SIの不幸をどうにかしたい(Salesforce退職から10ヶ月)
ご無沙汰投稿になります。佐伯(yonyonsaeki)です
※本記事は、2020年1月に立ち上げたリゾルバ(resolver)という会社の創業ポストになります。
昨年4月にSaleforce社を退職して (退職post)10ヶ月、舌の根も乾かぬうちで恐縮です。
ちなみにまだWebサイトも出来てません。。
何か革新的なサービスで世界を変えると言った柄でもありませんので
小さな町医者のようにITコンサルティングを営む零細企業が
出来上がっただけの話ですが、良い機会なので思いを綴ります。
"ITプロジェクトの不幸をどうにかしたい"
沢山のプロダクトを元に、多くのITプロジェクトが動き、
経営者や現場、外部ベンダーの皆様に至るまで、
・今後についての不安や見通しの悪さ
・発生してしまった悩みや損害
に苦しむ人がいる、という
“昔から今に至るまで確実に起こってる問題”に対して
従来のSI事業と違うコンセプトで
広くアプローチしていこうと思っています。
■思い・経緯
自分自身のキャリアですが、ざっくりいうと
1.現場(大手SI)→2.現場(ベンチャーSI)→
3.Salesforce→4.現場(playing副社長)->現場(起業)
とSIの現場、活用支援側に重きを置いてきています。
やったことと課題を一口コメントで書きます。
1.では、Salesforceが進める”ITの民主化”に共感。
課題感:顧客のためにCloudをフル活用できるスキルが欲しい
2.ではCloudMixのインテグレーション、IoTや新規デジタルサービスの立ち上げを経験。
課題感:良い技術があってきちんと顧客や商談と出会うのは難しいと実感
3.では技術営業として、ビジネス的に付加価値の高いテクノロジをきちんと活用したよりよい案件のカタチを量産してデリバリに繋ぐ役割を
課題感:未来志向で、実力、良心あるプレイヤー(作り手)の不足感を再認識
4.では改めて小さなSIの組織運営を成長させることに取り組み
課題感:関与PRJや作り手を自社組織だけで増やしていくアプローチに限界を感じる
上記経て今回の起業に至ります。
10年強の間、
それなりに心の痛む距離感で様々な現場を見てきた者として、
時には、お客様や仲間と共に、心身を痛めながら関わってきた者として
今後の自分なりのアプローチを、自分の裁量で純粋に実行できる場所を作りたいと思ったのが大きいです。
■ ITプロジェクトの不幸はSIerの力量不足?
当たり前すぎて恐縮ですが、、、
ユーザ企業(発注側)と作り手(受注側)
の両面で、必要なリソースが不足して問題が起きます。
IT自体、最後は人が使うものですので
それを活用するためのマンパワーだったり、知識だったりはユーザ様側に何らかの形で必要です。
もし、自社で足りないリソースや専門スキルやノウハウ/アセットがあれば
ユーザ企業様はBtoBプレイヤーと手をとってアウトソースすることになります。
なので、当然ですが、ユーザ側か受注側かどちらかです。
前述の、望んだ結果が得られないPRJの不幸が起きるのは、
“ユーザ企業の願望と、手段となるプレイヤーがロスなく繋がる”
ということが本質的に難しい、ということなのだと思います。
そして、
その繋がり具合・伝導率の決め手となる役割は
実は”人”(タレント)が吸収している場合が多く
「プロジェクトは結局、人が全て」
とよく言われる理由もここにあると思っています。
■互いに変化に挑まなければいけない
実際、ユーザ様側に立ち位置のある方
(Agencyの方、顧客と企画を共に進めてきたツールベンダの方も含みます)
からよくご相談を受けるものとして
"一緒にPRJに取り組んでいるSIerさんが、
・PM力が不足していて、遅延している
・品質が悪く、期待しているものができていない
ため困っている"
といった類の、SIer側の力量問題に関するご相談が多いです。
それなりに実績のあるSIerさんでも、そんなお話は絶えません。
スキルの個人差も出やすい仕事なので、本当にそうであることもあるのでしょう。
ただ最近は、佐伯にご相談頂いた経緯などをよく伺っていくと、
“ユーザ企業自身の立場を理解し対話を成立させながらPRJを進めてもらえる”
ということを強く求められているようで、
そのスキルが重要になってしまうような、”顧客側内部の調整や整理が困難で複雑な案件”において問題が起きているケースがよく発生しているように思います。
ユーザ部門と直で実施するPRJが増えたり、事前定義の難しい取り組みへのプロジェクトが増えたことも背景と思います。
きちんと定義された発注・受注が成立している前提の
“プロジェクトマネジメント”は、熟練の必要な、専門スキルの一つですが、
その手前の役割へのニーズが増しているのを感じます。
発注側でそれを補完する機能がまだ十分でない、ということでもあります。
互いの越境が必要です。
昨今機運が急激に高まりつつある、Adminの方の重要性も高まるばかり。
同時に外部の専門家に求められるスペックも変わっていくでしょう。
■やっていくこと
業界の一プレイヤーとして、競合先を作らず、
