ロードバイクに興味があり、はじめたいなと思っている方へ(機材購入偏)
これからロードバイクを購入しようかと検討している方にむけて、過去なんどか相談をいただいた内容を改めて可能な限り普遍的な内容として整理してみました。都度更新を試みますが、一人でも多くの方が自転車に興味をもち最高の体験ができることが個人的な望みです。
そいう意味では機材購入は手段でありロードバイクを趣味とする入口なので、機材購入後に徐々にライド距離を伸ばしロングライドイベント等に参加いただけると!「最高の体験」を得ることで、段階的に好きが深くなっていかなと思っています。しかしまずは機材スタートですね(レンタル活用もあり)
多くの方が機材購入というハードルを超えられない。単純に高いし、その価格は年々あがっています。が故にロードバイク機材購入にはその価値理解と自身の優先度を明確にする必要があります。そこがクリアでない(あるいは曖昧)な場合は最低限(予算内)に押さえて購入するのがよいだろうとは思います。楽しさをまず知るという意味ではレンタル活用もありですし、通勤でクロスバイクなどからでもよいと思います。
機材購入のハードルを超えた方も頻繁に乗ってライド距離を伸ばすにいたらず休眠化するケースもおおいかと思います。なぜならばロードバイクはママチャリにくらべては軽量で飛ぶように走りそーなイメージですが、現実の坂は思った以上にきついし、向かい風は地獄という現実にぶちあたり、楽しいという感想にいたる前段階で「辛い苦しい」という壁を超えられない方がおおいのである。ということかと思う。「なにが楽しくて自転車のってるの?」とはよく聞かれますね。乗らないやつにはわからない以上でも以下でもないです。
などなどの理由で早期に【最高の体験】が得られないとなかなか趣味として定着しない現実があります。残念でならない。こんなにも日本は素晴らしいのに!
それでもまずは機材購入ですね。以下参考にしていただけると幸いです。
フレーム編
ロードバイクはそのフレームの素材により、その性能や価格、そして乗り心地が大きく異なります。現在主流となっているのはカーボンフレームですが、アルミフレームやチタンフレーム、鉄のフレームも存在し、それぞれに特徴と利点があります。以下に、それぞれのフレームの特徴を整理してみました。
私が初めて購入したロードバイクはTrekのアルミフレーム(Trek2000)でした。当時24万くらいで購入した記憶があります。完成車として購入して24万でもアルテグラ(コンポグレード)という今では考えられない価格です。
カーボンフレーム
カーボンフレームの最大の特徴はその軽さと強度(剛性)です。また、カーボンは成型自由度が高いため、空力を考慮した形状に仕上げることができます。これにより、設計者の意図した最適なフレームを実現することが可能です。そのため、ハイエンドモデルや、ツール・ド・フランスなどの大会に出走するプロ選手のバイクは、カーボンフレームです。ただし、その性能の高さゆえに価格も高く、フレームセットだけで大手ブランドですと30万~100万円程度の価格レンジとなっており、今後も価格高騰傾向にあります。ただし一方で中華系メーカーの技術向上もあり高性能な低価格フレームもでてきているのでブランドにこだわらなければ選択幅は広がっているとも言えます。(よい時代ですね)
現在は設計ノウハウや素材科学が進化し、最高の空力性能で軽量でありながら十分な剛性があるフレームが製造できることで、オールラウンドフレームがこの4年くらいのトレンドとなっています。軽さと剛性という本来相反する要素をバランスすることで軽量かつ高剛性でしかも空力については最高ということでノウハウと素材科学の結晶ですね。つまりだから高いというわけです。(それにしても高すぎるはある)
アルミフレーム
アルミフレームはカーボンフレームに比べて価格が安く、手軽に購入できる点が最大の利点です。アルミフレームの製造技術も熟成されており、アルミのハイエンドモデルではカーボンフレームに匹敵する推進力を発揮するモデルもあります。ただしカーボンと比較すると軽量性やエアロ性能には限界はあります。アルミフレームの永遠の名作CANNONDALE CAAD シリーズは、その高性能と手頃な価格から、初めてロードバイクを購入する人にとっての選択肢となることが多いです。価格は6万~20万円程度となります。。。ただしアルミも高騰傾向にはあります。完成車だといまだと20万前後でしょうか?
