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【社会人インタビュー#13】外交官として活躍するのOBの”キャリア”

世の中理解塾の濱野です。今回は外務省に入省されている江本龍弥さんにインタビューを伺いました。
わくわくを軸にご活躍されている江本さんに、お話を伺っていきます。

江本龍弥(えもとたつや)さん
外務省勤務

中央大学法学部国際企業関係法学科卒業後、2021年に外務省に入省。
現在はフランスで在外研修をされている。


外務省でのお仕事

‐本日はよろしくお願いいたします。まず江本さんの現在のお仕事について教えていただけますか?

外務省に専門職員として入省しては3年目になります。

外務省に入ると1~2年の本省勤務ののちに外国で在外研修があるのですが、私は研修後がフランス語なのでフランスで在外研修をしています。この7月でちょうど2年目に入りました。

9月からは大学院で国際法を専攻する予定です。

【用語解説】
在外研修
研修期間は2年~3年と言語によって異なる。原則として研修語を母国語とする国の大学・大学院へ留学する。期間中は語学の習得に加え、研修国の歴史・政治・経済・社会・文化などを広く学ぶ。

研修制度|外務省 (mofa.go.jp)


当たり前を守ることから海洋法のスペシャリストに

‐ありがとうございます。外務省に専門職試験で入省したということですが、そのきっかけは何だったのでしょうか?

そもそも外交官を目指したきっかけは2つあり、1つ目は中学1年生のときに地元の福島県いわき市が震災で被害を受けたことです。

その時に当たり前の生活がたった一日で崩れてしまう様子を目にして、将来は当たり前の生活を守れるような仕事に就きたいと思うようになりました。

じゃあどうやって貢献していくのかということを考えたとき、大学で学んでいた国際法をいかしたいと思ったのが2つ目の理由です。

また、大学で国際法を学ぶ中で外交の果たす役割は大きくて、時代が大きく変わるときには外交が関係していることに気がつきました。歴史が動くその瞬間にかかわることが出来たら面白いんじゃないかと思ったことも、外務省を受けた理由の1つです。

ー震災がきっかけの1つというお話は私自身にも繋がるところがあるので、とても共感しました。今後のお仕事の将来像があれば教えていただけますか?

国際法の観点から外交政策の遂行に貢献したいという気持ちを持って入省したので、この在外研修期間中に国際法をしっかり勉強して国際法のスペシャリストとして頼られる存在になりたいです。その中でも特に海洋法の分野の専門性を身に付けたいと現時点では考えています。

周りがやっていないことを

ーありがとうございます。今までのお話の中で国際法というのがキーワードになってくると思うのですが、国際法に興味を持ったきっかけはあったのでしょうか?

もともと中高生の時は、大学では国内法を勉強して将来は裁判官か検察官になりたいと思っていました。

ですが高校3年生の時、大学生の期間をその資格勉強のためだけに使うのはどうなのかと疑問に思ったんです。

「他の人がやっていないような領域に挑戦したい!」と思って手を伸ばしたのが、国際法に興味をもったきっかけですね。

あとは、学研連の新歓で外交官試験受験団体である外交研究会の勧誘を受けたこともきっかけです。

ー他の人がやっていないことにチャレンジしようという姿勢に感銘を受けます。外交研究会に入ったのも1つのきっかけということですが、学研連ではどのようなことをされていましたか?

主に国際法や国際政治の自主ゼミを開いていて、そこで国際法の基本的理論の勉強をしていました。

他にも国際法の模擬裁判や、年2~3回のOBOGの方から話を聞く機会がありました。そこで外務省の話を聞くことで、興味がわいたのもあります。

在外研修で感じる困難とモチベーション

ーはじめにもあったとおり現在はフランスで在外研修中の江本さんですが、その中で感じるやりがいや大変なことはありますか?

仕事上のことではないんですが、この研修が初めての海外滞在なので、日本での快適な生活からのギャップに慣れるのが大変でした。

もちろん言葉も分らないので言語の壁を感じたり、生活上のトラブルが発生しても解決方法が分らなかったりしましたが、なんとか最初の1年で暮らしていけるようにはなりました。

ーなるほど。逆に勉強されていくなかで感じているやりがいなどはありますか?

大学院での勉強が9月からなのですが、今はいわば国際法のスペシャリストになるために自由に使うことが出来る時間だと感じています。

大学生の時はただ興味が向くままに国際法を勉強していました。

でも入省1年目の本省勤務の時に、国際法がなぜ必要なのか、どのように国際法が使われているのかということを肌で感じることが出来たんです。

その後にまた勉強出来る機会が与えられているので、目標にまっすぐ進んでいくことが出来ると感じています。それがとても楽しみです。

ー一度本省で勤務してからまた留学に行くというシステムに違和感を覚えていましたが、その意義を感じることが出来ました。こうした仕組みがあることで、自分の目標により近づくことが出来るんですね。


選択の軸は「どっちの方がわくわくするのか」

ー向上心がとても高い江本さんですが、社会人として生きていく上での軸や原動力はありますか?

社会人としてと言っていいかは分らないのですが、何かを選択するときにはどっちの方がわくわくするのかということを大事にしています。

今までの選択の時にも、自分が続けていけるかどうかということを考えていて。それは能力的な面もありますが、何よりモチベーションが保てるかどうかを大切にしています。

人生は1回きりでせいぜい80年ほどなので、わくわくしない方に行っている暇はない!と思っています。

今は、将来的に外交官として歴史の末端を担えること、国際法の観点からいろんな人に関われることにわくわくしています。そのためにも在外研修で外交官としての基礎体力をしっかりと身に付けたいと思います。

ーわくわくが判断軸や原動力に繋がっている江本さんですが、外務省でのお仕事の中で感じたことがあればお伺いしたいです。

本省での勤務の時には直属の先輩に、課長の視点と担当官の視点の両方を持つように教わりました。

入省1年目の職員が上のレベルの話に直接関わることは難しいです。ですが、より広い範囲を見ている上司が持っている物事を俯瞰する鳥の視点と、自分の担当している案件については細かいところまで間違えないようにこなす虫の視点、その両方を行き来出来るように意識していました。

ー私が江本さんの立場にいたら、1年目でそのようなことを言われても混乱してしまうと思います。江本さんはどのようにしてこれらの視点を身に付けたんですか?

すぐに身に付けるのは正直とても難しいと思いますし、私自身なかなかうまく出来ないことも多かったです。

その中でも普段から心がけていたのは、部屋の中で飛び交っている情報をつかみ視野を広く保つということです。

手元のパソコンで作業しながらも、周りの人たちが何を話しているのかということに聞き耳を立てておくことで、課室全体が今この瞬間にどのように動いていて、より広い範囲を見ている上司や先輩が何を思っているのかということは考えるようにしていました。

ー小さなことに気をつけることで、視点は身に付けられるんですね。私もこれからの生活で意識していこうと思います。


今目の前にあることに一生懸命に

ー最後になりますが、中大生に何かメッセージがあればお願いします!

先が見えない不安定な時代で大変だと思うのですが、先のことよりも、今目の前にあることを一生懸命やってみて欲しいです。

一生懸命やってみると、自分の価値観や自分は何が得意で何がやりたいのかということが見えてくると思います。

後は、学生の間は沢山失敗が出来る期間であるというマインドも大切だと思います。今のうちにいろんなことにチャレンジして欲しいと思います。

ー常に向上心のある江本さんのお話には参考になることばかりでした。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


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