Salesforceを軸としたプロジェクトの”不”の解消・緩和に取り組みます。
これまで各組織で、課題と手段を繋ぐ役割を担ってきた、高度にジェネラルなスキルセットのチームで対応していきます。
・ご相談/カウンセリング “まずは信頼と共感からはじめたい”
Salesforce活用検討・お悩み中のユーザ企業様や営業・提案方針検討中のパートナ様からのよろず相談を無償で実施しています。
弊社としては、プリセールス機能も兼ねますし、解像度の高いケーススタディを得られる意味があります。
商談としてフェーズが深まってからでは、
期待値が固定化されコミュニケーションも硬直化しやすいため
フラットに会話ができず、やれることも狭まり、弊社もうまく機能できません。
これまで、何百の案件の相談を受けては、咀嚼し、ホワイトボードを描いて描いて描きまくってきました。
1-2時間でも何らか持って帰って頂ける情報や、ネクストアクションへの繋ぎ込みが出来ます。
過去の案件実績やパートナネットワークもこの中で適宜紹介していきます。
今後直接うちのビジネスにならなくても構いません。
まだあまり多く受けられない状況ですがTwitter等でお気軽にDMください。
事務所(清澄白河)でコーヒー用意してお待ちしています。
・発注側支援
ITプロジェクトの企画や推進にあたっては、お客様ご自身(自社)でイニシアチブをとって進めなければいけない部分が多くあります。
その方達の相談相手、右腕として横串で支援をしています。
アドバイザリ、PMO、コーチといった関わり方になります。
プロジェクト単位ではなく、
労働集約的である部分や、専門分野であり外部協業が合理的な部分を外だし、それ以外は外に投げず内製、といったフォーメーション作り自体を支援し、
最終的には、弊社が不要である状態をゴールとするような支援を行なっています。
・SIer支援
SIビジネスの難しさは営業面、プロジェクトのデリバリ面、組織構築面と多岐に渡ります。
人を抱える必要があり、教育・成長の面で社会的に担う使命も大きいです。
何よりもエンジニアリングのDNAとして、
良い物作りや技術提供を安定して実行できる組織作り、に注力したい
と考える組織が多いのではないでしょうか。
弊社では営業支援、スポットの技術支援、アセットの提供といった支援サービスを行っています。
弊社に持ち込まれる案件を前捌きして、スキルマッチするパートナ様に繋いだり開発案件などでのチャレンジリスクを抑制するようなOSSの開発
提案・プロジェクト局面でのレビューなどを実施しています。
受託も一部プライムとして対応するものもありますが、
敢えてこうした支援先のSIパートナ様のどなたかにパスする出口を見据えて対応し、弊社のチームは入口としてより多くのご相談の対応を担えるよう捌いていきます。
受託をやって、人を抱えて、グロスで大きな売上/粗利成長を自社では狙わない、というのも一つのチャレンジです。
正しい成長を目指す複数のSIパートナ様の共通リソースとして機能していきたいです。
■今後の事業展開について
現状は、あまりシステム化、型化してスケールアウトするようなことをせず、今のチームで可能な案件に対応してコンサルティングフィーを受け取るモデルでやっていますが
年内には、ナレッジをパッケージングしての販売であったり、汎用性の高いワークについてはプロダクト化して販売することを予定しています。
労働集約のビジネスモデル自体が悪だとは思いませんが、
エンジニアのworkはスポットのプロジェクトで消費されて何も残らない、
そして次の案件へ、ということがまだあまりに多い業界です。
少なくとも、クライアントワークを通じて発揮した成果が、
何らかの資産、として組織にも、何ならエンジニア個人のキャリアにも価値が発生し続けるようにする、
という大前提の取り組みは必須だと考えています。
それを体現していきたいと思います。
最後に
SIサービスの新しい形・コンセプトで業界を盛り上げてくださるパートナ様、是非お仕事ご一緒しましょう。
また、現在トレックというSIerの副社長も兼務しています。
戦友であり友人達の会社であり、
エンジニアの自由と成長と対価の最大化を志す貴重な会社です。
Salesforce界隈ではAWSやHerokuと横断で対応できる点で
市場における数少ないプレイヤーでもあり、メンバーのみな含め大切に思っています。
今後、建て付け的なところで、肩書きなど変えると思いますが
引き続きトレックの事業運営には携わって参りますので
これまでと変わらぬお引き立てを頂けますよう宜しくお願い致します。
そして、まずはWebぐらいつくれと、、すみません。頑張ります。
今後とも、応援宜しくお願い致します。
※余談:ちなみに、社名は解決者が直訳ですが、DNSの名前解決(resolver)から。古き良きIT業界の習わしに沿って、ユーザ、サーバ、と同じく語尾を伸ばさない所で気づいてくれた人がいたら嬉しい。僕たちは伸ばさない。ロゴは障害解消時によく使われるチェックみたいなマークより。
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