Terran 1 打上
ロケットから吹き出す青い炎が美しいこの画像は、Relativityというアメリカのロケット製造会社が打ち上げたTerran 1というロケットの発射の画像です。
Relativityという会社はもちろん、Terran 1 ロケットという名前を聞いたことのある人は少ないと思う。
この会社2015年に設立された会社で、まだ8年しか社歴にない会社ですが、このTerran 1という直径2.3m高さ24.3 mのロケットを今年(2023年)3月に、宇宙(高度100km)まで飛ばした。
この会社で特筆すべきことは、2点ある。
一つは、ロケットを製造するのに、3Dプリントを使っていること。
もう一つは、燃料に液体メタンと液体酸素を使っていることです。
一つ目の、3Dプリントでロケットを製造するとどういうことになるかというと、まず部品点数が100分の1になる。コストも製造期間も劇的に少なく、短くなる。
現在80%を3D プリントで作っているそうだが、将来的には90%を3Dプリントで作り、60日間でロケット本体および燃料タンクを作ることを目指しているという。
また、3Dプリントで作ると工具が要らなくなり、人間の手で作ることができないような斬新なデザインのものも自由に作れる。
つまり、設計ファイルから、工具を使わず、直接3Dプリンターにデータを送って、ロケットを作り出せる。
また、設計変更が非常に容易でコストがかからないので、不具合とかあった場合、その部分を直すだけでなく、設計そのものを1から見直して、改良版を作ることも簡単にできる。
例えば、エンジンなど、従来年単位で新しいモデルを作っていたのが、1月もかからず新しいモデルを作り、実験できる。
2つ目の液体メタンと液体酸素を燃料に使うというのは、将来火星に行った時など、容易にこの二つを火星で調達できるので、火星からの帰還の燃料を心配する必要がなくなる。
などと、えらいことをやっている会社だ。
打ち上げの実況中継に出てくる、主任設計者と主任プログラマーは、二人とも若い女性だった。
社員を見ても、ほとんどが若い人で、まるで大学の研究室の様な雰囲気。
いやー、すごいことになってきた。
近いうちに、我々の生活において、コンピューターや自動車が日用品化してきたように、宇宙旅行はおろか、個人で宇宙船を所有し、少なくと惑星間を飛び回れる様なことが、SFではなくなるかもしれない。