小さな選択でも大きな役割を果たすと思う
3歳の長女とお箸を新調しにデパートへ行った。
今までは淡いピンク色にシルバーのハートマーク、裏にはゴールドの名前を入れてもらった若狭塗の滑らないお箸で、娘もそれを気に入っていた。
大人が使うお箸に興味を持ち始めた頃、デパートで行われていた実演販売で私が惚れ込み、まだ生後2ヶ月だった次女の分まで名前を入れてもらって購入したのだった。
こんにゃくも掴めるそのお箸を購入したところで、色々な話を聞いた。
「毎日口に入れるものだからちょっとくらい拘った方がいい。食べ物には拘っても毎日使う箸にこだわらない人も多い。」
「割り箸の方が滑らないからってうどんの時は割り箸を使うこともありますよね。」
おっしゃる通り、とその言葉で購入に至った。
100均でもお箸が買える時代ではあるが、滑ってストレスになったり、嫌になることを考えたら毎日口に入れるお箸に1500円(たしか…)は特に高いと感じなかったのだった。
このお箸のおかげで娘もすぐに使えるようになった。
そんな思い入れの強いお箸だったが、、、
ピクニックに持って行ってから見当たらない。
確かにしまった記憶はあるけど、どこを探しても見当たらない。
そこでお箸を新調することになったのだった。
使い始めて1年ちょっと、流石に短くなっていたので良い機会だった。
実演販売はやっていなかったので同じ物はなく、名前を入れてもらうサービスもなかったが子ども用のお箸は色々と種類があった。
お店の人にサイズを測ってもらい、同じピンク色に月とうさぎの絵や、ピンクの水玉、黄色やオレンジ、うさぎやパンダの絵等、可愛らしいお箸を沢山娘の前に並べてくれた。
「どれにする?」「うーん。」
「これはどう?」「…(首をふる)」
「ママ決めていい?」「自分で選ぶ」
と最初の嬉しそうなテンションから一転、ピンと来るものが無いといった感じでしばらく決めかねていた。
長くなりそうで申し訳なかったので「すみません、時間がかかりそうなので少し見せてください」と声をかけ、お店の人もどうぞと選ばせてくれた。
お店の人が離れしばらくするとぼそっと
「あの飛行機のやつがいい…」
と並べられたお箸の奥にあるお箸を指差して教えてくれた。
それは淡い水色に白と青の飛行機の絵が描かれているものだった。
娘のサイズを探し「これ?」と手渡すとスッキリした顔で
「これにするー!」
と笑顔になっていた。
それまでの納得のいかない感じの原因と結び付いてこちらもスッキリした。
なんとも娘らしい選択だ。(私はそのお箸があることに気付いていなかった)
奥に見える飛行機のお箸がいいなと思うけれど
並べられた物から選らばなければいけない気がして、
どうしてこれは並べられなかったのかなと気になって
お店の人にちょっと悪いかな?とか
言いたくても中々言えない気持ち
私もなんとなくわかるなぁ。
年を重ねるにつれて「あれ見てもいいですか?」と躊躇わず言えるようになったが、小さい頃は私も同じ感じだったことを思い出した。
毎日使う物だからこそ、本当に気に入った物を使ってほしい。
目の前の物から無理矢理選んでいたらきっと小さなモヤモヤが残っていたのではないだろうか。
とっても小さな出来事だけど、
言った方が良いという経験を積めたこと
自分できちんと選べたこと
ちゃんと教えてくれてよかったと、昔の自分を重ねながら思うのだった。
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