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2.5次元ミュージカルはビジネスチャンスなのか

ゆんでございます。
この度授業で今私が楽しくなっている2.5次元ミュージカルに関する発表をしましたので記録を残します。
ちなみに2.5次元を知るきっかけになったのはサムネにある「MANKAI STAGE 『A3!』」です。ゲームのA3!の舞台化です。
摂津万里を推すことになって4か月経ち、摂津万里経由で水江建太君まで推すことになりそうです。
ここ最近の私のA3!のハマりようを知ってる人はわかるかもですけど、そういうことです。
これ今Huluで春夏、秋冬、春単独、夏単独、秋単独まで見られるので契約してる方はぜひ一度見てみてください。

本日の考察議題はこちらドーーーン!!!
・2.5次元ミュージカルはビジネスチャンスなのか?
そしてそれに伴って一緒に考えることが2点あって
・2.5次元ミュージカル市場拡大の背景とは?
・2.5ミュージカルはどうやって売り上げを伸ばすのか?
合計3点を考えていきます。

テーマの設定理由は最初に話した通りです。今私の中でホットな話題なんですこれが。

1) 2.5次元ミュージカルとは?
今回は、一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会の定義を踏襲して説明を進めます。
 2次元の漫画、アニメ、ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称です。早くからこのジャンルに注目し、育ててくれたファンの間で使われる言葉です。音楽・歌を伴わない作品であっても、2.5次元ミュージカルとして扱います。

 正直な話、今は「2.5次元舞台」って結構コンテンツの名前として浸透してますよね?新規の方でも2.5舞台って言ってる気がします。私もそうですし。
 それだけポップカルチャーとして大きな発展を遂げてきたってことですよね。

2) 2.5次元ミュージカル市場拡大の背景とは

2.5 公演回数.タイトル数

2.5 市場規模.

2001年に一時的にブームを迎えた2.5次元ミュージカルは、公演回数は500回近く、市場規模も40億円を超えます。
 しかしそれはあくまで一時的であり、2002年以降はまた全体の数値が2000年を下回ります。
 2003年に、初演から15年以上経った今も根強い人気を誇り、キャストの引継ぎを行いながら現在も公演を続けている「ミュージカル テニスの王子様」(以下テニミュ)が初演を迎えます。新人時代にこの舞台に出演し、現在は舞台やドラマ、映画で活躍する俳優も多く輩出されています。

2.5 テニミュ

2012年を皮切りに突然2.5次元ミュージカルが市場規模を急拡大します。2011年にテニミュの2ndシーズンが始まり、2012年は、原作が多くのファンを抱えていた漫画「弱虫ペダル」シリーズや、女性ファンが多くいた人気乙女ゲーム「薄桜鬼」シリーズが初演を迎え、テニミュの関東立海公演が公演開始となるのです。

2.5 2012タイトル

2018年には、調査以来初めて市場規模が200億円を超えます。2018年は、テニミュ、女性をメインユーザーに配信されているゲーム刀剣乱舞、週刊少年ジャンプで連載され人気を博したハイキュー!!等の人気タイトルが舞台化されています。

2.5 2018タイトル

3) 2.5次元ミュージカルはビジネスチャンスなのか

・テニミュ初演当時は勝算があったわけではない
テニミュ初演当時の2003年には、2.5次元ミュージカルの一時的ブームが落ち着いた後であり、公演が大きな収益を上げて成功するとは断言できない状況だったと思います。
 そかしそれは逆に言うと、競合相手が少なく市場は比較的ブルーオーシャンに近い状態、新しい取り組みを行うには最適の環境です。テニミュは「演劇×映像」っていう新しい表現でスポーツを描き、迫力や臨場感を出しながらその高いクオリティで原作ファンのみならず舞台ファンの創出に成功したのではないでしょうか。

・舞台演劇の印象が変化→観客の客層が変化

2.5 客層

2.5次元ミュージカル登場以前の舞台は、宝塚や東宝ミュージカル、歌舞伎、劇団四季など「高尚で敷居が高い大人の趣味」という印象が強かったように思います。しかし、2.5次元系の作品が増えたことで、見に行く敷居が下がり、原作ファンである比較的若い層の観客が観劇するようになったと考えられます。
 これまでの多くの舞台が比較的高い年齢層をターゲットとした公演だったのに対し、2.5次元ミュージカルは比較的若い層をターゲットに公演を行ったことで、既存の舞台との差別化を実現し、市場を大きく拡大させました。

・原作ファン×舞台俳優ファン=大きな市場
 2.5次元ミュージカルは漫画やゲームなどの原作があり、原作には既に一定数のファンがいます。原作のファンで舞台を見に行く観客がいるため、舞台演劇市場へのファンの流入が期待できると思います。
 また、2.5次元ミュージカルに出演する舞台俳優のほとんどは2.5次元専門ではなく、一般的な舞台にも出演していますね。さらに、モデル活動や歌手活動など舞台以外の分野で活動をする俳優も多いです。多くの経験を通して多くのファンを獲得している舞台俳優が2.5次元ミュージカルに出演することで、原作を知らない舞台俳優のファンが観劇する場合も多くあると考えられます。

