ここでも星が・・・
NGC 6822: Barnard's Galaxy
印象派の絵を思わせるような綺麗な風景だ。
私の宇宙への窓からも、眺めていたい一枚だ。
これは、バーナード銀河という。
E.E. Barnardという人が、1884年に発見したのでこの名前がついた。
射手座の中、地球から、150万光年のところにある。大きさは、7000光年。
さて、この銀河、なぜ注目に値するかというと、綺麗なだけではない。
青やピンクに光っているからである。
青やピンクで光るというのは、その星が若い、つまり星が誕生しているところであることを示している。
それはわかった。
しかし、星の誕生というのは、宇宙ではさほど珍しいことではないのではないか。
その通りです。
宇宙では、星が誕生し、生涯を終えています。
しかし、宇宙であれば、どこでも星が誕生するということではないのです。
そもそも、星が誕生するというのは、どういうことなのか。
端的にいうと、水素原子が一定程度(ものすごい量だが)以上集まって、核融合反応を起こし始めるということです。
つまり、一定程度以上(繰り返しますが、ものすごい量)の水素原子を集める力が働いていることが必要なのだ。
だから、普通は、下記の銀河のような、感じになる。
銀河の核に星が密集し、黄色く輝く。
なぜなら、一番最初に、星ができたところだから、星の年齢は古くなるので、光は黄色になる。
そして、この銀河の核に引き寄せられた、星間物質(水素)が核の周りに渦巻き状に集まって来て、星が誕生している。
だから、銀河の渦巻きの腕のところが、青やピンクに輝いているのです。
さて、ここでバーナード銀河にもどる。
この銀河に核のようなものがあるだろうか。
見えない。
なのに星が活発に生まれている。
つまり、星間物質が、どんどん集まって来ている。
なぜだ!
興味が湧いて来たでしょう。
あなたや私と同じく、天文学者も興味のあるところなのです。