![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85950251/rectangle_large_type_2_680d6137b9b0107a76e19016d08f8b0b.jpeg?width=1200)
火星の「シッカーポイント」
![](https://assets.st-note.com/img/1662044975431-31yoccw6lx.jpg?width=1200)
この写真を見てどう思うだろうか。
どこかの、荒れた砂漠か高山であろうと思うのではないか。
私は、なぜかしら、荒野や砂漠に惹かれる。
その上、ここが火星であると知って、しばらく見入ってしまった。
今現在、自分が生きている、まさにこの時、この風景が別の惑星上に存在しているということに、感動するのだが、これは私だけだろうか。
さて、これは、火星のゲールクレータのシッカーポイントと名付けられたところです。火星探査ローバー、キュリオシティによって撮影されたました。
エドガー・ライス・バローズのSF火星のプリンセスの映画「ジョン・カータ」のシーンに出てくるような風景だ。
この地形、赤い土の上に黒っぽい土が乗っている。
言われなくても、見りゃわかる。
まあ、そうでしょう。
しかし、これが、この場所を火星の「シッカーポイント」と名付けられた所以なのです。
・・・・?
説明しましょう。(なんて、言っているけど、実は今回この記事を書くまで、私も知らなかった。)
火星のというくらいだから、地球のシッカーポイントにもある。というか本家はもちろん地球。
スコットランドのベクリッシャー郡にある岩の多い岬です。
下の写真は、この岬を西側から撮った写真です。
(スコットランドというところは、木も生えんのかと、私は思った。)
でも、まあ、こういうスッキリした風景も嫌いではないけど。
![](https://assets.st-note.com/img/1662287108325-FOFLVgkTmJ.jpg?width=1200)
さて、次の写真は、ここの南の岬。
何か気づかないだろうか。
地層の様子に注意してもらいた。
![](https://assets.st-note.com/img/1662285174099-wMCPLR3a1B.jpg?width=1200)
下のスケッチは、シッカーポイントを発見した、ジェームス・ハットンのスケッチ。
![](https://assets.st-note.com/img/1662285215256-Vg457Ic7qc.jpg?width=1200)
そうなのです。
垂直な地層の上に水平な地層が乗っている地形なのです。
つまり、垂直な地層ができた時と、水平な地層ができた時は連続していない(ハットンの不整合性という。)。
ということがわかる。
そんなの見たらわかる、常識じゃない。と思うかもしれない。
まあ、もう少しお付き合いを。
ということは、垂直な地層ができた時と、水平な地層ができた時は同じ時期ではないということではないか。
(大抵は、垂直な地層ができ、それが一旦水中に沈み、その上に土砂等が水平に溜まり、それが隆起した。)
それも当たり前だと思うかもしれない。
![](https://assets.st-note.com/img/1662348572883-eN4HM7Yueh.jpg?width=1200)
しかし、このエベレストを見て、これがインド大陸とユーラシア大陸が、5000万年前ぶつかり、それで毎年少しづつ(数mm)、隆起した結果できたものだと、すぐ納得できるだろうか。
納得しづらい。
だから、以前はこのようなものは、いっぺんにできたと考えられていたのだ。つまり、今現在見える世界は、ある時、突然の大変化によってできたものだと考えられていたのだ。
これを天変地異説という。
これに対して、侵食などのゆっくりとした漸進的変化が地球のすべての地質学的特徴をもたらしたと考える(我々が今考えている、というかそう教わった)考えを斉一説(Uniformitarian原則)という。
これは、現代の科学観測で動作と同じ自然の法則やプロセスが常に過去に宇宙で動作し、どこでも適用されているという考えでもある。
スコットランドで作用するなら、地球全体で、そして、この宇宙のどこでも、同じ自然の法則が通用するという考えだ。
この決定的証拠だとされたのが、シッカーポイントの地層なのだ。(1778年のことだ。わずか250年程前だ)
さて、シッカーポイントの風景をもう一度見てみよう。
火星のシッカーポイントに確かに似ている。
![](https://assets.st-note.com/img/1662284910555-Pm3EARQRos.jpg?width=1200)
ということは、・・・
地球のシッカーポイントと同じような自然現象でこの地形は作られた可能性が高いということだ。
つまり、ここ、火星のシッカーポイントは、昔、川床ないし海底だった!
つまり、火星に大量の水があった。
ということに、なるではないか。
そして、水があれば生命も存在した可能性が高いということになる。
火星で生命が、発見されれば、こりゃ一大事。
この宇宙は、生命で溢れかえっている可能性が出てくる。
我々は一人ではない。そして、同時に唯一でもないということになる。
おおごとでしょう。
だから、ここは、火星のシッカーポイントなのだ。
もっとも、斉一説は、科学的立証されたものではない。
宇宙を支配する法則は、地球を支配する法則と同じであるとは、立証されていない。
だから、違う銀河の違う惑星では、違う物理法則が成立しているかもしれない。だから、そこでは、我々が魔法と呼ぶようなものが普通にあるかもしれない。
しかし、その可能性を否定できないが、かなり難しい。
なぜなら、我々の知っている物理法則と全く違う法則で、全自然体系が矛盾なく作動する法則を考え出さなければならなくなるからだ。
いいなと思ったら応援しよう!
![yasu](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50287593/profile_76b49a71e88988205f6027010572ae3a.png?width=600&crop=1:1,smart)