正直機材性能さはありますが、結局はフィジカル(脚力)が全てではるのが現実ですね。200万近いロードバイクに乗っていても。。。20万のバイクに永遠にちぎられている私は貧脚です。日々努力するしかない。
アルミフレームの場合はフレームセットでの購入ではなく、完成車として購入されるケースがおおいかと思います。まずはここを入口としてロードバイクの世界にインする方はおおいかと思います。ライド経験を積むことで自分のに必要な機材、あるいは興味のあるパーツが知識とともに積み上がっていくので、都度予算との相談のなかで性能UPしていくのもロードバイクの楽しみ方の一つだとは思います。
鉄フレームとチタンフレーム
一方、鉄フレームとチタンフレームは、一般的にエントリーユーザーの選択肢からは外れることが多いです。鉄フレームは重いですが、その粘り強さから長距離を走る際の疲れにくさを特徴とします。(乗ったことないけどw)また、その特性上、一生ものとして長く大切に乗り続けることができるので機材にフォーカスした趣味性の高いものと捉えるよいかなと。鉄の場合は特にフレーム(ジオメトリー)を体とライド目的に合わせてオーダーメードできるのも魅力ですね。ブランドフレームとしては「COLNAGO マスター」がありますね。
チタンフレームは軽量で粘りのある素材で、カーボンやアルミに比べて経年劣化や錆びることがない耐久性があるので、長期的に使用するには適しています。しかしながら、チタンフレームは成形難度が高いため、技術的に提供メーカーは限られており、価格も非常に高くなります。90万円以上が一般的です。MootsやDeRosaなどがチタンフレームでは人気のブランドです。また、製造技術も向上してるなかでは3Dプリンタを活用したチタンフレームも登場しており、形状の自由度もカーボンフレームと同様の自由度を実現しています。それにしてもチタンは美しい。(いつか欲しい)
フレーム選びのポイント
フレーム選びにおいては、予算だけでなく、自分がどのような目的でロードバイクを使用するのか、またどの程度の頻度や距離を走るのかといったことも考慮する必要があります。さらに、フレームの素材だけでなく、用途にあわせたジオメトリー理解も必要です。レーシーなポジションで早くはしりたいのか、楽に遠くまではしりたいのか、などなど
とはいえ、良いものはどれも優れていますので、エントリーという意味では評判の良いフレームを予算にあわせて選ぶのが良く、最初の選択が今後のロードバイク人生におけるフレーム基準になります。いまはレビューやインプレ記事が特にエントリーや中級グレードモデルについてはたくさんでているので参考になると思いますし、周辺に自転車仲間がいるなら多くの場合は死ぬほど積極的にかたってくれる(助言)と思います。
フレームメーカーによっては、手作業比率が高く独特の味わいを持つフレームを提供しているところもあります。(例えばTIMEとか)一方で、大手メーカーは先進的な製造技術により、高品質かつ均一な品質(あたりはずれがない)なフレームを提供しています。フレーム選びに慣れてくると、乗り味の違いがわかるようになり、さらに楽しくなります。コーヒーもワインも味の違いがわかるとスキになるとの同じですね。
人気フレームメーカー
日本で人気のあるメーカーとして、SpecializedやTrekが挙げられます。これらのメーカーはその製品の品質だけでなく、日本市場への投資や店舗展開に力を入れており、流通ボリュームが確保されている点も特徴です。これは、メンテナンスや部品の確保といった、ロードバイクの長期的な使用において重要な要素です。とはいえマーケティング予算ボリュームによるところかなと。その分コストがのっているので高いですね。また日本市場がグローバル比較においては小さいので在庫の割当がすくなくなっている印象です。ほしいフレームも在庫がなく半年、1年まちでの購入になるケースも多いです。一方で中国でのロードバイク人気の高まりもあり、中国市場においてはハイエンド機材も含めて在庫が豊富にあり即購入できる環境ですね。うらやましい。
近年はCanyonも大人気です。これは、コスパが非常に高いことで知られるメーカーで、ECを通じてダイレクト販売を行い(つまりD2C)、中間業者を排除しているため、非常に高性能なフレームを手頃な価格で提供しています。ネット購入による持ち込み機材を扱わないショップが一部ありますが、時代の変化には勝てず増えています。今ではCanyonのようなダイレクト販売が広がっています。ただしもはやCanyonも立派なブランドで消してコスパがよいとはいいきれない世界線ですね。中華ブランドの攻勢により…
