「経営判断に必要な『人の動きと会計を結ぶ』コラム」 #003 売上に対して家賃が高いと指摘されました
事務所の家賃は悩ましいところでもあります。
でも単純に売上対比で考えて良いものか、というとそれも疑問があります。
下町から山手線の沿線のオフィス街に事務所を移転したところ、社員の士気が上がり採用もしやすくなった、というIT会社の社長から話を聞いたことがあります。
今回の質問をいただいた社長の会社も来客の多い会社であり、先方にどう会社が映るか、というのは大きな問題でした。
家賃や人件費などの固定費は低いほうが良いとされており、確かにここが高いと稼いだ粗利が削られ、儲けにつながらないことが多いので、財務上は低いほうが良いのです。
ただ、私は固定費というのは、経営の「意思」の表れでもあると思っています。
なので、こういう会社にしたい、という経営者の意図が人やオフィスに表れてそれがコストと見られるわけです。
しかし、これを経営者が作りたい会社のための投資とみなせばよいということです。
そしてもっと大切なのは、その投資に見合ったリターンがどこでどのような形で出ているかをしっかり検証できる社内体制があるかどうか、ということです。
投資したお金が本当の意味で「投資」になるのか、コストになるのか、投機になるのかは経営者の意識次第です。
それにはリターンの検証ができないと、ということです。