「絶対わからせる」、HR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)の基本
天文学の本や記事を読んだとき、下のような図を見たことがある人もおられるだろう。この図は、ヘルツシュプルング・ラッセル図(略してHR図)という。
星(恒星)を考えるとき、とても重宝する図だ。いや、これが分からないと、そもそも星を考える出発点にさえ立てないとも言えるものだ。
しかし、専門家以外で、この図の意味するところをよく理解している人は案外少ないのではなかろうか。
かくいう私も、よくわかっていなかった。
それは、図表の読解力もさることながら、星の進化を理解しないと、この図の意味がよくわからないことに起因していると思う。
そこで、この記事では、この図が意味するところを徹底的に咀嚼して解説してみようと思う。
題して、
絶対わからせる、HR図の基本
絶対「わかる」ではなく、「わからせる」だ。
この記事を読む人には、私が責任を持って、「わかる」ようにする!
HR図の意味するところが分かると星を見る目が違ってきます。つまり、宇宙を見る目が違ってくる。
いいや、別に宇宙のことを知らなくても日々の生活はできるし、大体自分の人生に関係ないという人がいるかも知れない。
私は日本に住んでいる。
日本は太陽系の中の惑星である地球にある。
太陽は、天の川銀河に2000億個あると言われる星の一つだ。そして、観測可能な宇宙には、銀河がまた1000億個あるという。
我々は、宇宙に住んでいるのだ。
また、我々の体はたくさんの細胞でできている。その細胞は色々な分子でできている。その分子は118個ある原子のうちの一部でできている。
この原子は、すべて星の内部で、あるいは星が生涯を終え爆発するときに作られる。
つまり、我々は、宇宙で作られたものでできている。
言葉を変えれば、我々は宇宙そのもの、少なくとも宇宙の一部であるのだ。
宇宙を知るというのは、この世界を知るということだ。
この世界を知るということは、この世界に在る我々がいかなるものであり、どんな意義を持っているのかを知ることにつながると思う。
HR図の理解は、そのための第一歩になると思う。
ですから、ぜひHR図を理解していただきたいし、理解すれば物の見方が変わると思う。
また、この記事では、HR図が表している星の状態(進化)について、述べてないことがあります。
特に、赤色巨星およびその後の進化については、詳しく書いてありません。
例えば、準巨星、赤色超巨星、漸近性赤色超巨星、超新星爆発、中性子星、ブラックホールについては、この記事では触れてありません。
これらについて、ここで書くと、分量が少なくとも、ここで書いた量と同じ程度あるいはそれ以上必要です。
あまりに長文になるので、かえってわかりにくくなると思い、これらについては、別稿とすることにしました。
この記事は有料とします。
もちろん、有料分の価値はあるとの自負がありますが、上記のようにHR図をぜひ理解してほしいと思うからです。
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