ウルトラマンの本当の故郷、M87銀河
ウルトラマンの故郷、ウルトラ星があるというM78星雲について書いた。記事の終わりに、実はウルトラマンの本当の故郷は、M78星雲ではなく、M87星雲の間違いなのだという説があるという。
今回は、そのM87について。
M87は、実は星雲ではなく、銀河だ。
だから、M87星雲というのは、存在しない。
M87銀河の写真は、これだ。
このボーッと光っている銀河、距離は5,500万光年、大きさは、120,000光年ある。天の川銀河より大きい。
なおかつ、球に近い形をしているので、含まれる星の数も多い。
この銀河の3時方向に見えるのは、同じおとめ座銀河団に属する、NGC4478銀河、画像の右端に見えるのは、NGC4476銀河。
M87銀河の中心をよく見ると、1時方向にジェットが噴き出しているのが見える。
わからない?
下の画像は、M87銀河の拡大写真。
これで、1時方向に狐の尻尾の様なジェットが見えるだろう。
この銀河を良く見ると、星間物質がほとんど無い。だから、新しい星が生まれている様なところもない。
つまり、古い星が卵型に集まっている。
そして、周りにある球状星団の数が、異常に多い。
上の写真で、M87の周辺に沢山見える光の点。これは星ではないのです。全部球状星団。その数、15,000個ほどある。
ちなみに、我が天の川銀河の周りにある球状星団の数は、200個ほど。
さて、これはM87銀河の中心部を順次拡大した写真をはめ込んである。
銀河の中心からジェットが噴き出しているのがわかる。
右側のジェットは、我々の方向に向かって噴き出している。
反対側に噴き出しているジェットはよく見えないが、ジェットの先にオレンジ色の円盤が見える。
これは、高速のジェットが星間物質に衝突した時に生じるバウショック(船の舳先にできる円弧状の波)だと推測されている。
このジェット、5000光年ほどの長さに伸びていて、ほぼ光速に近い速さで噴き出しているのだ。物質が光速ですぞ!
そして、ジェットの中心部分を拡大した時に見える、このオレンジのドーナツ。そう、これが史上初、人類が撮影に成功したブラックホールなのだ。(本当に黒い穴だ)。
このブラックホール、太陽質量の65億倍もある。
要するに太陽を65億個集めたと同じ重さだ。
超巨大ブラックホールだ。
これは、右側のジェットの拡大写真。
波動砲か!
実際のところ、波動砲より遥かに威力は大きいだろう。
だって射程距離5000光年もあるのだから。
さて、これがM87銀河だ。
前述のように、M87銀河には若い星がない。年を経た星ばかりだ。
ということは、この銀河に属する星に惑星があって、そこに知的生命体がいれば、進化するのに十分長い時間があったことになる。
とすれば、M78星雲のように若い星のあるところよりも、ウルトラ星がある可能性が高いというべきだろう。
ただ、もしここにウルトラ星があるとしたら、5,500万光年の距離がある。ちょとやそっとで飛んで来ることの出来る距離ではない。
もっとも、現実のM78星雲にしたところで、天の川銀河の中にあるが、それでも1,600光年ほどの距離がある。
しかし、ウルトラマンはテレポーテーションができるらしいから、距離は障害にはならないとも言える。
ということで、ウルトラマンの故郷は、M87銀河ではなかろうか。
おまけ。
この写真は、おとめ座銀河団の中心にある、マーカリアンの鎖(Markarian's Chain of Galaxies)と名付けられている銀河の集団が写っている。
写真の上に明るく輝く2つの銀河から、左下の渦巻銀河まで、一連の鎖のように銀河が並んでいる。右下に明るく輝く銀河は、ウルトラマンのM87銀河だが、この鎖には関係ない。
この鎖に属する少なくとも7つの銀河は一連の動きを共にしているのだ。他の銀河は、たまたま重なって写っているだけで、マーカリアンの鎖とは関係ない。
おとめ座銀河団には、およそ2,000個の銀河が含まれている。
この写真に写っている星の様に見える光は、星ではない。全て銀河だ。
何度もいうが、銀河の写真に個々の星が写ることはない。
銀河に比べて、小さ過ぎて点にもならないのだ。
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