これらのことから、参入当時の勝算があったわけではないが、競合相手が少なく他の舞台との差別化に成功していた2.5次元ミュージカルは今後も多くのファンをつくり、大きな市場になると考えることができたわけです。

4) 2.5次元ミュージカルに関する費用と収益
 授業ではアニメライブ事業のビジネス構造に関する論文から引用してモデル収益概算とモデル制作費概算を使って収益と費用に関する話をしたんですけど、私程度だとかなり隙だらけのガバガバな考察になっちゃったのでここは割愛しようかな…と思いますお許しくださいませ…ぴえん。
 大きく概要だけ言うと、500席弱の会場で12公演行った時の8割の客の入りの場合、収益(チケット代)は約2900万円、費用は約2600万円、興行粗利が約300万円っていう感じです。

5) 2.5次元ミュージカルの売り上げの伸ばし方
 まず 4)でチケット代だけでは興行粗利は約300万円と言いましたね。なんか少なく感じません?そう、少ないんですよ、多分(?)
 ではどうやって200億円規模の市場になるほど売り上げを伸ばせたのか?
 私が考えたのは4つです。

・シリーズ化
 私は個人的に、刀剣乱舞がこのシリーズ化に長けていたというかうまかったというかオタク心をよくわかっていたというか…そんな風に感じています。
 なぜかというと、この刀剣乱舞シリーズ、公演ごとに主人公となるキャラクターが違うみたいなんです。(刀剣乱舞はあまりよくわかってないまま話してるごめん)

2.5 刀剣乱舞シリーズ

 大阪夏の陣、大阪冬の陣、東京心覚、あとにっかり青江単騎出陣とかとにかくシリーズが多くて(そもそも刀剣乱舞っていう名前なだけで製作委員会が同じかどうかとかもわからない)、出演陣が違っても「刀剣乱舞」としてはそのシリーズ全体のファンが舞台刀剣乱舞ファンとして見られるわけじゃないですか…。私、「刀剣乱舞って一生舞台やってないか?」って思ってたけどこういうことなんですね?この細かいシリーズ化が結局のところ追加公演とかロングランにつながるのでは…と思っています。(何も知らないガバガバ考察で言いたいこと言ってるだけなので違っても見逃してね…。)

・ライブビューイング 
 次にライブビューイングです。一般的な映画が1500円なのに対してライビュは3000円はしますよね。同じ劇場なのにそれだけ高いのは、おそらく1日(数日)しか借りなくて割高になるということもあるのでしょうがそれだけではないと思います(結局はライブチケットなので高めの値段設定になってて利益が多いのではないでしょうか)。それに、劇場だけでやるよりは映画館などでライビュもする方が多少収益は出るし、ライブ参加者が増えるといっていいのでグッズも売れますしね。

・グッズ販売
 2.5次元ミュージカルは、観客の属性として「オタク」属性が強く出るきがしていて、収益にもその属性が大きく関わると考えられます。
 一般的に、2次元のキャラクターのファンや3次元のアイドルのファンは、イベントなどでグッズを買う際に自分の「推し」のグッズを集める傾向にありませんか?その傾向を理解したマーケティング手法として、あえてグッズのラインナップを増やし、それをブラインドで販売するというものがあると思います。

2.5 グッズ価格表

 この表の販売金額はMANKAI STAGE 『A3!』のものです。原価は個人でグッズなどをつくる際に依頼する業者のHPのものです。大体の商品の原価が販売金額の1~3割です。つまり残りは利益になります。
 その中でも、表の下3つ、「ランダム」のグッズが先程話したブラインド商品です。銀の包装に入っていて見た目だけでは中のグッズがどのキャラクターのものか分かりません。ファンの方の多くはできるだけ推しの商品を自引きしたいですから確率を高めるために多めに買いません?私は買います推しのグッズ欲しさにグッズ買うので!マーケターの手のひらで転がされてるのはわかってるんですけど経済回して貢献してるので後悔はしてません。(?)

・コラボカフェ

2.5 コラボカフェ

 めっちゃいい商売やな!と思ったのはコラボカフェですね。
もちろん会場となるカフェの賃貸料(?)や働くスタッフの人件費など費用も多いんだと思いますが、一般的なカフェと比べても圧倒的にいい値段なんですよね。しかもランダムでコースターつくとか言われたら推しのコースターのために頑張りませんか?私なら奢ると言って頭数増やしてでも行きます。

以上の4つが私の考える2.5次元舞台の利益の伸ばし方です。
実際には、円盤の販売とはもあるんでしょうけどちょっと数字としての見通しができなかったので授業では取り扱いませんでした。

