ANGERSWING#59
被害者と加害者というよくある関係性。
被害者が自分を守るために加害者になってしまう。(意図せずとも)
新しく生まれた加害者がいるということは新しく生まれた被害者がいるということで、新しく生まれた被害者も何らかの形で自分を守ろうとする。
すると再び新しい加害者が生まれてしまう、かもしれない。
こう考えると被害者と加害者という関係性は悪魔のような螺旋を描いているというか、ものすごく大きな話にすると戦争の構造に似てきてしまう。
だからこそ、どこで、どうやって歯止めを効かせるのかというのは永遠の課題のように思う。
被害者が加害者になる前に、いかにして踏み止まるか。
『ANGERSWING』は家族の物語だ。
家族は社会の基本単位。大きな世界を小さく小さく凝縮していけば、家族の中に小さな世界が出来あがる。そしてそこには被害者や加害者が生まれることもあるだろう。これは普遍的な話。
でも家族の中に被害者や加害者が生まれてしまうというのはとても悲しい語感だなと思う。
別に戦争反対だとか世界平和だとかを訴えている作品ではない。
でも【諍いの歯止めはどこにあるのか】を見つけるヒントになるような作品になる気はしている。
家族を構成する一人一人の個人がいて、個人個人が抱えている課題があって、それぞれの幸せがあって、たとえ家族であってもそれぞれの利益がぶつかってしまう瞬間もあるだろう。これも普遍的な話。
『ANGERSWING』というタイトル。
アンガースウィングとも読むし、アンガーズウイングとも読む。
もちろんそれはチームが2つに分かれていて、それぞれの呼称で作品を立ち上げているという理由もあるのだけども。
アンガー、怒り。
この作品は、この怒りはどんな終わりを迎えるのだろう。あるいは始まるのだろう。
被害者と加害者なんて堅めの言葉を使ったけど、多分日常生活において「自分が被害者なのだ」「自分が加害者なのだ」なんて意識しながら生活している人なんてほとんどいない。
でもあらゆる場面で自分も含めてどちらの立場にもなりうる。
作品がちょっとずつ社会と繋がり始めているきがするヨ。
<日本劇団協議会主催>
日本の演劇人を育てるプロジェクト
新進劇団育成公演
劇団Q+
『ANGERSWING /
アンガーズウイング・アンガースウィング』
ー家族の庭、その香りは秘密をささやくー
脚本=弓月玲 原案・演出=柳本順也
◎日程
2024年7月3日(水)〜 7月7日(日)
【公演スケジュール】
7/3(水)W 19時~
7/4(木)S 19時~
7/5(金)W 14時~/S 19時~
7/6(土)S 13時~/W 18時~
7/7(日)W 12時30分~/S 16時30分~
【チケット】
前売一般 = 4,500円
当日一般 = 5,000円
U22= 3,000円
◎劇場
下北沢 駅前劇場
⋱チケット発売⋰
2024 年 5月 1日(水)予約受付開始!
●ご予約URL
https://act-pit.com/events/view/?eid=0kDlB28a
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?