LÚN HYPER Hyperインプレと中華メーカーの考察
LÚN HYPER 2023 D33
LÚN HYPER 2023 D33(最新モデルはLÚN HYPER 3.0) について
ENVE SES 4.5 を購入してしまった私は、正直言ってLÚN HYPER の出番はほぼありません(笑)。性能だけでなく、ブランド価値や所有欲といった点でもENVE SES 4.5 に満たされているのです。(正直に告白します!ブランド価値で満たされる程度にはミーハーです)
しかし、コスト面も含めたトータルで考えると、LÚN HYPER D33の満足度はENVE SES 4.5に匹敵するものがあります。
最新のLÚN HYPER 3.0 (268,000円)は、30万円以下で手に入るホイールの中では圧倒的なパフォーマンスを持っており、この価格帯でこれに勝るものはほとんどないのではないでしょうか。
ホイールを選ぶ基準
・軽量性
・価格
・ブランド
特に、この記事を読んでいる方は既にLÚN HYPERを検討されている方だと思います。だとするとお伝えしたいのは!この価格帯でこれ以上素晴らしいホイールはなかなか期待できません。迷っているなら、購入をおすすめします!ということです。
インフルエンサーでもなければ、という意味では案件なんてもらえない私はメーカーの回し者でもなく、本当にそう思ってます。
もちろん、すべてのホイールを試したわけではありませんが、レースでの実用性、ホビーライドにとっての快適性、万能性、かかりの良さを考えると、さらに上を求めるなら、40〜60万円クラスのホイールを検討せざるを得ません。ZippやENVE、Princeton CarbonWorks、カンパニョーロの上位モデルが該当します。
実際、私もLÚN HYPER D33からENVE SES 4.5へと移行しました。LÚN HYPER以上をもとめた時の選択肢がこのクラスのホイールしかなかったからです。
コストと性能のバランスという意味では他には「オロメ ヴァラール DT45D」や「Drive Helix 57D SS」などもコストバランスがとれた良い選択肢として考えられます。その上で性能と価格のバランスを考えたとき、LÚN HYPER も非常に優れたホイールです。コストとう項目を考慮すると中華ホイールの優位性がその性能と品質も踏まえると圧倒的にバランスがよいですね。
LÚN HYPER 2023 D33 実際走ってどうなのよ
LÚN HYPER 2023 D33は十分な軽量性(1,330g)を確保しています。超軽量ホイール(1100〜1200g)ではないが、軽量ホイールとしてバランスが非常に良いです。超軽量ホイールはヒルクライムには適していますが、オールラウンドで使うには軽すぎるてスカスカした踏みごたえない感じで平地巡航でのスピード維持やダウンヒルで不安を感じることもあります。30万円以下のホイールとして、LÚN HYPER 2023 D33は軽量感とのバランスが秀逸です。とても気持ちがよいオールラウンドホイールと言えるかと思います。
まとめると「平地巡航以外は完璧な爆音(ラチェット音)ホイール」
不満だった点から書きますが、むしろそれ以外は最高でしたとうのが結論ではあります。爆音はむしろ好みです。
LÚN HYPERは、カーボンスポークによる効果も含めて加速性能が非常に優れており、0加速から時速30kmへの到達が非常に速いです(体感として加速が非常によい)。しかし、時速35kmからは伸びにくくなり、時速40kmを超えるとさらに相当な脚力が必要という感じです。もちろん私の脚力やペダリングスキル問題はありますが、傾向として捉えるとおそらくどの脚力においても傾向的にはこうだと思います。平地巡行をもっと気持ちよく速くという意味ではLÚN HYPER D45 よさそうではあります。むしろD45のほうがオールラウンド感がありそう(乗ったことない)
一方で、ヒルクライムに関しては、かかりの良さと軽量性が活きており、特に斜度7%を超える場面でも軽くペダルを回せることが強みな感じします。また、市街地での信号Stop&Goも得意で、加速が速いため非常に快適です。
ダウンヒルにおいても、LÚN HYPER D33は剛性感がしっかりとしており、ミディアムハイトのためハンドリングがしやすく、非常に安心して下ることができます。ディープリムと比較すると最高速の伸びは劣るものの、コントローラブルで安心感のある下り性能が魅力です。
