忘れてはいけない景色があること
D-DAY TOUR、本当の最後の日。
絶対にすごい何かが起こると確信していたこの日を、とてもとても楽しみに待っていた。
忘れてはいけない景色があること。
忘れてはいけない眼差しがあること。
忘れてはいけないことばがあること。
「スマホではなくて、目で焼き付けてください」
と言ったユンギさん。
あのライブには、スマホには残せない何かが確実にあったし、ユンギさんを追いかけた全ての人それぞれじゃなければ残せないものしかなかった。
全部全部、宝物だった。
ツアーが発表された時の時が止まった感覚も、行きたいのに行けない事実を突きつけられた気持ちも、ユンギさんの音楽を浴びたことも、ユンギさんを好きな気持ちが余計分からなくなって辛くなった気持ちも。
未だに、ユンギさんを自分はなぜ好きなのか、分からない。
だけど、知ってる。
音楽は誰かを抱きしめることができること。
ユンギさんは、アミは、それをひたすらに教えてくれたと思う。
ツアーの発表があってから、20回もリハーサルを重ねて、28公演をやり切ったユンギさんは、本当にただただすごい。
公演ごとに更新される、ユンギさんの笑顔が好きだったし、
ファンのことばが好きだったし、
ユンギさんが歌う姿が、音楽する姿が何よりも大切だった。
弱い私の日々の励みだったし、すぐにやめてしまいたいと思うのが癖な自分がまだ頑張れると踏ん張れる理由だった。
あまり多くを語らないユンギさんが、じっと何かを考えるユンギさんが、
私たちに色んなことを教えてくれるのが音楽で、
このツアーを通して、ユンギさんの音楽ととても距離が近くなって、
そして、大好きになった。
メロディーがあまりにも綺麗で、歌詞があまりにも切ないLife Goes On、
「全部大丈夫だから」と、自分と同じ道を歩む後輩に向けて書いた歌詞Snooze 。
「みなさんの声が必要です」
と今回のツアーで何度も求めたARMYの声。
ARMYの声を聴けば聴くほど、嬉しそうに笑う君の笑顔が好きだった。
「全部大丈夫だから」という歌詞は、自分に言い聞かせるように歌っていたの?
あまりにも、その背中に背負うものが大きすぎて、
ひとりで抱えてしまうものが重すぎて、
私は何度も何度も君のことを祈ってた。
ユンギさんが思っているより、
たくさんの人が救われているし、
たくさんの人が解放されたし、
そして、「自分の幸せを見つけよう」と、
この生きにくい世界で前よりも自然に笑えるようになった人がたくさんいると思う。
ユンギさん含め7人に幸せの理由を押し付けてしまうのはあまりにも身勝手なのかもしれないけど、7人分の幸せの捉え方を教えてくれるバンタンは大事で、かけがえがないものだ。
永遠なんてない。
幸せはずっと続くものじゃないことを知っているし、
この世の中に、”絶対”がないのは、あまりにも卑怯だと思うこともある。
でも、ユンギさんを信じた私の今は、何にもとって変えられないし、
ずっと心の中にあってほしくて、今ことばにしているし、
”幸せ”はこれだとまっすぐに思える自分が、この先も変わらなければ良いのにと願う。
誰にも左右されない、そんな幸せであってほしい。
一粒の涙も、強く見えた背中も、そんな人が目をこすりながら涙したことも、「ごめんなさい」と何度も口にしたことも、私は全て少し辛くて、だけど、君が涙を見せられる場所がここだったことにすごく安心した。
「泣いても良いよ。ひとりで泣かなければ」
と言う君は、あまりにも優しくて、あまりにも人を受け入れて包んでしまうから、
君に全部縋りたくなってた。
だけど、君にももっと君の奥底の想いを吐ける場所があって良いし、
だれも、君を否定しないし、
それで君が安心できるなら、布団に入っても安心して眠れるなら。
それをただ願うばかりだよ。
きっと、君が感じてきた想いは誰にも拭えないし、
君の届かないところまで侵食して君を離さないけれど、
そこに刻まれた”7”とともに、苦しみも愛も、一緒になって進んでいくんだろうし、
きっと、綺麗だけじゃない君の幸せこそ、本当の幸せになるんだろう。
過去に囚われて、地を這っても外に出ることができなかった君の苦しみは、
今、君のとてつもない努力と、踏み出したたくさんの一歩が積み重なって、
扉を開ける鍵になった。
それを見届けた世界中のファンに手を振りながら、
なんともすっきりした笑顔でその中へ入っていったユンギさんを待っていたのは、
どんな景色?
またいつか見せてね。
君の恐怖と苦しみは、それを曝け出せずに苦しんでいる誰かの力になるんだと思う。
そして、君がいつも君らしく走ってくれる世界があることが、
誰かの何気ない瞬間の大切なお守りだったりする。
「いつも皆さんのことを応援しています」
「Never Mind.」
と、優しく微笑んだ君が好きだ。
きっと、君じゃなきゃダメなことがたくさんあった。
私が気づいていないだけで、君じゃなきゃ引き出せない私がいたし、
出会えなかった私がいた。
君を送り出さないといけない時が来るのは、正直まだ少し怖い。
でも、大丈夫だよ。
未来はとっくに見えてる。
何もかもうまくいくんだ。
君がくれた全部がそう言ってる。
だから、少しくらい君もふっと息をついていいよ。
君にそういう場所があってほしい。
きっと私は、理由もなく君がずっと好きだと思う。