息子が生まれた日、西の聖地「湯らっくす」でサウナに入ったら父親としてのビジョンが湧いてきた
いくつになっても「生きるって楽しい」を伝え続けられる父親でありたい
息子が生まれた日、サウナの中でそんな言葉が湧いてきた。
大変な思いをして出産してくれた妻と比べれば、親としての自覚が足りないのかもしれない。それでも、出産に立ち会った経験は、父親として自分がどうありたいかを考えさせられるきっかけとなった。
ただ、自分で思考する時間を取ればよかったわけでもなく、いつも通りにサウナに行っていればよかったわけでもなく、間違いなく「その日に『湯らっくす』に行ったこと」が、この言葉を作ってくれた。
今回の記事は、どこかの誰かというよりも、未来の自分のためにそのときの出来事を書き留めておきたい。(それでも構わないという方は、続きを読んでいただけると嬉しいです。)
2年ぶり2回目の「湯らっくす」
個人的には2年ぶり2回目の湯らっくす。
サウナーで知らない人はいないであろう、西の聖地と呼ばれる温泉施設です。
前回は友人の結婚式の後だったこともあり、十分には楽しめず、いつかリベンジしたいと思っていました。
僕も妻も故郷が熊本なこともあり、今回は福岡からの里帰り出産。
自分の実家から「湯らっくす」までは約1時間かかるので、気軽には行けない距離。
今回、出産後までの2週間ちょっとの帰省となったのですが、もしサウナ中に陣痛が始まってしまったら…など考えると、一番いいのは生まれてからのタイミングだと考えていました。
妻がお世話になった産婦人科医院からだと30分あれば行ける距離だったので、おめでたい日に「聖地」に行くのは縁起がいいからと自分を納得させ、その日に向かおうと決めていたのでした。
「瞑想できるサウナ」をめがけて
その日のお目当ては、前回の訪問時に虜になったメディテーションサウナと、そのとき入れなかったメインのクラシックサウナ。
特にメディテーションサウナは、前回感動しすぎて、正直このサウナにもう一度入りたいという思いだけで湯らっくすに行きました。
ただ、受付で言われた「宿泊の方限定で、サウナシアターもご案内できます。」という言葉にまんまと釣られ、よくわからないままとりあえず予約をしてみることに。(無料の特典にはすこぶる弱いんですよね…)
そんな偶然の案内が今回の記事につながるとは、当時は少しも思っていませんでした。
ちょうどいい時間だったので、とりあえずシャワーで汗を流し、サウナシアターに向かいました。(あとで調べてみると、劇場型のアウフグース場「THIS IS IT」と言うみたいですね。)
思いがけず、新人の姿に胸を打たれた
その日のアウフグースを担当してくれたのは、おそらく20代前半くらいの男の子。「経験が少なく、こんなに大勢の方の前でやるのは初めてですが、一生懸命頑張ります。」という前置きをしつつ、アウフグースのショーが始まりました。
音楽や照明に合わせて行われるアウフグース。
正直、素人目にもうまいとは言えないかもしれないけれど、その一生懸命さが伝わってきます。
タオルを使った技が決まるたびに響く、お客さんの拍手。
思わず応援したくなるようなその姿に、気づいたら自分も拍手をしていました。
しかし、大技になるほど失敗の数も増えていきます。
それでも、諦めることなく最後までショーを続けるその姿に会場全体が胸を打たれてしまったのです。
終了後の挨拶の時に、新人くんの目には涙が浮かんでいました。
それだけ練習したのに、うまくいかなかったことへの悔しい思いが込み上げてきたのだろうと思います。
その姿を見て、お客さんの大きな拍手で会場がいっぱいに。
会場全体が「大丈夫、その一生懸命な姿は伝わっているよ。」と言ってくれているようでした。
僕も社会人として8年目。新人くんの姿が、なんだか忘れかけていたような気持ちを思い出させてくれました。
そのあと入ったクラシックサウナでも、たまたま新人の子がアウフグースを担当。「今日は、新人くんに当たる日なんだなぁ」と思ったのでした。
メディテーションサウナで降りてきた問い
いよいよ、お目当てのメディテーションサウナ。
暗闇の中でライトに照らされたサウナストーンを見て、ぼーっと無心で過ごす時間です。
頭の中が空っぽになりかけたその時、照らされたサウナストーンから、「お前はどんな父親になりたいんだ?」と問われているような気がしました。
先日30歳になったときに浮かんできた「これからの人生、君はどのように生きるのか」という問い。その時も同じような感覚だったのを覚えています。
生まれたばかりの息子には「これからの人生、この先訪れる様々な”はじまり”を大切にしながらチャレンジを続けてほしい」という思いを込めた名前をつけたところ。
新人くん達の、純粋でひたむきな姿を見たことも重なって、まずは、自分自身がそんな姿を見せ続けられるようになりたいという思いが湧いてきました。
ふと、父親の言葉を思い出す
そんなときに思い出したのが、去年、父親の口から出てきた言葉。
両親が横浜に旅行に来ていたときに一緒に行った中華料理屋での一言でした。
どんな文脈だったのかはっきりとは思い出せないのですが、確か自分が仕事に関する話をしたときだったと思います。
そりゃ、苦しい時期もあったよなと今では理解できますが、そんな素振りをこれっぽっちも見せず、平日は毎日働き、休日は野球やサッカーといった兄弟の習い事の送迎もやってくれていた父親。
そんな姿を改めて振り返った時に、子ども達の前ではいつでも明るく振る舞っていた父親の偉大さを感じさせられます。
自分もこれから何度も苦しい状況に追い込まれるかもしれません。
弱みを見せない、強い父親でなければならないと思っているわけではありませんが、父親のようにどんなことがあっても、子どもには自分の姿を通して生きることの楽しさを伝えたいという思いが湧いてきました。
父親としての道は始まったばかり
いくつになっても「生きるって楽しい」を伝え続けられる父親でありたい
冒頭にも書いたように、現時点での父親としてのビジョンはこんな感じ。
正直なところ、息子のために自分の時間をたくさんかけてあげたいという思いに反して、もっともっと自分自身の人生を豊かにしていくために自分の時間がほしいと思っているのも事実です…
だからこそ、「自分が楽しんでいる姿を見た結果、それが子どもにも伝わってくれたらいいな」という言葉で自分を納得させようとしているのかもしれません。
そんな思いもここに書き残しつつ、引き続き自分の人生と向き合っていければなと思っています。
これからは、ひとりの父親として、これから妻と息子と歩む道を楽しみながら進んでいきます。
子育ての様子はあまり投稿しないと思いますが、今回の記事のように感じたことや考えたことは定期的に言葉にしていくつもりです。
最後までお付き合いいただいた皆さま、本当にありがとうございました!
親として大事にしていることなど、先輩方に教えていただきたいので、ぜひコメントいただけると嬉しいです。