カーボンスポークからみるWinspaceの技術的優位性
LÚN HYPER D33の特筆すべき点は、やはりカーボンスポークの採用でしょう。カーボンスポーク自体は昔から超高級ホイールで使われてきましたが、LÚN HYPER D33はこの価格帯でそれを実現し、さらに取り換え可能という優れた技術を搭載しています。わたしごときがカーボンスポークホイールに乗れる時代がくるとか感動です。
Winspaceは、技術面でも業界のトレンドセッターとして成長しており、空力を意識したフロントスポークのネジ穴をふさぐなどのマージナルゲインを実現しています。この技術は、多くの大手メーカーが取り入れているものになっています。このながれで次のENVEもカーボンスポークになればいいのになとか思います。次のDURA-ACEもカーボンスポークの可能性がありそうなど、この流れは確実にWinspaceによるものかなとみえてます。
中華メーカーによるイノベーション
大手がやらない(やれない)が勝ち筋
価格、技術、流通面においても、大手メーカーが抱えるシガラミや既存リソース(サンクコスト)などでイノベーションのジレンマを抱えている中でWinspaceは全部ぶっ壊してきかた感があります(素人ユーザー目線)。かつてのCanyonがD2Cモデルで価格競争で優位に立っていたのと同様に、Winspaceもまさに新しいアプローチでつく進んでいます。今ではCanyonもブランド力が高まり、価格的な競争優位は低下していますが、それでも多くの人が乗りたいと思うブランドとなりました。Winspaceも将来的に同じ道を辿る可能性が高いとみています。
ロゴやデザインは!
たとえば、「SLC3」フレームもそのデザインやロゴについて賛否はありますが、Canyonがかつて「良いものが安い」程度でけっしてロゴがかっこいいとかデザインがよいとかってメーカーではなかったです。フレームに組み込まれたコンポーネントの定価を考えると、フレーム自体が無料じゃんってメーカーでした。
しかし、結局のところ性能や価格重視ですが、(勝てるフレームである前提ではありつつ)誰がのってどれだけ勝つかが大切な世界でもあります。ポガチャルがコルナゴのってることでコルナゴの販売数が爆あがりみたいな感じで、実際のところフレーム性能が他メーカーより優れているかでいえば微妙という記事が多い中で、誰がのってどれだけ勝つかというマーケティングというわけでして、中華系企業はこのマーケティングにおいてもたけています。プロダクト性能が追い付いた今、ここからマーケティング強化フェイズなのではないかとかってに想像しています。
中華メーカーの台頭と日本企業の課題
今、中国系メーカーがサービスや技術面でも圧倒的な成長を見せています。たとえば、ゲームの『原神』、アクションカメラのInsta360、そして自転車フレームなど、さまざまな分野でその影響力が広がっています。これらに共通しているのは、日本企業が持っている優れた人材リソースや技術を活用しながらも、プロダクトのアッセンブルや市場展開において優れた意思決定とプロダクトマーケティングフィットがなされているということです。経営で負けてる感はんぱない。
経営で負けている
中華プロダクトはカーボン素材自体は日本製であり、多くのクリエイターも日本人が関わっていますが、それらをうまく活用して製品に結びつける力が不足している。つまり日本は経営面での課題が大きいと感じます。日本の技術やリソースがあるにもかかわらず、国産アクションカメラが世界的に成功していないのはその一例ですし、ゲームなどのデジタルコンテンツも同様です。
なので
いま一番欲しいフレーム「SLC3」ですね。中華メーカーで完成車のるはありだなと今後の検討。
コンポーネントについても
そしてシマノとスラム 2強時代においてわってはいるのも中華かなと、これには皆さん懐疑的な方も大勢いるのかなと思いますが、実際プロダクトのコンセプトなどを考えると、大手2社が商業的にしないことをやってきている点で私はかなり可能性を感じているというか!シマノまじで頑張れって思っています。
「WheelTop」ワイヤレスコンポーネントシリーズ「EDS」
コンポーネントの話は別途書きたいと思います。
そして書いた↓