見出し画像

美容師さんに課金したかった話

 なんやかんやで騙されたように、ハードな仕事をしてしまった ’21晩秋 to ’22.1月。業務内容を選んで仕事を受けたつもりが、フタを開けると全く別物だった。
 どれくらい違ったかというと、歯科を選んだつもりが、歯型のケーキを扱うパティスリーだった、くらい違った。あちゃー、と思った。歯型のケーキを売る仕事をするつもりは全くなかった。だって歯科医だからね。

 しかし、歯型のケーキってめずらしいね! おもしろそうだからやってみるか! みたいな感じでやった。短期間とはいえリスケもめんどくさかった。
 ガチのケーキを作ったこともなければ、意外と向いていた! ということもなく、ライフを削って働かざるを得なかった結果、「ハードな仕事をしてしまった」ということになった。
 冬だし、寒いし、ライフ保つだけでも大変なのに削っちゃったからね。歯科で例えたからややこしいよね。削ったのはライフなの? 歯なの? ライフですよ。

 そんなこんなで、仕事以外のあらゆる活動が疎かになり、通常であれば12月初旬に行う予定のヘアメンテナンスが2月にまでディレイしていた。御ぐしは乱れに乱れていた。
 仕事の終了期限が見えてきた頃、さぁ、次への準備が必要だ、美容院だ! ヘアメンテでリセットだ! と意気揚々と予約を入れた。

 久しぶりのヘアメンテだし、めっちゃみだれ髪だし、昔は自分でカットしていたという経緯もあり、注文の多い客オレ氏。さらに、レアな仕事体験を終えたばかりで、誰にも披露していないエピソードトークあり、という条件も加わり重めの客として仕上がっていた。仕上げるなし。
 美容院の担当氏には10年くらいお世話になっているため、私が注文の多い客であることは開示されている情報だ。しかし、今回は2時間ぶっ通しトークライブがオプションとして追加された。

 担当氏は、私のうるせー注文にとても丁寧に対応してくれる上に聞き上手なため、私のトークショーの唯一の客も担う羽目に。
 結果ね。そのつもりで伺っているわけではないのですよ。結果的にそうなってしまったよね、というやつです。いや、ちょっとは期待あるけどもね。
 そんな、重めの客オレ氏のトークショー付きにも関わらず、すばらしいカットを作ってくださったため、予定していたカット以外のメニューを施術せずに完成してしまった。なんということでしょう。
 
 御ぐしもスッキリ、トークもスッキリし、いざお会計となった折、あまりのお手頃価格に愕然とした。こんなにステキカットにしてもらったのに!? こんなにトークショーでいいリアクションしてもらったのに !? お会計がたったこれだけ、、、だと?

 課金したい、課金したい、課金したい、課金したい、良いものには相応の価値を! という気持ちになり、利益は薄くともせめて売り上げにとの思いで、サロン専売品コーナーを物色、自分のために買ったこともない高っけーシャンプーを追加するもまだ足りない、トリートメントもいただいちゃおうかしら? といってようやくそこそこのお会計になったので手を打った。

 結果、ステキカット最高だし、エピソードトークのネタおろしできたし、高っけーシャンプーの使い心地最高だし、トリートメントで髪さらさらになるし、良い思いしかしてないし、というありがたいおはなし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?