アタカマ砂漠の月の暈(ハロー)
チリ、アタカマ砂漠のカーネギー・ラス・カンパナス天文台の2つのマゼラン望遠鏡の上に掛かる、月のハロー(暈)。
ファンタジー小説の挿絵のようだ。
アタカマ砂漠は、地球上で最も乾燥し、最も暗いところの一つで、天文学者の楽園と言われているとか。
しかし、この夜は、エルニーニョ現象で空には雲がかかっている。そこで、天文台はこの夜は開店休業であったとか。
この月のハロー(暈:かさ)は、角半径(視半径:地上からの見た目)が22度ある。
この22度の大きさと言うのは、大気中の六角形の氷の結晶に月光が反射屈折してできるので、月の明るさや、月齢によって決まるものではない。
上の図を見て、すぐ原理を分かれと言われても、困ると思う。詳しい原理の説明は、また、機会があればするとして、とにかく月の光が氷の結晶(地表に並行になった)を通った光が22度に屈折するから、ハローは22度の大きさを持つのだと思おう。
さて、この写真、曇り空とはいえ、月の他にいくつかの天体が写っている。
まず、ハロー中、月から1時半方向に光るのが木星。
ハローから左にずっと離れたところにあるのが、カノープス。ハローの右側、画面の右半分の中程にあるのが、アークトゥルスだ。
全天で明るい星のベスト3は、シリウス、カノープ、アークトゥルスだ。
したがって、ここには、ベスト2と3が写っていることになる。
2つの星とも星の一生では晩年にあり、青ループ段階(blue loop phase)、赤色巨星の段階にある。
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