超新星
風車銀河と名付けられた、おおくま座方向にある渦巻銀河M101の中に発見された超新星SN2023IFX。
M101は、距離2100万光年、大きさが17万光年、1兆個の恒星を持つ巨大な銀河です。この銀河は、ピンク色の部分がたくさんあることから分かるように、伴銀河の潮汐作用を受け、非常に活発な星形成が行われている銀河としても知られている。
超新星SN2023IFXfは、過去5年間で発見された、地球に一番近いところにある超新星です。過去10年でも、2番目に近い。
発見者は、日本人の実業家(株式会社豆の板垣の代表取締役)でアマチュアの天文家 板垣公一氏。
板垣氏は、170個以上の超新星、60個以上の新星、その他彗星の発見者で、個人での超新星の発見は世界2位、国内での発見は半数以上が板垣氏によるもの。なんともすごい。
さて、下は、この超新星が発見される前の風車銀河の写真だ。この銀河には、1兆個の恒星がある。
その一兆個の星の光の中で、これだけ燦然と輝いている。いかに超新星が明るく目立っているかわかると思う。
超新星は、大きく分けて2種類ある。
Ⅰ型とⅡ型。
SN2023IFXfは、Ⅱ型だ。
Ⅱ型というのは、太陽質量の少なくとも8倍から40〜50倍の質量をもつ重い恒星が、超新星爆発を起こすものだ。
Ⅱ型の場合、質量が大きいので、中心核の温度と圧力が大きく、核作られたヘリウムが炭素、ネオン、酸素、珪素、鉄に順次核融合して変わっていく。
しかし、鉄になった段階からは、核融合は進まず中心核に轍がどんどん溜まっていくことになる。
この量が、太陽質量の約1.4倍(チャンドラセカール限界という)になった時、この鉄の中心核は、自分の重力を支えきれなくなり、数秒以内に爆縮という強烈な破壊現象が起きる。
この時星の外核は、高速の23パーセントというとんでもない速度で内部に落ち込み、内核は1000億Kという、これまたとんでもない温度になる。
この時、内核では中性子とニュートリノができる。
この時、10秒間の爆発で約10^46Jのエネルギーが放出される。
そして、内核の圧力が中性子の縮退圧という限界圧力に達すると崩壊が止まり、反動で外向きの爆発が起きる。
これがⅡ型超新星爆発だ。
明るいはずだ。