3万光年の銀のドーナツ
Arp 147
右の青いリングは、差し渡しが30,000光年ある。
でかいドーナツ、あるいはタバコの煙をふっと吐いた時にできるリングのようだ。(ふっとひと吹き、3万光年とは・・・)
右の青いリングの銀河と左の赤みのかかった卵形の銀河が、衝突した結果、こうゆう二つの銀河ができた・・・のではないかと考えられている。
本当かどうかは、わからない。
天文学というのは、わかっていることも沢山あるが、わからないことも沢山あるのである。
分かっている事も、こうじゃないか、それなら説明がつくけど、みたいな感じだ。(私の印象だけど)
何せ、実験はおろか、現在進行形で観察する事もできない。
(星々や銀河スケールで実験などできたら、そりゃ、壮大だろうけど)
このArp 147のArpというのは、Halton Christian "Chip" Arpという、アメリカの天文学者が作った、Atlas of Peculiar Galaxies(特異な銀河の図表)に載っている、147番目の銀河であることを示している。
で、このArp博士、なぜ、このようなものを作ったかというと、実は、渦巻銀河や楕円銀河(我々に馴染み深い)がどうのようにしてできたか、誰もよく分かっていなかった。
(つまりは、説明ができているようでできていない)
そこで、特異な形の銀河のカタログを作って、みんなで考えようという趣旨で作ったのです。
もっとも、自然法則とか化学の法則と言っても、突き詰めれば、そう考えたら説明しやすい、あるいは、矛盾なく説明できる。というようなもので、何か神様が作った絶対的な真理が、そこにあるというようなものではないですが。
ということで、さて、この巨大な輪っか、どうやってできた?
と、みんなで考えてみましょうか。
いや、まじ不思議でしょ。
仮に、左側の銀河と衝突した結果だとしても、銀河同士の衝突なんて、星々の間隔は、何光年、何十光年と離れているので、我々が普通にイメージするように、銀河に含まれる星同士が衝突したりとかしない。
当然、左の銀河によって、輪っかの銀河の中心部分が、抜き取られるというような事も起きない。
じゃあ、なぜ、輪っかの銀河は、中心部分に何もないのか。
???
また、輪っかの銀河が青く光っているのは、全て星=恒星です。
それぞれ膨大な質量を持った物質です。
当然、巨大な重力=引力を持っている。
なのに、なぜ、こんなに整然と輪っかになって並んでいるのか?
中心に何かあって、その中心を回転してでもいるのなら、遠心力と引力の均衡が取れたところが、たまたま、この輪っかの位置だという事もあるだろうが。
???
と不思議でしょうがないのですが、私は。
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