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ルービンの銀河:Rubin's Galaxy
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ペルセウス座方向、2億3千2百万光年のところにある、UGC2885渦巻銀河。
差し渡し、800,000光年の大きさがある。
綺麗な銀河だ。
UGC
ウプサラ銀河カタログ:Uppsala General Catalogue of Galaxies 略称UGC
スウエーデン、ウプサラ天文台の天文学者P.ニールソンがまとめた銀河のカタログ。
赤緯-2.5度より北の北天部分の視直径が1’より大きいか,14.5等よりも明るいすべての銀河12,939個について,UGC番号(1-12921),位置(1950年),長・短軸の長さ,長軸の向き,ハッブル分類,明るさ,視線速度などを記載してある。北半球しか含んでいないが,一様な精度を保っているカタログ。
800,000光年の大きさというと、100,000光年の大きさの天の川銀河の8倍になる。
含まれる恒星は、1兆個と、これも天の川銀河の10倍ある。
さて、どの様にして、この様な巨大な銀河ができるのか。
いや、別にどんな大きな銀河ができても問題ないではないか、と思うかも知れない。
ところがそうはいかない。
砂鉄を撒いた紙の上に磁石を置いてみるといい。
磁石の近くには砂鉄が集まるが、磁石から遠ざかるにつれて、引き寄せられる砂鉄の量が減る。
つまり、磁石の磁力が遠くになると弱くなるから、砂鉄が引き寄せられなくなる。
同じように、銀河の中心に向かう重力も、中心から離れると弱くなる。つまり、銀河に物質を止めて置けなくなる。
従って、一定の大きさを超えると銀河から、物質=恒星は飛び出してしまうので、銀河が大きくなるといっても限度があることになる。
これは、また銀河の周りを回っている星の回転速度が、銀河の中心から離れるにつれて遅くなるということにもつながる。
紐の先に錘をつけて振り回す時を考えてみればいい。
1mの紐と、2mの紐では、同じスピードで回転させると2mの紐の方が強く引っ張られるだろう。
つまり、2mの紐の先につけた錘の遠心力が強く働く。
逆にいえば、同じ強さで錘を引っ張る時には、ゆっくり回さなければならない。
銀河も同じで、銀河に属する星は、銀河の中心から遠ざかるにつれて、銀河の円盤を回るスピードは遅くなる。
ましてや、重力は重心=銀河の中心から遠ざかるにつれて弱くなるのだから、ますます星の回転スピードは遅くなる。
そうしないと、星は銀河から飛び出してしまう。
・・・・ということになるはずだ。
これについて、ヴェラ・ルービン(Vera Rubin)さんという女性の天文学者が、このUGC2885をはじめ、数百の渦巻銀河の星の回転スピードを調べた。
どうやって調べたかというと、渦巻銀河の両端の星の光を比較した。回転の方向が、我々に向かっている星は、近づいているし、反対方向に向かっている星は遠ざかっている。
こうなると、ドップラー現象が起き、遠ざかる星から出る光は、波長が長くなり、近づく星から出る光の波長は短くなる。
これを比較する方法で調べたのです。
私もそうするだろなと思ったのだが。
そして、驚愕の事実を発見した。
なんと、銀河の外側に属する星の回転スピードが、遅くなってない!(理論値よりも)
早く回転すれば、遠心力がそれだけ強く働く。
つまり、星には銀河から飛び出すような力が働く。
それが、飛び出さないで止まっている。
星を引き留めている力が働いている。
しかし、計測できる銀河の物質が生み出す重力には、これだけの力はない。
これの意味することは・・・
我々の感知できない何かがあって、それが重力を生み出している。
ダークマターがある!
これは、ニュートン物理学にとって、一大衝撃だ。
本来なら、ノーベル賞をもらってもおかしくない発見だ。
だから、女性差別であると言われている。
実際、ヴェラ・ルービン(Vera Rubin)さんの生涯は、女性だからと大学に受け入れられなかったりと、いろいろな女性差別と戦い続けた人生でもあった。
ということで、この銀河はルービンの銀河と呼ばれているのである。
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