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アタカマ砂漠の月の暈(ハロー)


https://apod.nasa.gov/apod/ap160518.html

チリ、アタカマ砂漠のカーネギー・ラス・カンパナス天文台の2つのマゼラン望遠鏡の上に掛かる、月のハロー(暈)。
ファンタジー小説の挿絵のようだ。

アタカマ砂漠は、地球上で最も乾燥し、最も暗いところの一つで、天文学者の楽園と言われているとか。

しかし、この夜は、エルニーニョ現象で空には雲がかかっている。そこで、天文台はこの夜は開店休業であったとか。

この月のハロー(暈:かさ)は、角半径(視半径:地上からの見た目)が22度ある。
この22度の大きさと言うのは、大気中の六角形の氷の結晶に月光が反射屈折してできるので、月の明るさや、月齢によって決まるものではない。


http://www.heidorn.info/keith/weather/elements/sundog.htm

上の図を見て、すぐ原理を分かれと言われても、困ると思う。詳しい原理の説明は、また、機会があればするとして、とにかく月の光が氷の結晶(地表に並行になった)を通った光が22度に屈折するから、ハローは22度の大きさを持つのだと思おう。

さて、この写真、曇り空とはいえ、月の他にいくつかの天体が写っている。

まず、ハロー中、月から1時半方向に光るのが木星。
ハローから左にずっと離れたところにあるのが、カノープス。ハローの右側、画面の右半分の中程にあるのが、アークトゥルスだ。

全天で明るい星のベスト3は、シリウス、カノープ、アークトゥルスだ。

したがって、ここには、ベスト2と3が写っていることになる。

2つの星とも星の一生では晩年にあり、青ループ段階(blue loop phase)、赤色巨星の段階にある。

青いループ
恒星の進化の段階で、青いループは、進化した恒星が低温の恒星から高温の​​恒星に変化し、再び冷却する段階を表す。
この名前は、ヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)の青い (つまり、より熱い) 側に向かってループを形成する 進化経路の形状に由来する。

ヘルツシュプルング・ラッセル図(HR図)
ヘルツシュプルング(E.Hertzsprung)とラッセル(H. N. Russell)が作った、恒星のスペクトル型と光度の分布図。
縦軸を絶対等級(上が明るい)、横軸をスペクトル型(右側が低温)をとる。
こうやって、恒星を並べてみると、恒星の質量による一定の法則があり、恒星の誕生と進化を理解するのに重要なツールになっている。

https://astro-dic.jp/hertzsprung-russell-hr-diagram/


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