ペルセウス座の二重星団
これは、ペルセウス座にある、NGC 869(右側)とNGC884という散開星団です。
暗い夜、肉眼で見ることができ、紀元前130年にはギリシャの天文学者ヒッパルコスがカタログに載せている。
このペルセウス座方向、7000光年にある2つの星団の距離は、わずか数百光年しかない(数百光年の距離をしかといいうところが、また天文学的だけど)。
星団がお互いこのように接近しているのはあまりないと言われる。
この2つの星団に含まれる星はどちらも太陽より若く、熱い。
また、この2つは物理的に距離が近いだけでなく、ここの星の年齢も近く、同じ星形成領域でできたものと考えられている。
ところで、どうやってこれらの星団に含まれる星が、若いとか同じ年齢だとか分かるのだろうか、という疑問が出てくると思う。
それは、星の光を調べるのです。
星の光のスペクトル解析(太陽の光をプリズムを通すと光が何色もの虹色に分かれるあれ)をすると同じような物質から構成されていると、同じ種類だと考えるわけですな。
またこうやってスペクトル解析をしたものが、青色方向にシフトしていると、この星は高温、反対に赤色方向にシフトしていると低温の星だと分かるのだ。
それは、光の色と温度の関係は、地上での実験結果からわかっているからです。
そして、高温の星はなぜ若いかというと、高温になるためにはものすごい圧力で核融合をしなければならない。
ものすごい圧力を生じるには、ものすごい質量を持たなければならない。
つまり、高温の星は質量が大きいのです。
質量の大きい星は、猛烈に燃料である水素を消費して、早々と寿命が尽きてしまう。そこで高温の星は若い星しかないと考える。
とまあ、こんな推測が成り立つのです。
なんか目分量みたいだなと思われるかもしれない。
私もそう思います。
でも扱う単位、スケールが光年、それも何千万光年、何十億光年、それに伴った時間も、何千万年、何十億年とかなので、目分量でいいのです。
というか、目分量でしかわからないとも言えます。
物事の本質を見分けるには、細部にとらわれず、大雑把な目分量で大勢を把握するという方法が有効ですが、あれと同じですかな。
宇宙を研究すると、こんなふうに人生にも役立つのだ。(^^¥