占いにすがるまでの32歳

あれは忘れもしない…と、言いたいところだけど、何年前だか遡らないと思い出せない、
えっと…2016年の6月…。悪夢は始まった。
いや、きっとその前から始まっていた。

3年近く付き合いつつ喧嘩をすれば激しめの戦いをしていた彼氏となんと結婚した。
当時32歳。浅はかな脳みそのわたしはプロポーズをされて浮かれていたのです。
それはそれは浮かれていたのです。

激しめに首を寝違え、東へ向かう列車の車内で唐突に渡された小さな袋。
首に小さな枕を装着していたわたしは
「これは?なに?マカロン?」なんて呑気に
袋を覗くと小さな箱。
(なんて高級なお菓子…!🥹)と、箱を開けるとまさかのベルベット調の布に包まれたパカッと開けるタイプの箱がまた入っている。
そう、未婚アラサーにはそれはそれは夢にまで見た婚約指輪だったのです!

そのベルベット調の布に包まれた箱をお決まりの擬音でパカっと開けるとまさかのハート型のダイヤが付いた指輪が!!!!!!!
えっ?ハート?なんて思いつつ、「この指?この指のやつ??!」なんて左手薬指を指差し、「うん」のお言葉をいただく。
今でも言葉に出来ないあの気持ちやあの出来事はわたしの人生では悔しいながら割と宝物寄りの出来事だ。
「一緒に頑張っていこう」と言われた言葉より柄にもないそのハートの指輪がその時は嬉しくて嬉しくてすぐに装着する。

そんな出来事を経て結婚の流れになるのですが
例の如く揉めた。
今となれば早く気づけよ、と思うものの
当時は結婚すれば良くなる!結婚すれば!結婚さえすれば!結婚!結婚!結婚!と脳内結婚でいっぱいの新妻の爆誕です。

突如として爆誕したその新妻は
自分が選んだ男の様々を分かっているのに
今まで激しめの戦いをしていた相手のそれに素敵なピンクのベールをかけて無かった事にし、「大丈夫、好きやし」等の意味不明なマインドコントロールと、愚痴を聞き入れてもらえた親友達のおかげでとりあえず数ヶ月を過ごす。

話せばキリが無いほど、お互いを罵倒し合い
結婚式当日さえ2度と忘れられない人生の中でも5本の指に入る程のバッドイベントと成り果てたわたしの結婚生活。7ヶ月で終幕。
何が一緒に頑張っていこう!だ!ばーか。
(祝ってくれた友人の皆様、本当に申し訳なかったです…)

ただ、そこから悪夢が始まる。
会いたい、やり直したいの言葉を放つ元旦那に離婚を経験して突如として爆誕した元嫁はあろう事かほだされ、優越感に浸ったのである。
そしてズルズルっと関係が始まる。

2016年6月某日。元旦那にその某日にこれからの話をしたい、コメちゃん(亡き愛犬)にも会いたい!やり直したい!と懇願され、「情はあるし、この経験を経て私たちはまた頑張れるかもしれない」等の脳内が新妻爆誕時代にシフトされその3日後、その某日を迎えた…が、一向に元旦那からの連絡がない。
おかしいな、いつもなら朝すぐに連絡がくるはずなのに昼過ぎても連絡がこない。

痺れを切らして元旦那に電話をかける。
プルルルル「もしもし」
あ、もしもし?ちょっと今日何時?もう昼やけど。
「その事やけど話さんなん事ある。俺、好きな人できたわ。」

はい。ここで脳内新妻爆誕時代にシフトしていたわたしは天変地異が起きたの如く、
はぁ?????????!!!!!!!!!
です。

よくよく聞くとつい2日程前に飲みに出た先でわたしの友人に会い、酒に酔い、そのまま2人は消え、あろう事か、そのまま愛を育んでいるのだという。
それもたったの2、3日の出来事でありますよ?
わたしにやり直したいと言いつつ、友人に手を出した元旦那とそれを受け入れる友人に、今まで感じたことの無い怒りなのか呆れなのか、言葉に出来ない凄まじい気持ちと同時に自分では発した事も無い様な低く大きな声が出た事は覚えています。

ただ、今となって思えばきっと元旦那は
「わたし」という呪縛から逃れたかったのであろう。それを友人が引き上げただけの事。
でもどうしてもどうしても許せなかったのだ。
何がなんでも許せなかった。
もう一度やり直すはずだった元旦那の不幸を願う日々にシフトチェンジしていく日常。それは日々熱心に執着しておりました。怖いですねぇ。
その日々も、もう綺麗さっぱり成仏しているのであしからず。

さて、ここから占いという沼にはまります。
(遅くなりました)

泣いて恨み言ばかり吐く日常に嫌気がさした頃
ものすごく当たる占いがある!幽霊や生霊が視える人だ!一緒に行こう!と友人。

何にでもすがりたい、この喪失感に恨みがトッピングされたこの漆黒の思いを拭い去りたい!!!その一心で占いへ行く。

「絶対生霊とか憑いてるんだ、だからこんなにしんどくてたまらないんだ…!」なんてまぁ、とにかく何でも自分以外のせいにしたい、もうそこに無いものに責任を押し付けるもはやただの責任転嫁する化け物でした。

その当たる占いへ向かい、言われたのは
「何にも憑いとらん。しっかりしなさい!」と、喝を入れられただけの事。
もちろん、「財布の中に〇〇が入っとるやろ!それが悪さしとる!」なんて言われて本当や!ゾワっ!みたいな事もありましたが、結局はそうゆう事なんですよ。
わたしがしっかりしてなかっただけの事。

なのに、それでも浄化されない…!と
何度も占いへ足へ運ぶこととなるのです。


つづく

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