僕が抱えている600万円の借金のお話②


こんにちは。利息しか払えず元本が一生減らない支払いをしている愚か者です。


前回は自分の生い立ちについて、そして、金持ちというものに執着心を抱いたという話をしました。今回はその続きで、大学生となった僕のアンサクセスストーリー中編です。思い出して書き起こしてみると、相当狂っていたなと我ながら思ってしまいます。


さて、無事に華の大学生活を始められたわけですが、スタートダッシュはお世辞にも好調とは言えませんでした。学費、生活費、すべてのお金を自分で賄わなければならないプレッシャーが僕に重くのしかかります。


しかも、僕が入学した大学は何の情報も知らない、とりあえず滑り止めで受けた大学。勉学のモチベーションはほぼゼロ。さらに周りを見れば親からの仕送りで悠々と生活を送る富裕層の学生で溢れていたのです。彼らは「遊ぶ金」のためにバイトを、僕は「生きる金」のためにバイトをしていました。あの時は嫉妬と憎悪で感情が何度も爆発しかけたのを覚えています。


それでもそれなりにキャンパスライフは楽しめました。入学当初はサークルには入りませんでしたが、友人も少ないながらに出来たし、勉強のほうもなんだかんだで慣れてくれば楽しく思えてくる講義もありました。


しかし、二年生になった僕は足るを知ることを拒否し、借りていた奨学金を倍に増やしました。仕送りで生活している彼らとどうしても自分を比べたときに悔しかったからです。当時のバイト先を辞め、貯めたお金とその奨学金で原付を購入。自家用車を持っている同級生には敵いませんでしたが、それでも行動範囲はかなり広がりました。そして、これが第一の過ちです。


足を伸ばせる範囲が広がったことで、僕はパチンコ屋に繁く通うようになりました。アパートからの徒歩圏内にも店はありましたが、個人のこぢんまりとした店舗。友人とほぼ冷やかしで行きましたが、そんなにはまることはありませんでした。


原付で行けるようになったその店は比べ物にならないくらいの大きさで、その規模を目の当たりにしてとても興奮したのを覚えてます。


そしてその店へ通うこと数回、ビギナーズラックというものでしょうか、30万円ほど大勝してしまいました。第二の過ちです。これだけの大金を簡単に手にしてしまうと、働くのも馬鹿馬鹿しくなってしまいます。日雇いのバイトにそのときは切り替えていましたが、即辞職。そこからパチンコスロットにのめり込んでいきます。


もちろん、そんなことが上手くいくはずもありません。貯金はすぐに底を尽き、コンビニのアルバイトを始めることになります。そして、ここの店長、同僚たちと宿命的な出会いを果たします。ここにいた人たちは、黄金騎士や大物怪盗、使徒襲来にやたらと詳しい人間たち。そう、パチンコ中毒者で溢れかえっていました。これもまた何かの縁だったのでしょう。


気がつけばギャンブルから足を洗うどころか肩まで浸かってしまい、パチンコスロットに投資しまくった結果、コンビニのアルバイトで稼いだお金と倍プッシュした奨学金をもってすら生活を賄えなくなっていたのです。


そこで手を出したのがクレジットカード。運転免許をとる時に作ったこの魔法のカードをなんとか小出しにしてやり過ごすのでした。第三の過ちです。現金は家賃と電気代さえ残しておけば大丈夫。 そんな甘い考えで後半の大学生活を過ごしていました。


しかし、このように痛い目を見ているはずなのに、僕はギャンブルを止められませんでした。生活は極貧。金をたくさん借りて、バイトでそれなりに稼いでいるのに、です。当時の僕は環境が、家庭が、と、頑なに自分の非を認めませんでした。また、周りの人間もパチンコ・スロットばかりしていたので、異常さに気がつかなかったというのもあります。


それなりにきちんとしたお金の使い方をここで学んでいれば、社会人になったときには借金を抱えずに済んでいたかもしれません。と、こんなことを今さら言っても仕方がありません。これを読んでいる人に警鐘を鳴らせているのであらば僥倖、それに越したことはありません。


でも、残念ながら金に執着した男の過ちはここでとどまりません。さらに自ら沼地に飛び込んで奥底まで沈んでいくことになります。最後の後編、どうぞご期待ください。

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