D2Cあるいは中華攻勢は自転車に限らず全ての領域で同様におこっていることですね。
コンポーネント編
ロードバイクのコンポーネント(部品)は、そのパフォーマンスや快適さに大きな影響を与えます。特に重要なのは、変速スピードと精度、そしてブレーキの制動力です。コンポーネントの歴史でいえば基本的にはShimano VS Campagnolo の歴史があります。Shimanoは誇れる日本企業ですね。シマノは、その長い歴史の中で多くのエポックメイキングな機能を自転車のコンポーネントに導入してきました。具体的には以下の通りな感じ。
Shimanoの歴史と革新
Shimanoは誇れる日本企業であり、長い歴史の中で自転車コンポーネントに数々の革新的な機能を導入してきました。具体的には、以下の技術革新があります。ちなみに僕は長年ファンとしてShimano株をガチホしています(笑)
インデックスシフティング(SIS: Shimano Index System): 1980年代にシマノが最初に導入したこのシステムは、ギアを変更する際の明確な「クリック」感を提供し、それにより正確な変速が可能になりました。これは、それまでのフリクション(無段階)シフティングとは大きな違いで、現在のほとんどすべてのロードバイクとマウンテンバイクに採用されています。
STIレバー(Shimano Total Integration): 1990年に導入されたこのシステムは、ブレーキレバーとシフトレバーを一体化しました。これにより、ライダーは手をハンドルバーから離すことなくギアを変更することができ、安全性と効率性が大幅に向上しました。
デュアルコントロールレバー: シマノはブレーキとシフト機能を同じレバーに統合した最初のメーカーの一つです。これにより、ライダーはハンドルから手を離すことなくブレーキと変速を操作することが可能になりました。
デジタル統合インテリジェンス(Di2): 2009年にシマノは、ロードバイクのギアを電子的に制御する初の大手メーカーとなりました。このシステムは、ワイヤーやケーブルを使わずに変速するため、瞬時に正確なギアチェンジを可能にします。
Shimanoすごくない!本当に素晴らしい日本企業ですね。
一部のグレードについて
初心者からプロまで、あらゆるレベルのライダーに対応する製品を持つことで知られています。非常に高品質で信頼性が高く、価格も他メーカーと比較すると手頃です。
Dura-Ace: シマノの最上級グレード。プロフェッショナル向けで、最高の性能と軽量性を備えています。
Ultegra: 高性能ながらもコストパフォーマンスに優れています。Dura-Aceと同様の技術を用いつつも、価格はより手頃です。重さの違いだけかなと
105: ミドルレンジのグレードで、一般的なエンデュランスライダーに人気です。信頼性と性能を兼ね備え、初めての本格的なロードバイクに最適です。
Tiagra, Sora, Claris: エントリーレベルのグレードで、初心者向け。価格が安く、普段使いに適しています。
最低でも「Shimano 105」レベルのブレーキ性能が欲しいところで、できれば「Ultegra」くらいの性能を備えたコンポーネントを選ぶのが理想ですなどと言われますが、105で十分な世界であり、一方で105随分と高額になりました。
Campagnoloの贅沢さ
一方でCampagnoloは贅沢は素材活用で軽量かつ美しい機材というイメージでです高価です。憧れの機材という感じで、FERRARI乗りたいっていう感じの機材です。あくまでも私見ですが、時代に変化に取り残されてしまった感がありますね。
主な革新と特徴をいくつか挙げてみます:
クイックリリースハブ: カンパニョーロは1933年にクイックリリースハブを導入しました。これは、ツールを使わずに自転車のホイールを取り外すことを可能にする革新的な技術でした。
12速ドライブトレイン: カンパニョーロは2018年にロードバイク用の12速ドライブトレインを初めて導入しました。これにより、ライダーはより細かいギアステップと広いギアレンジを利用することができます。