余談:ランダム商品のメリット
私は授業内でこれについてちょっと言及したのでお伝えしておきます。
①大量購入を期待できる
 1回の購入で必ず推しを自引きできるとは限らないのがランダム商品の良いのか悪いのかわからないところですよね。同じ銀袋の包装で中身を分ける必要がないのは運営にとってはメリットであり、ファンとしては推しを当てたい一心で確率アップのため多めに買います。なので中身がわかっているものより大量購入を期待できるのです。
②在庫を抱えるリスクの軽減
 内容がわかる商品は、人気の商品は完売する一方で、残念ながら在庫が残ってしまう商品があるのも現実。また、販売数の予測に失敗すると人気商品が少なすぎてファンの不満が爆発したり大量の在庫を抱えることになりかねません。でもランダムなら、同じ外包に同じ形態の商品が入っていればよいので、数の予測が難しい商品でも1つの商品として販売できるので在庫を抱えるリスクが減ります。

6) 考察結果
①2.5次元ミュージカルはビジネスチャンスなのか

・ブルーオーシャン市場 
 公演が大きな収益を上げて成功すると言い切ることはできない状態であったが、それを逆手に取ると、競合相手が少なく新しい取り組みを取り入れるには最適な環境であった。

・ターゲットとなる観客の差別化 
 これまでの多くの舞台が比較的高い年齢層をターゲットとした公演だったのに対し、2.5次元ミュージカルは比較的若い総をターゲットに公演を行ったことで、既存の舞台との差別化を実現し、市場を大きく拡大させた。

・2つの分野のファンからの支持 
 2.5次元舞台は漫画やゲームなどの原作があり、原作には既に一定数のファンが存在し、観劇する原作ファンの舞台演劇市場への流入が期待できた。また、多くの経験を通して多くのファンを獲得している舞台俳優が2.5次元ミュージカルに出演することで、原作を知らない舞台俳優のファンが観劇する場合も多くある。

→ビジネスチャンスと言える


②2.5次元ミュージカル市場拡大の背景とは
 2001年に一時的にブームを迎えた2.5次元ミュージカルは、2003年にキャストの引継ぎを行いながら現在も公演を続けている「ミュージカル テニスの王子様」(以下テニミュ)の初演を迎えた。
 2011年テニミュ2ndシーズンの始まり、2012年「弱虫ペダル」シリーズ、「薄桜鬼」シリーズが初演を迎え、テニミュの関東立海公演が公演開始となった。
 2018年には刀剣乱舞、ハイキュー!!等の人気タイトルが舞台化され、調査以来初めて市場規模が200億円を超えた。

③2.5次元ミュージカルはどうやって売り上げを伸ばすのか
・チケット販売による収益は多いとは言えない
・ライブビューイング、グッズ、コラボカフェが大きな収益となる。

参考文献
・公野勉「アニメライブのビジネス構造について」、経営論集
 第24巻第1号、2014年
・藤原麻優子「研究ノート:ミュージカル『テニスの王子様』試論
 ―2.5次元ミュージカル研究に向けて」西洋比較演劇研究第17巻
 第1号、2018
・一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会 
 (https://www.j25musical.jp/) 2021年4月28日閲覧
・ぴあ株式会社「CSR」 (https://corporate.pia.jp/csr/pia-soken/)
  2021年4月28日閲覧
・Daily PLANETS「『2.5次元って、何?』―テニミュからペダステ
 まで、『2.5次元演劇の歴史とその魅力を徹底解説」
 (https://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar738567)
 2021年4月28日閲覧
・エンタメウォッチング「ミュージカル『テニスの王子様』15年
 上演続く理由」       
(https://style.nikkei.com/article/DGXMZO37804130V11C18A1000000/) 2021年5月4日閲覧 
・劇団四季「劇場情報」(https://www.shiki.jp/theatres/)
 2021年5月4日閲覧
・歌舞伎座「施設案内」(https://www.kabuki-za.co.jp/guide/) 
 2021年5月4日閲覧
・天王洲 銀河劇場「施設案内」(https://www.gingeki.jp/) 
 2021年5月4日閲覧
・DIAMOND online「【松竹】歌舞伎座建て替えで有利子負債が
 拡大 不動産事業は成功するか」
 (https://diamond.jp/articles/-/38231) 2021年5月4日閲覧
・日経クロステック「大井町に1200隻の専用劇場を建設、
 劇団四季」
(https://xtech.nikkei.com/kn/article/building/news/20090616/533403/) 2021年5月4日閲覧
・MANKAI STAGE『A3!』Four Seasons LIVE 2020「GOODS」
 (http://www.mankai-stage.jp/4seasonslive2020/goods/)
 2021年5月4日閲覧
・オリジナルペンライト.com「スティックタイプオリジナルペン
 ライト」
 (https://オリジナルペンライト.com/products/detail.php?  
 product_id=12)  2021年5月5日閲覧
・アクリルグッズの達人「アクリルスタンド」
 (https://acryltatsujin.com/category/acrylic_figure.html)
 2021年5月5日閲覧
・UCANBADGE「44mmフックピン缶バッジ」
 (https://www.u-canbadge.com/badge_size/circle_44.html) 
 2021年5月5日閲覧
・フジカラープリント「価格表」
 (https://www.fdp-net.jp/price.html) 2021年5月5日閲覧

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