5月 1日(水)開始
https://www.gekidan-q.com/
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