素材とクラフトマンシップ: カンパニョーロの製品は、その美しいデザイン、上質な素材(しばしばチタンやカーボンファイバー)、そして手作業による精密な組み立てが特徴です。これは、その製品が一部のライダーにとって特別な魅力を持つ理由の一つです。
カンパニョーロが技術的革新だけでなく、デザインとクラフトマンシップの面でも業界をリードしているって感じですね。いやむしろ芸術品としての価値比重がたかくなり性能といういみでは見劣りしつつありますというか単純に高すぎる。贅沢な素材をつかって単純に高いがみたいな。
SRAMの急成長
最近では、SRAMも市場シェアを急速に拡大しています。SRAMの「eTap」はワイヤレスの電子変速システムで、アプリとの連携が非常に良く、デザインもかっこいいです。Shimanoと比べてシフト精度やスピードでやや劣るものの、テクノロジーとの融合が進んでいる点で支持を集めています。
現在の主流である電動シフトにおいてCampagnoloはよわい(イタリアメーカーだし!)のでここ8年で言えば、Shimano VS SRAM の状況。Shimanoモノづくり最高な会社ですが、電動シフトでかつアプリ連動っていみではアプリサイドがまじでいまいちで、一方でSRAMはシフト精度やスピードは劣るものの、アプリとの連動や使い勝手がよく、デザインもかっこいいぜ。という感じで急激に市場シェアを拡大している。
ホイール編
ホイールは、ロードバイクの走行感やパフォーマンスを大きく左右します。ホイール選びは、バイク全体の性能を向上させる最も効果的なアップグレードの一つです。初めは完成車についていくるホイールでライドを楽しむと思います。乗り込むことで早々に欲しくなる機材こそがホイールとなります。
きっといろいろ皆さん予算に合わせて10万以下とか20万以下とかあるいは50万前後とかという感じでリサーチするのだと思われます。このリサーチの段階が極めて楽しい瞬間でもありますね。YouTuberな方々もホイールインプレやホイール関連の配信は人気コンテンツとして多い印象です。
ホイールの価格の違いはほぼフレームのそれと同じです。空有力性能、軽量性、剛性、この3つのバランスを用途に合わせて選択するということかと思います。より軽量で剛性がたいためペダリングパワーダイレクトにスピードに変えられて、圧倒的な空力性能のあるホイールは単純に高いです。最初は軽量性に注目がいくかと思います。見た目という意味では空有力性能のよさそうなディープリムホイールに憧れるものですよね。
素材の選択
ホイールの素材は主にアルミニウムとカーボンの2種類があります。
アルミニウムホイール: 安価で頑丈、修理が容易なため、初心者や日常使用に適しています。価格は10万円以下で高性能なホイールもあります。
カーボンホイール: 軽量で空力性能に優れ、レースや高速走行に適しています。価格は20万円以上が一般的です。
リムの深さ
リムの深さは、ホイールの空力性能と安定性に影響を与えます。ディープリムホイールは、空力性能が高いため平地での高速走行に適していますが、風に弱い面があります。一方、浅いリムホイールは風の影響を受けにくく、安定性が高いですが、空力性能は劣ります。横風とかビビるので初めてであればミディアムな感じで35mm前後はバランスがよくて個人的にはオススメです。
スポーク数
スポークの数は、ホイールの強度と重さに影響します。スポークが多いほど強度が増しますが、重さも増します。少ないスポークのホイールは軽量ですが、強度が低くなることもあります。最近ではカーボンスポークを使ったホイールも増え、中華メーカーのホイールは「安価で最高」として注目を集めています。
僕自身も中華製の「HYPER D33」を使用していましたが、カーボンスポークで強度と軽さを兼ね備えており、コストパフォーマンスが非常に高いです。ドイツのライトウェイトホイールと同様の性能を持ちつつ、価格は半分以下です。
最後に〜
ロードバイクを選ぶ際には、フレーム、コンポーネント、ホイールの各要素をしっかりと理解し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。それこそがコスパそのものなのです。用途のあっていない高価機材もゴミでしょうし、一方で用途もサイズもドンピシャな機材は最高だと思います。高額なものを購入するには多くの学びが必要だと思います。楽しみながら積み上げていきましょうという話でした。