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0602~こぼれ落ちた記憶の欠片の隙間にある、あの日のこと~

大好きな人は、画面で毎日見てきた姿とは、毎日耳で聞いてきた声とはまた違った。

画面の中であまりにもキラキラだと思っていたその姿は、私が彼らに与えてきた多くの修飾語を背負わせるには、あまりにも私たちと変わらなさすぎて、そして同時にその修飾語はあまりにも小さすぎた。

いつも、どんなにありふれた「かわいい」になっても、いつも口にしている「かっこいい」だとしても、これでもかというくらいユンギさんにぶつけているんだけど。

「自分は、ユンギさんをこの目で見た時にどんなことばが浮かぶんだろう。」

すっごく気になっていたのに。私が唯一覚えていたのは、ステージからはけていくユンギさんの背中に「ユンギさん、ありがとう」と送れたことだけだった。序盤、「うれしいです」と2回繰り返したユンギさんに「かわいい」と小さく呟いたりもしてたのかな…
1番初め、ステージに横たわるユンギさんを見た時から、ただただ本当に圧倒されてしまって、ことばを忘れてしまったみたいだった。だから頭に残ってることばもなくて、確かに自分はあの場所にいたと思うんだけど、それに確信が持てるような具体的なことばが出てこないなんて、あまりにもどかしくて、今必死に搾り出そうとしているのがちょっと滑稽。

ユンギさんの背中はごつくて、頼もしくて、広かった。会場にいる人のことみんな、ないしは会場に来れなかった人のことだって、みんなを包んで背負ってくれる、そんな背中だった。

そして、ユンギさんの姿からただただ感じたのは、とてつもない努力だった。本当に終始、一瞬一瞬にそれを感じた。「努力」が滲み出るってこういうことだ、どれほどの努力を積めばこの有無を言わせない圧倒的な空気が生まれるのかと、本当に本当にことばが詰まるくらいただただ驚いた。

と同時に、ユンギさんはとてつもなく優しかった。自分にすごく厳しくて、「僕は努力するふりをする」と口にするほど自分へのハードルが高くて。Agust Dとしての曲には悲しみや怒りを吐き出すものが多くて、私はどこかそれが辛くて、そんな人を自分が好きなことに時々苦しくなるくらいで。自分の嫌いなところの方が多い私のことをユンギさんはどう見るんだろうって怖いところもあって。だけどユンギさんは、本当に優しかった。
ユンギさんのことばで、「理解しようとしないでください。ただ受け入れてください」ということばがとても好きだけど、ユンギさん自身はまさにそれだった。そこにいる人みんな、誰一人取り残さず受け止めようとしてくれていた。

そして、ユンギさん自身はとても素直で正直で、感じたことや思ったことは、すぐにその場で自分で整理してことばにできることも知った。
後々実感してくることだけど、ユンギさんは本当に一人一人を見ようとしてる。小さな声も決して素通りしようとせず、受け止めようとしてくれている。ユンギさんがことばにしてくれるものは"本当"なんだとすごく実感した時間だった。

私の頭の中に残ってるのはこんなことばだった。1秒1秒がすぎるごとに、ものすごい数の記憶がこぼれ落ちていくのは自分でも感じていて、すごく悔しかった。

でも、覚えてる。覚えてるのもちゃんとある。Heagumのがなるような歌い方、Moonlightの力のこもったイントロ、自分の声とユンギさんの歌声が重なったlife goes on。全部をぶつけようとしてくれてた。


2月15日に発表されたソロツアー。
あの時から、たくさんドキドキしたし、羨んだし、焦ったし、ユンギさんを好きじゃなかったらこんなに辛くないのかもしれないと思ったことだってあった。
だけど、全部全部めちゃくちゃ幸せだったし、数分でたどり着けそうな”あそこ”にいたユンギさんに会えるまで、私はずっとずっと本当に何もかもが幸せで、迎えた”その時”も悲しくなんてならなくて、失うものなんて何もなくて。"幸せ"はこれだって思って。それでも帰りの飛行機に乗る時はちょっぴり寂しくて。やっと涙が溢れて。
終わってから、気持ちの整理をする間もないくらいだったのに、日を重ねれば重ねるほど、幸せな記憶しかなくて。
それはきっと、ユンギさんが、どんどん、見たこともないような輝くような笑顔をたくさん見せてくれるからで。

今までずっと、どこか、手の届かないところにあったユンギさんの音楽。
それはそれで幸せだったし、楽しかった。
だけど、ユンギさんの音楽に触れようと手を伸ばせたことだけでもめちゃくちゃに嬉しかったし、この耳で聞いて、目で見ないと分からないことはたくさんあった。
1人の人を"分かる"ことってめちゃくちゃ難しいことなんだと思ったし、めちゃくちゃ幸せなことだと思った。

はじめ情報が公開された時は、とんでもないスケジュールだと思った。
だけど、そんなの微塵も感じさせない圧巻のパフォーマンスだった。
唯一無二で、ユンギさんにしかできない音楽がそこにあった。
ありがとう。
絶対幸せでいて欲しい。

あのアミボムが光った瞬間が忘れられない。
あの日、ユンギさんの目に映る光の一部になれてたんだなぁって時々思い返す。
この瞬間に救われた人が、今までも、今も、これからもたくさんいるんだろうなって思った。


次ユンギさんに会える時に、「私ちょっとは頑張ったよね?」って自分に自信を持ってユンギさんにぶつかれるように頑張るね。

いつだって、私のどん底から見えるのはユンギさん、そしてバンタンの光だし、何も言わなくても、笑ってくれてるだけで、私も元気になれる。
そんな存在、きっと多くはないよね。ほんと、ありがとう。

この幸せ、ずっと、絶対に忘れないね。

どんなことばにしても、どこか伝わらない思いがあるように思う。

とてもとても、心の底から、ずっとずっと、願い続けてるよ。

またきっと、いつか、会えるよね。

"また会える日"を私は"絶対忘れない"ね。

最後に。
アミボムが光った瞬間に、「綺麗ですね」と話しかけてくださったお隣の方へ。
「いります?」と渡してくださったソンムル、私にとって初めてのソンムル。とてもとても嬉しくて、大事で、今も携帯の後ろに挟んでいます。もうお顔もあまりはっきり思い出せないけれど、くださったステッカーを見る度に、優しく話しかけてくださったあの声を、ライブ中に何とも言えない込み上げた想いを大切にされている感じを、今も鮮明に思い出します。ずっとお礼が言いたかったです。この場を借りて。届けば良いな、なんてちょっとわがまま思っています。

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